月の最終週の金曜日、午前十一時、粟田の『夢庵』に集う。約束はこれきり。
苗字と電話番号しか知らない四人。住所はそれぞれ異なる町だけれど、粟田の夢庵という店がその中心に位置しているので、そこに決めて早二年半、その時刻になるときっちり四人は顔を合せている。初めての会食は3月11日、大震災のその日だから印象深く忘れえぬ始まりの日になった。
不思議な縁。
それぞれの歴史がそれとなく明らかになっていく。
ただおしゃべりだけの会だけれど、年長のTAさんは縫製の高い技術を駆使して、洋服やパッチワーク、バックなどを月々持参し、見せてくれる。そのセンスの良さに三人は驚嘆、ため息、賛辞。
おしゃれで美しい人。
講習会で初めて隣り合わせたときには、《お高くて鼻持ちならない人》の印象だったのに打ち解けてみれば、気さくで優しく親切・・・人は見かけによらないけれど、よく知れば、そういう雰囲気を育てた家庭環境、つまりはお育ちも現今の生活もわたしとは格段に違う。
だから会話も・・・
「見ると買ってしまうの、だから困って山のような服やクツをハードオフに持っていったら・・・何のことはないわ、数百円。オホホッホホ」と笑った。
ざっくばらん・・・こちらもひがみ根性なしで(いえ、いえ、隠すべきは隠して)愉しくおしゃべりに興じている。
苗字と電話番号しか知らない四人。住所はそれぞれ異なる町だけれど、粟田の夢庵という店がその中心に位置しているので、そこに決めて早二年半、その時刻になるときっちり四人は顔を合せている。初めての会食は3月11日、大震災のその日だから印象深く忘れえぬ始まりの日になった。
不思議な縁。
それぞれの歴史がそれとなく明らかになっていく。
ただおしゃべりだけの会だけれど、年長のTAさんは縫製の高い技術を駆使して、洋服やパッチワーク、バックなどを月々持参し、見せてくれる。そのセンスの良さに三人は驚嘆、ため息、賛辞。
おしゃれで美しい人。
講習会で初めて隣り合わせたときには、《お高くて鼻持ちならない人》の印象だったのに打ち解けてみれば、気さくで優しく親切・・・人は見かけによらないけれど、よく知れば、そういう雰囲気を育てた家庭環境、つまりはお育ちも現今の生活もわたしとは格段に違う。
だから会話も・・・
「見ると買ってしまうの、だから困って山のような服やクツをハードオフに持っていったら・・・何のことはないわ、数百円。オホホッホホ」と笑った。
ざっくばらん・・・こちらもひがみ根性なしで(いえ、いえ、隠すべきは隠して)愉しくおしゃべりに興じている。