続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)みごもりて。

2021-01-15 06:42:50 | 飯島晴子

  みごもりて話声なく白障子

 白障子、冬の太陽が室内に柔らかく差し込む、この体感、恵みは無上の喜びである。身籠ったという奇跡に、話す言葉もないほどの感涙に沸いている。

 みごもりて(身籠)はシン・ロウと読んで、辛、労。
 話声なく(話声無)はワ・ショウ・ムと読んで、和、章、謀。
 白障子はハク・ショウ・シと読んで、白、衝、思。
☆辛い労(骨折り)、和(韻や調子をあわせる)章である。
 謀(はかりごと)がある、と白(申し上げる)。
 衝(重要な)思(考え)がある。

 みもごりて(身籠)はシンロウと読んで、身、老。
 話声なく(話声無)はワ・ショウ・ムと読んで、和、唱、務。
 白障子はハク・ショウ・シはと読んで、博、章、旨。
☆身(からだ)の老いと和(仲よくする)と唱える。
 務(一途に働き)博(大きく広げる)章の旨(考え)がある。


R.M『幕の宮殿』③

2021-01-15 06:13:52 | 美術ノート

『幕の宮殿』、被われた宮殿ということだろうか。宮殿の内実・・・変形のフレームに閉じられた世界、世界を変形させた宮殿…皇帝(支配者)の遺したもの、記念碑的な記録、過去の遺物である。語られるような権力や贅をつくした美の殿堂ではなく、歪んだパネルに収められた空疎な世界。
 緑(自然)の繁殖、天空の普遍をも支配したとの錯誤。語られた馬の鈴(伝説・風評・口伝)の収縮、それらを沈黙の虚空がつないでいる。

『幕の宮殿』は「解釈」であり、答えである。きわめて個人的な見解かも知れないが、まるでガラスの割れた破片のような態である。確固として存在した宮殿という人為的な権力の巣窟への厳しい評価である。

 しかし世界は変わらない、酷似した宮殿は形を変えて世界を制圧していく。静かに眠りについた宮殿への哀惜は平和であるが、幕を外せば繰り返される未来の展望が芽を吹くに違いない。
 永遠に閉じることのない幕は、今この瞬間にも霧散し新しい宮殿を見せるかもしれない。幕という垂直に下りる仕切り、しかし時間は止まらない。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3572。

2021-01-15 06:04:09 | カフカ覚書

.とにかく、こうしてフリーダは、縉紳館に帰ってきたのです。ご亭主は、わたしのほうに横眼をつかいながら、ちゃんと腕前を証明してみせたわたしを犠牲にしたものかどうかとためらっていましたが、すぐに言いくるめられてしまいました。フリーダに有利な材料が多すぎるのです。とりわけ、彼女ならクラムをふたたび酒場に連れもどせるだろう、というわけです。


☆彼女は再び戻ってきたのです。主人は横で一瞥し、彼女を紙に捧げたものかどうかをためらっていましたが、間もなく勧められるままになってしまいました。フリーダのために多くを離せば、彼女は再びクラムを幽霊の世界へ戻せるだろうというわけです。