春蘭の斑や声ふかくしまひおく
春蘭にはジジババの呼び名がある。
《年ふればよはいは老いぬしかはあれど花をし見ればもの思ひもなし》古今集より
年月が経ったので私はすっかり年老いてしまったそうではあるけれど、この桜の花(わが娘である染殿后)を見ていると何も思い煩うことがない気持ちになる。
この歌を踏まえて、(いろいろな事があるけれど、胸の中にそっと納めておきましょう)という意。
春蘭はシュン・ランと読んで、瞬、爛。
斑や声ふかく(斑声深)はフ・セイ・シンはと読んで、怖、凄、震。
しまひおく(仕舞置)はシ・ブ・チと読んで、死、無、質。
☆瞬(またたく間)に爛(腐って形が崩れる)怖さに凄まじく震える。
死んで無くなる質(中身)がある。
春蘭はシュン・ランと読んで、悛、覧。
斑や声ふかく(斑声深)は、フ・ショウ・シンと読んで、普、成、新。
しまひおく(仕舞置)はシ・ブ・チと読んで、旨、舞、知。
☆悛(秀でた者)は覧(見ていて)普く称える。
成(出来上がり)の新しい旨(考え)を舞(励ます)知がある。