続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『セロ弾きのゴーシュ』14。

2021-08-25 06:10:08 | 宮沢賢治

「ではね、『愉快な馬車屋』を弾いてください。」
「愉快な馬車屋」という曲があるのだろうか。 Delight wagon? light(光)の運び屋…雷も光であるから・・・。

「ゴーシュさんはこの二番目の糸をひくときはきたいに遅れるねぇ。なんだかぼくがつまづくやいになるよ。」
 ゴーシュははっとしました。たしかにその糸はどんなに手早く弾いてもすこしたってからでないと音が出ないやうな気がゆふべからしてゐたのでした。

 昨夜から・・・灰いろの鳥(くゎくこう)が来てから。くゎくこうは死にゆく人である。ゴーシュ(地球の精神)には辛く傷ましいことであり、昨夜のことは、慙愧に耐えない出来事であったに違いない。ゴーシュ(地球の精神)の葛藤が二番目の糸なのだと思う。


『飯島晴子』(私的解釈)秋草に。

2021-08-24 07:36:40 | 飯島晴子

   秋草に日光走る脂首

 秋草はシュウ・ソウと読んで、修、草。
 日光走るはジツ・コウ・ソウと読んで、実、構、想。
 脂首はシ・シュと読んで、旨、趣。
☆修(おさめた)草(下書き)の実(内容)の構想は旨趣(心の中の考え)である。

 秋草はシュウ・ソウと読んで、師友、相。
 日光走るはジツ・コウ・ソウと読んで、実、恒、創。
 脂首はシ・シュと読んで、紙、須。
☆師友の相(有様)は実に恒(何時も変わらず)創(はじめるための)紙を須(必要としている/持っている)。

 秋草はシュウ・ソウと読んで、衆、嗾。
 日光走るはジツ・コウ・ソウと読んで、昵、興、想。
 脂首はシ・シュと読んで、試、趣。
☆衆(大勢の人)を嗾(けしかける)ために昵(近づく)。
 興(面白味のある)想(考え)を試す趣(ねらい)がある。


『飯島晴子』(私的解釈)秋の芽や。

2021-08-24 07:05:12 | 飯島晴子

   秋の芽や男の眠る山の径

 秋の芽はシュウ・ガと読んで、襲、蛾。
 男の眠るはナン・ミンと読んで、難、民。
 山の径はセン・ケイと読んで、戦、警。
☆襲う蛾は難(わざわい)である。民(人)は戦(おののき)警(用心する)。

 秋の芽はシュウ・ガと読んで、集、賀。
 男の眠るはダン・ミンと読んで、団、民。
 山の径はセン・ケイと読んで、千、警。
☆集まって賀(祝う)団(ひとまとまり)の民(人々)に、千(たくさん)の警(守り/警備)がある。

 秋の芽はシュウ・ガと読んで、集、餓。
 男の眠るはナン・ミンと読んで、難、民。
 山の径はサン・ケイと読んで、惨、景。
☆集まる餓(飢えた)難民、惨めな景である。


D『泉』2。

2021-08-24 06:37:38 | 美術ノート

 『泉』と題した小便器、女性は使用しない、というか出来ない。身体の構造に差異があるからである。『L.H.O.O.Q』ではモナリザに髭をつけただけで男女の差異を失くしたが、唯一、性器では男女の相違が明らかになる。

 この差は? 決定的な身体の仕組みの相違を否定できない。
 確かに男と女には区別がある。染色体、たった一つのDNA塩基の違い、男(XY)女(XX)。このことが、あるいはこんなことで、男女の差異が決定づけられてしまう。Xジェンダー、sex and gender、ジェンダーレス・・・心の性別。

『泉』はこの問題を秘かに投げかけている。


『セロ弾きのゴーシュ』13。

2021-08-24 06:14:54 | 宮沢賢治

第三夜…狸の子。

「だってぼくのお父さんがね、ゴーシュさんはとてもいゝ人でこはくないから行って習へと云ったよ。」

 狸の子のお父さんは木星、Jupiter/ローマ神話では天地を支配する大神で雷電を武器として投げつける。ギリシャ神話ではZeus。

 確かにね、ゴーシュ(地球の精神)さんは狸のお父さん(木星)を大神/Jupiterと崇めたのだから(とてもいゝ人)のはず。

「ぼくは小太鼓の係りでねぇ。セロに合わせてもらって来いと云はれたんだ」
 木星(雷)の子、雷さまは太鼓をたたくのは定番。


『飯島晴子』(私的解釈)小鳥来る。

2021-08-23 07:14:37 | 飯島晴子

   小鳥来る薄き机をひからせて

 小鳥来るはショウ・チョウ・ライと読んで、妾、寵、頼。
 薄き机をひからせて(薄机光)はハク・キ・コウと読んで、迫、己、孝。
☆妾を寵(特別に可愛がること)に頼る(チチ)
 迫(苦しめる)己(わたくし)の孝(父母に仕えること)。

 小鳥来るはショウ・チョウ・ライと読んで、象、徴、頼。
 薄き机をひからせて(薄机光)はハク・キ・コウと読んで、白、希、講。
☆象徴(具体的な事物、内容を歌うことなく暗示的な手法でそれを表現する手法)を頼りにしていると白(申し上げる)。
 希(珍しい)講である。

 小鳥来るはショウ・チョウ・ライと読んで、衝、調、磊。
 薄き机をひからせて(薄机光)はハク・キ・コウと読んで、迫、記、広。
☆衝(重要なところ)を調べ、磊(小さなことにこだわらない)で迫(近づく)と記(かいたもの)が広がる。


D『泉』

2021-08-23 06:55:43 | 美術ノート

   『泉』

 衝撃的な提示であり、永遠のテーマである。
『泉』と題した小便器、要するに排泄作用を鑑賞者のまえにドン!と置いて見せた画期的かつ普遍の問題提議。

 人間は大小、尊卑の堺なく排泄は日々の習いである。生きる、存在するための必須条件である。
 しかし、この行為は他に見せるべきものではないという暗黙の約束がある。隠蔽すべき行為、小便器=恥部への連想は忌まわしく見る方も見られる方も激しく拒絶する。
 飲食は豪奢、粗食の別があるが、排泄には差異なく、というか、無いであろうと思われる。

 では、他の生物は如何に。見られることを厭わず、隠すという意識もない。
 とすれば、『泉』は、人間の証明である。


『セロ弾きのゴーシュ』12。

2021-08-23 06:23:52 | 宮沢賢治

 繰り返されるゴーシュ(地球の精神)とくゎくこう(死にゆく人)の葛藤場面。
「あなたのはいゝやうだけれどもすこしちがふんです。」
「何だと、おれがきさまに教わってるんではないんだぞ。帰らんか。」

 ゴーシュ(地球の精神)を灰いろの鳥/くゎくこう(死にゆく人)より上に置いておらず、同格、平等の立場である。むしろ、くゎくこうがゴーシュを諭している。
 鳥のほうがほんたうのドレミファにはまってゐるかなといふ気がしてくるゴーシュ。
「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地のないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ」
 灰いろの鳥に過ぎないくゎくこう・・・人間どんな意気地のないやつでも死ぬときは一生懸命のどから血が出るほどの覚悟で臨むんですよ。

 はげしく硝子へ頭をぶつけるくゎくこう…見ると嘴のつけねからすこし血が出ています。死闘まさに死闘である。

 ガラスは二三枚物すごい音して砕け窓わくのまゝ外へ落ちました。そのがらんとなった窓のあとをこゎくこうが矢のやうに外へ飛びだしました。そしてそのままどこまでもまっすぐに飛んで行ってたうとうみえなくなってしまひました。

 臨終・・・現世から冥府への見えない窓、どんな意気地なしでも血が出るほどのエネルギーを要する死出の旅、外国は見えないほどに遠い。


『飯島晴子』(私的解釈)もろもろの。

2021-08-22 06:52:33 | 飯島晴子

   もろもろの茸の怒り泛く山中

 もろもろの茸(諸茸)はショ・ジョウと読んで、暑、蒸。
 怒り泛くはド・ハンと読んで、度、飯。
 山中はセン・チュウと読んで、洗、厨。
☆暑さで蒸れる度に飯(ごはん)を洗う厨(キッチン/台所)である。

 もろもろの茸(諸茸)はショ・ジョウと読んで、書、状。
 怒り泛くはド・ハンと読んで、怒、反。
 山中はセン・チュウと読んで、宣、注。
☆書状に怒(憤る)。
 反(逆らうこと)を宣(はっきり言うこと)を注(書き記している)。

 もろもろの茸(諸茸)はショ・ジョウと読んで、渚、嬢。
 怒り泛くはド・ハンと読んで、奴、繁。
 山中はサン・チュウと読んで、燦散、昼。
☆渚には嬢(若い娘)奴(娘っ子)が繁(むやみと多い)。
 燦(きらきら光る)昼である。


『飯島晴子』(私的解釈)一族の。

2021-08-22 06:33:22 | 飯島晴子

   一族のぢりぢりと待つ秋氷

 一族はイツ・ゾクと読んで、溢、族。
 待つ秋氷はタイ・シュウ・ヒョウと読んで、対、酬、表。
☆溢(いっぱい)族(身内)がいる。
 対(向かい合い)酬(やりとりをして)表(明らかになる)。

 一族はイツ・ゾクと読んで、逸、族。
 待つ秋氷はタイ・シュウ・ヒョウと読んで、他意、終、評。
☆溢(隠れた)族(同じ種類の仲間)の他意を終いに評(品定めする)。

 一族はイツ・ゾクと読んで、逸、賊。
 待つ秋氷はタイ・シュウ・ヒョウと読んで、逮、醜、憑。
☆逸(逃げる)賊(どろぼう)逮(追って捕えたら)、醜(みっともなく)憑(もたれかかっていた)。