思うにここ数年で我々はハイジに出てくるかわいいヤギ並みにおとなしい人間になっているのであるが、これは資料とか書類に書かれてある文章の、呪文の如き文体に原因があるといってよかろう。あまりにもあれなのできょとんとしているうちに顔がヤギのようになってしまったのである。このままだとヤギを通り越してミジンコのようになってしまうのではないか。人間(ヤギ=ミジンコ)のモチベーションの下がり方を侮ってはならぬ。
というわけで、やる気を出す方法を考えた。書類を書くときには活きたせりふをかならず最後につけたすのである。ヤギとしては突然独創性を発揮するのは無理であろう。そこで、我々中国文化圏のヤギとして、こまったら則ち「引用」である。例えば、「新しい時代に応える」というよくあるせりふは次のように蘇る。
1、新しい時代に応える。××の×××よ、××せよ!! ×××××、××!(「一九二八年三月十五日」)
2、新しい時代に応える。この野郎。キスしてやるぞ(「人間失格」)
3、新しい時代に応える。ちっとも悪びれず下唇を突き出すのです。(「人間失格」)
4、新しい時代に応える。馬鹿野郎。貞操観念、……(「人間失格」)
5、新しい時代に応える。三千代さんを呉れないか(「それから」)
6、新しい時代に応える。うん遣らう(「それから」)
7、新しい時代に応える。僕はね、あの薬を使うようになってから、お酒は一滴も飲まなかった。おかげで、からだの調子が、とてもいいんだ。僕だって、いつまでも、下手くそな漫画などをかいているつもりは無い、これから、酒をやめて、からだを直して、勉強して、きっと偉い絵画きになって見せる。いまが大事なところなんだ。だからさ、ね、おねがい。キスしてあげようか(「人間失格」)
俄然、やる気が出てくるから不思議である。私が人間に復帰する日も近い。
というわけで、やる気を出す方法を考えた。書類を書くときには活きたせりふをかならず最後につけたすのである。ヤギとしては突然独創性を発揮するのは無理であろう。そこで、我々中国文化圏のヤギとして、こまったら則ち「引用」である。例えば、「新しい時代に応える」というよくあるせりふは次のように蘇る。
1、新しい時代に応える。××の×××よ、××せよ!! ×××××、××!(「一九二八年三月十五日」)
2、新しい時代に応える。この野郎。キスしてやるぞ(「人間失格」)
3、新しい時代に応える。ちっとも悪びれず下唇を突き出すのです。(「人間失格」)
4、新しい時代に応える。馬鹿野郎。貞操観念、……(「人間失格」)
5、新しい時代に応える。三千代さんを呉れないか(「それから」)
6、新しい時代に応える。うん遣らう(「それから」)
7、新しい時代に応える。僕はね、あの薬を使うようになってから、お酒は一滴も飲まなかった。おかげで、からだの調子が、とてもいいんだ。僕だって、いつまでも、下手くそな漫画などをかいているつもりは無い、これから、酒をやめて、からだを直して、勉強して、きっと偉い絵画きになって見せる。いまが大事なところなんだ。だからさ、ね、おねがい。キスしてあげようか(「人間失格」)
俄然、やる気が出てくるから不思議である。私が人間に復帰する日も近い。