船岡市役所生活福祉課に勤務する26歳のケースワーカー佐々木守は、受給停止に励むようにとの課長の指示を受けて担当の受給者を回るが、受給者を詰問しても抵抗を受けて辞退届を取れない日々を送っていた。そんなある日、同僚で遣り手の宮田有子から、7年先輩の高野洋司が担当の受給者林野愛美を脅して生活保護費のキックバックを受け肉体関係も結んでいるという情報を受け…という展開の小説。
働けるのに働かずに生活保護を受けている不正受給者が跋扈しており、国民の税金が無駄に使われているという安倍政権以来政権とメディア、ネット民が流布し強調している見方・価値観に基づいた、同情すべき生活保護受給者も、誠実に真摯に困窮者を助けようと精励している職員もまったく登場しない(最も困窮の度合いが高く生活保護を受けられずに自殺する古川佳澄でさえ困窮していないときでも万引きをする常習犯と描かれ共感を得にくくされています)作品です。作者の価値観なのか、そういったメディアやネトウヨが流布した生活保護への偏見に迎合しているのかはわかりませんが、私には志の低さが感じられ読後感の悪い作品でした。

染井為人 角川書店 2017年9月29日発行
横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作
働けるのに働かずに生活保護を受けている不正受給者が跋扈しており、国民の税金が無駄に使われているという安倍政権以来政権とメディア、ネット民が流布し強調している見方・価値観に基づいた、同情すべき生活保護受給者も、誠実に真摯に困窮者を助けようと精励している職員もまったく登場しない(最も困窮の度合いが高く生活保護を受けられずに自殺する古川佳澄でさえ困窮していないときでも万引きをする常習犯と描かれ共感を得にくくされています)作品です。作者の価値観なのか、そういったメディアやネトウヨが流布した生活保護への偏見に迎合しているのかはわかりませんが、私には志の低さが感じられ読後感の悪い作品でした。

染井為人 角川書店 2017年9月29日発行
横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作
