圧倒的な魔力を持つ14歳の少女タラ・ダンカンが、魔術師や泥棒、エルフ、小人の友人たちとともに敵と戦うアドベンチャーファンタジー。著者が10巻まで書くと宣言しているシリーズの第5巻です。
第4巻までは舞台となる「別世界」の西側だけで話が展開していましたが、第5巻で東側に「禁じられた大陸」があることが明らかにされ、ドラゴンたちが封鎖しているその禁じられた大陸に、タラの友人が幽閉され、それを助けに行くタラたちの冒険が展開されます。
第1巻からずっとそうですが、展開の速さを狙ってか、エピソードがたくさん詰め込まれる傾向にあるので、話があちこちして、慣れないとそれなりに注意して読んでいても話について行けなくなって読み返したりするハメになります。
第5巻では、タラももうすぐ15歳ということもあり、登場人物間の恋愛関係というかいちゃつきシーンが増えています。
基本的に荒唐無稽な軽めのラブコメ的ファンタジーと読むべきですが、第5巻の終わりで禁じられた大陸が解放されて「オオカミ人間たちはといえば、別世界を自由に移動することをゆるされ、奴隷制度のない暮らしがどんなものかを知り、その生活に大いに満足した。ただしそれも、彼らが“市場経済”やら“民主主義”といった、何やら耳に心地よい言葉とかかわり合いになり、“政府”というものをつくらねばならなくなる時までだった。」(下341頁)という表現が出てきて目を引きました。ハリー・ポッターやペギー・スーに影響されたのか現代政治を皮肉る意欲が出てきたのでしょうか。ちょっと注目しておきたいと思います。
毎回、一番最後の数ページで新たなできごとを引き起こし、次巻に続くという終わり方をするのが、いかにも安っぽい連続ドラマ風で、最後に興ざめして終わるのが読後感を悪くしています。
原題:TARA DUNCAN , LE CONTINENT INTERDIT
ソフィー・オドゥワン=マミコニアン 訳:山本知子・加藤かおり
メディアファクトリー 2008年7月18日発行 (原書は2007年)
第4巻までは舞台となる「別世界」の西側だけで話が展開していましたが、第5巻で東側に「禁じられた大陸」があることが明らかにされ、ドラゴンたちが封鎖しているその禁じられた大陸に、タラの友人が幽閉され、それを助けに行くタラたちの冒険が展開されます。
第1巻からずっとそうですが、展開の速さを狙ってか、エピソードがたくさん詰め込まれる傾向にあるので、話があちこちして、慣れないとそれなりに注意して読んでいても話について行けなくなって読み返したりするハメになります。
第5巻では、タラももうすぐ15歳ということもあり、登場人物間の恋愛関係というかいちゃつきシーンが増えています。
基本的に荒唐無稽な軽めのラブコメ的ファンタジーと読むべきですが、第5巻の終わりで禁じられた大陸が解放されて「オオカミ人間たちはといえば、別世界を自由に移動することをゆるされ、奴隷制度のない暮らしがどんなものかを知り、その生活に大いに満足した。ただしそれも、彼らが“市場経済”やら“民主主義”といった、何やら耳に心地よい言葉とかかわり合いになり、“政府”というものをつくらねばならなくなる時までだった。」(下341頁)という表現が出てきて目を引きました。ハリー・ポッターやペギー・スーに影響されたのか現代政治を皮肉る意欲が出てきたのでしょうか。ちょっと注目しておきたいと思います。
毎回、一番最後の数ページで新たなできごとを引き起こし、次巻に続くという終わり方をするのが、いかにも安っぽい連続ドラマ風で、最後に興ざめして終わるのが読後感を悪くしています。
原題:TARA DUNCAN , LE CONTINENT INTERDIT
ソフィー・オドゥワン=マミコニアン 訳:山本知子・加藤かおり
メディアファクトリー 2008年7月18日発行 (原書は2007年)