ケーススタディ付きの民事訴訟法解説書。
2004年に借地の明け渡し請求訴訟を起こされた伯父の日記を2030年に甥の弁護士が発見し、伯父の日記に弁護士が解説するというスタイル(プロローグ参照)で、素人の目から見た裁判の様子と専門家によるその解説を並べて読ませます。
そのスタイル自体は読みやすく目の付け所はいいと思います。しかし、著者が民事訴訟法学者で、解説内容は、はじめの方はそれなりに一般向けに気を遣った様子も見えますが、いかにも学者さんが書く教科書的な文章です。まえがきには、例によって法学部以外の人もと書いていますが、たぶん法学部の3年生以上でないと手が出ないでしょうね。
それから著者が学者なのだから素直に学者が解説するというスタイルをとればいいのに、弁護士を装って書かれると、かなり違和感があります。弁護士であれば当然知っている裁判実務の実情について、あちこちで「ようです」とか「といいます」とか自信なさげに書いてますし、裁判実務ではほとんど問題にならないことでも学者の関心がある部分は民訴法の概念むき出しで長々と論じてますし。
山本和彦 有斐閣選書 2008年8月5日発行 (初版は1999年)
2004年に借地の明け渡し請求訴訟を起こされた伯父の日記を2030年に甥の弁護士が発見し、伯父の日記に弁護士が解説するというスタイル(プロローグ参照)で、素人の目から見た裁判の様子と専門家によるその解説を並べて読ませます。
そのスタイル自体は読みやすく目の付け所はいいと思います。しかし、著者が民事訴訟法学者で、解説内容は、はじめの方はそれなりに一般向けに気を遣った様子も見えますが、いかにも学者さんが書く教科書的な文章です。まえがきには、例によって法学部以外の人もと書いていますが、たぶん法学部の3年生以上でないと手が出ないでしょうね。
それから著者が学者なのだから素直に学者が解説するというスタイルをとればいいのに、弁護士を装って書かれると、かなり違和感があります。弁護士であれば当然知っている裁判実務の実情について、あちこちで「ようです」とか「といいます」とか自信なさげに書いてますし、裁判実務ではほとんど問題にならないことでも学者の関心がある部分は民訴法の概念むき出しで長々と論じてますし。
山本和彦 有斐閣選書 2008年8月5日発行 (初版は1999年)