元教師で同僚と結婚して専業主婦になった中年女大貫知子が、庭に通ってくる雉猫の飼い主で、古本屋の営業をしつつも事実上は会計士の妻のヒモ状態の中年男晩鳥と、妻の留守中の晩鳥の家、夫の留守中の大貫の家で、ところかまわずひたすら肉体を貪りあい、近所の中学生たちに知られて追いつめられ、2人で町内会長の蔵に逃げ込んでさらに肉体を貪り続け、それにもかかわらず大貫は夫の元に戻って平然と日常生活を続け、妻と娘に去られた晩鳥は拡声器を積んだ車で町内を回って大貫を淫乱女と喚き続けるという小説。
主人公2人の身勝手さ、自制心のなさ、無責任さにはほとほとあきれます。裏切り続けた妻と娘に去られ、ろくに仕事もしてこなかった結果として金もなく行く先もなく飽きられて大貫にも去られる(大貫がその程度の女だということも当然わかっていたはずだし)という自業自得としかいいようのない状況で狂気または未練から醜態をさらし続ける晩鳥の救いようのない幼児性には、ただあきれます。夫を裏切り続けて平然と元の暮らしを続けられる大貫の図太さ・無神経さには、さらにビックリしますが。
これだけ堕ちられる人間の業を描いたのでしょうか、そこまでして性欲に溺れたい男女のさがを描いたのでしょうか。できればこういう人とは関わらずにいたいなと思ってしまうのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
井上荒野 マガジンハウス 2009年1月22日発行
主人公2人の身勝手さ、自制心のなさ、無責任さにはほとほとあきれます。裏切り続けた妻と娘に去られ、ろくに仕事もしてこなかった結果として金もなく行く先もなく飽きられて大貫にも去られる(大貫がその程度の女だということも当然わかっていたはずだし)という自業自得としかいいようのない状況で狂気または未練から醜態をさらし続ける晩鳥の救いようのない幼児性には、ただあきれます。夫を裏切り続けて平然と元の暮らしを続けられる大貫の図太さ・無神経さには、さらにビックリしますが。
これだけ堕ちられる人間の業を描いたのでしょうか、そこまでして性欲に溺れたい男女のさがを描いたのでしょうか。できればこういう人とは関わらずにいたいなと思ってしまうのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
井上荒野 マガジンハウス 2009年1月22日発行