ニューヨークのデパートで働く岡山出身の44歳風間波奈子が、買い付けに行った倉敷で魅了された備前焼の作者が高校の同級生栄森徹司だったことをきっかけに、ニューヨークと岡山で1年に1度の密会を続けることになり、互いに心惹かれていく中年ダブル不倫恋愛小説。
1年に1回しか会えない切なさと、1年に1回だから燃え上がるという関係、高校生の時憧れの存在だった女性と高校当時は存在も意識されていなかった男性の50前後になっての激しい恋。同年代のおじさんには(おばさんにもかも)なんとも、惹かれ、うらやましくも心乱されるテーマです。50過ぎると世間の常識になど囚われている時間はない、人生の残り時間は限られている(231ページ)なんて焚きつけてもくれますし。
いつ終わるかもわからない1年に1回の逢瀬を重ねる中で、次も会えるかの不安から1年に1回以外にも会えるようにしたら関係が崩れてしまうかもしれない不安へとうつろう心理、50前後にして改めて恋をする心理の綾が読みどころだと思います。恋愛小説としてはねっとりとした官能的な濡れ場描写は楽しめるような気恥ずかしいような・・・
小手鞠るい 講談社 2011年11月15日発行
1年に1回しか会えない切なさと、1年に1回だから燃え上がるという関係、高校生の時憧れの存在だった女性と高校当時は存在も意識されていなかった男性の50前後になっての激しい恋。同年代のおじさんには(おばさんにもかも)なんとも、惹かれ、うらやましくも心乱されるテーマです。50過ぎると世間の常識になど囚われている時間はない、人生の残り時間は限られている(231ページ)なんて焚きつけてもくれますし。
いつ終わるかもわからない1年に1回の逢瀬を重ねる中で、次も会えるかの不安から1年に1回以外にも会えるようにしたら関係が崩れてしまうかもしれない不安へとうつろう心理、50前後にして改めて恋をする心理の綾が読みどころだと思います。恋愛小説としてはねっとりとした官能的な濡れ場描写は楽しめるような気恥ずかしいような・・・
小手鞠るい 講談社 2011年11月15日発行