3人姉妹が、それぞれに自分の姉妹の恋人に横恋慕するというシチュエーションに胸をときめかせ、また良心の疼きを感じといった心もようを描いた小説。
長姉瞳は、かつて恋人の元木に妹双葉が言い寄って肉体関係を持ってしまったことに傷つきその直後に夫と見合い結婚して、現在は夫はニューヨークに単身赴任して息子と2人暮らし。双葉が元木ともすぐに別れて男を好きになれずに10年が経ちようやくできた恋人の鈴木は、瞳と双葉の母の死後に父が再婚した藍子の連れ子の義妹美子と惹かれ合う。そして美子の同棲相手加藤は瞳に思いを寄せるという、ややこしいというか、「隣の芝生は青い」というか、恋の相手は手近な・安直なという関係。
それぞれが裏切りを抱えているので、また許し合えるということでもあり、みんなおあいこにしたために収まったわけで、現実にはそうはいかないよねと思いつつ、それぞれの場面での人情の機微を味わうという作品でしょうね。
雑誌連載でそれぞれの章が瞳、双葉、美子の視点から書き分けられ、現実の連載が3か月おきなので、章ごとに数か月時間間隔があります。
途中にほのめかされた謎のうち、元木が付き合っていた年上の人「年上の恋人って、誰だと思う? それを知ったら、お姉ちゃんはもっとショックを受けると思う」(58ページ)は結局ほったらかされています(ここまで言うからには藍子以外考えにくいのですが)。書いてるうちに忘れたのでしょうね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock1.gif)
小手鞠るい PHP研究所 2009年12月11日発行
月刊文庫「文蔵」2008年5月号、8月号、11月号、2009年2月号、5月号、8月号
長姉瞳は、かつて恋人の元木に妹双葉が言い寄って肉体関係を持ってしまったことに傷つきその直後に夫と見合い結婚して、現在は夫はニューヨークに単身赴任して息子と2人暮らし。双葉が元木ともすぐに別れて男を好きになれずに10年が経ちようやくできた恋人の鈴木は、瞳と双葉の母の死後に父が再婚した藍子の連れ子の義妹美子と惹かれ合う。そして美子の同棲相手加藤は瞳に思いを寄せるという、ややこしいというか、「隣の芝生は青い」というか、恋の相手は手近な・安直なという関係。
それぞれが裏切りを抱えているので、また許し合えるということでもあり、みんなおあいこにしたために収まったわけで、現実にはそうはいかないよねと思いつつ、それぞれの場面での人情の機微を味わうという作品でしょうね。
雑誌連載でそれぞれの章が瞳、双葉、美子の視点から書き分けられ、現実の連載が3か月おきなので、章ごとに数か月時間間隔があります。
途中にほのめかされた謎のうち、元木が付き合っていた年上の人「年上の恋人って、誰だと思う? それを知ったら、お姉ちゃんはもっとショックを受けると思う」(58ページ)は結局ほったらかされています(ここまで言うからには藍子以外考えにくいのですが)。書いてるうちに忘れたのでしょうね。
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小手鞠るい PHP研究所 2009年12月11日発行
月刊文庫「文蔵」2008年5月号、8月号、11月号、2009年2月号、5月号、8月号