実は一人でいるのが好きだが断るのが面倒なので誘いを断らない高校2年生理系コースの有埜景が、図書館の窓際に置かれていたノートに自分を名指しできらいだと書かれているのに匿名で返事をしたことから、幼なじみの文系コース2年瀬戸山美久と交換日記をすることになり…という展開の青春恋愛小説。
2巻が1巻の主人公黒田の親友松本を主人公にしたので、次はもう一人の親友優子かと思いきや、1巻の主役男子瀬戸山の7歳下の妹に振ってきました。やっぱり続けるというのはなかなか難しいのでしょうねぇ。3巻続けて、偶然から相手に正体を知らせないままに交換日記を始めるという困難な設定(まぁそうしないとこのシリーズタイトルが維持できないから仕方ないですが)、お約束のようになった多数人の前での告白のクライマックスを書き切っただけでも賞賛ものですね。
設定は近鉄奈良線沿線の高校なのですが、関西弁がほとんど出ません。関西人!と思わせるのは実に2巻で二ノ宮が着ているものを(ワイシャツではなく)「カッターシャツ」と書いている(29ページ)ところくらいです。読者層を拡げるのに標準語で会話させるのなら、設定を関西にしなくてもいいように思えますが。
櫻いいよ スターツ出版文庫 2021年10月28日発行
2巻が1巻の主人公黒田の親友松本を主人公にしたので、次はもう一人の親友優子かと思いきや、1巻の主役男子瀬戸山の7歳下の妹に振ってきました。やっぱり続けるというのはなかなか難しいのでしょうねぇ。3巻続けて、偶然から相手に正体を知らせないままに交換日記を始めるという困難な設定(まぁそうしないとこのシリーズタイトルが維持できないから仕方ないですが)、お約束のようになった多数人の前での告白のクライマックスを書き切っただけでも賞賛ものですね。
設定は近鉄奈良線沿線の高校なのですが、関西弁がほとんど出ません。関西人!と思わせるのは実に2巻で二ノ宮が着ているものを(ワイシャツではなく)「カッターシャツ」と書いている(29ページ)ところくらいです。読者層を拡げるのに標準語で会話させるのなら、設定を関西にしなくてもいいように思えますが。
櫻いいよ スターツ出版文庫 2021年10月28日発行