生物多様性助成機構なる独立行政法人に勤める熱意のない一職員にして、裏稼業でバチカン非公認のエクソシストとして怪しげな一見してやくざ風の自称神父のヨセフとともに悪魔払いのアルバイトを続けている真崎皓乃(これで「あきの」なんて読めないでしょ、ふつう)27歳が、職場に突然登場した外資系ファンド出身の凄腕の上司に振り回され、職場の同僚たちが悪魔に取り憑かれる騒ぎに対応していくオカルト系ファンタジー小説。
悪魔払いのストーリーと、皓乃と5年交際して長すぎた春を感じた義斗との結婚話が並行して進んでいきますが、ストーリーとは必ずしも関係ない独立行政法人の職員たちの事件への対応ぶりがいかにもお役所らしくて、いらだたしくも思えますが笑えます。荒唐無稽な話ですが、そういうところが妙に現実っぽくて、不思議なバランス感がありました。
悪魔払い、最初だけ「エッケ・クルーケム・ドミニ」(主の十字架を見よ)ってラテン語で始めて後は全部日本語って、それらしく見せるっていう観点からでもかえって嘘くさいように思えますが。
平山瑞穂 文藝春秋 2013年6月20日発行
悪魔払いのストーリーと、皓乃と5年交際して長すぎた春を感じた義斗との結婚話が並行して進んでいきますが、ストーリーとは必ずしも関係ない独立行政法人の職員たちの事件への対応ぶりがいかにもお役所らしくて、いらだたしくも思えますが笑えます。荒唐無稽な話ですが、そういうところが妙に現実っぽくて、不思議なバランス感がありました。
悪魔払い、最初だけ「エッケ・クルーケム・ドミニ」(主の十字架を見よ)ってラテン語で始めて後は全部日本語って、それらしく見せるっていう観点からでもかえって嘘くさいように思えますが。
平山瑞穂 文藝春秋 2013年6月20日発行