他人からの批判にどう対処すべきかについて論じた本。
著者は創造活動をする人々(作家や画家等)に対するアドヴァイザー(クリエイティビティコーチ)を仕事にしているため、議論の主眼や事例は作家、画家等の自営のアーティストに置かれています。そのため、友人や同僚からの批判を扱ったパートでは、他の場面より歯切れが悪くなり、批判を無視するのが難しい、対処が難しいという感じになります。その意味で、多くの読者にとっては、ちょっと実感と合わない、実践しにくい本になっているのではないかと思いました。
この本の眼目は、批判は避けることができないが、その批判が有害な批判となるかどうかは、批判の内容等ではなく批判された本人がその批判をどう受け取るかにかかっているということにあります。
そのため、批判がフェアな批判かアンフェアな批判かは関係がないということが繰り返し言われています。このあたり、目からウロコとも言えますし、眉に唾してかからねばとも言えます。
批判された人の受け止め方にポイントを置く結果、著者の勧める対処法は、本人の考え方、感じ方、気の持ちようということになります。
繰り返し「6つのカギ」と言っていますが、そのあたりは今ひとつスッキリ6つに別れない感じがします。自分の将来像・重要なことは何かについてのヴィジョンをしっかり持ち、批判がそれを基準として重要かということをまず考えよ、というのが第1のポイントで、あとは冷静に状況を判断し(時間を稼いで冷静になり)、泰然自若とした態度を維持し、感情をコントロールし、批判に対する軽率な反応を避け、適切に行動するというようなことです。要するに批判されてもそれが自分の人生の将来像や重要事項に影響しない批判なら気に止めず受け流して鷹揚とした態度を取れということでまとめてしまってよいように思えます。
でも、フェアな批判でもアンフェアな批判でも同じように対応するというのはどうも納得できませんし、職場での批判に現実的にどう対応するのってあたりに今ひとつ現実感が持てないので、ストンと落ちない読後感でした。
原題:TOXIC CRITICISM : Break the Cycle
エリック・メイゼル 訳:勝野憲昭
創元社 2009年3月10日発行 (原書は2007年)
著者は創造活動をする人々(作家や画家等)に対するアドヴァイザー(クリエイティビティコーチ)を仕事にしているため、議論の主眼や事例は作家、画家等の自営のアーティストに置かれています。そのため、友人や同僚からの批判を扱ったパートでは、他の場面より歯切れが悪くなり、批判を無視するのが難しい、対処が難しいという感じになります。その意味で、多くの読者にとっては、ちょっと実感と合わない、実践しにくい本になっているのではないかと思いました。
この本の眼目は、批判は避けることができないが、その批判が有害な批判となるかどうかは、批判の内容等ではなく批判された本人がその批判をどう受け取るかにかかっているということにあります。
そのため、批判がフェアな批判かアンフェアな批判かは関係がないということが繰り返し言われています。このあたり、目からウロコとも言えますし、眉に唾してかからねばとも言えます。
批判された人の受け止め方にポイントを置く結果、著者の勧める対処法は、本人の考え方、感じ方、気の持ちようということになります。
繰り返し「6つのカギ」と言っていますが、そのあたりは今ひとつスッキリ6つに別れない感じがします。自分の将来像・重要なことは何かについてのヴィジョンをしっかり持ち、批判がそれを基準として重要かということをまず考えよ、というのが第1のポイントで、あとは冷静に状況を判断し(時間を稼いで冷静になり)、泰然自若とした態度を維持し、感情をコントロールし、批判に対する軽率な反応を避け、適切に行動するというようなことです。要するに批判されてもそれが自分の人生の将来像や重要事項に影響しない批判なら気に止めず受け流して鷹揚とした態度を取れということでまとめてしまってよいように思えます。
でも、フェアな批判でもアンフェアな批判でも同じように対応するというのはどうも納得できませんし、職場での批判に現実的にどう対応するのってあたりに今ひとつ現実感が持てないので、ストンと落ちない読後感でした。
原題:TOXIC CRITICISM : Break the Cycle
エリック・メイゼル 訳:勝野憲昭
創元社 2009年3月10日発行 (原書は2007年)