本を読むことが好きという以上に自分の強みをアピールすることができずに出版社の面接で軒並み落ち続けた就活敗者の文学部青年友利晴朝が、メイン商品を担当するプロデューサーの引きで採用されたソーシャルゲーム運営会社で、同期の力量はあるが尖りすぎた新人デザイナー青塚凛子と角突き合わせ、ゲームプランナーとして悪戦苦闘しつつチームプレイに馴染んでいくお仕事小説。
著者自身がソーシャルゲーム開発会社のゲームプランナーで、業界内幕ものの性格が色濃く、ソーシャルゲーム運営会社の収益構造、課金収益をどのように増やすか、そのためにどのような顧客をターゲットにどのようなキャンペーン(イベント)を企画するか、社内での駆け引き等の説明と、デバッグ(プログラムのバグの発見、予定どおりに動くか等の確認)や顧客からの意見・クレーム・要望への対応等の描写がたいへん興味深く読めました。
基本的にいい人に囲まれ、特に意地悪な敵もいない中で、ソーシャルゲーム運営会社のビジネスモデルとその置かれた環境の制約の下で、どうすべきかを学び考え成長するという作品で、不快感を持つ場面もなく明るく読めます。現実はもっと厳しいかなと思えますが。

紙木織々 新潮文庫 2020年12月1日
著者自身がソーシャルゲーム開発会社のゲームプランナーで、業界内幕ものの性格が色濃く、ソーシャルゲーム運営会社の収益構造、課金収益をどのように増やすか、そのためにどのような顧客をターゲットにどのようなキャンペーン(イベント)を企画するか、社内での駆け引き等の説明と、デバッグ(プログラムのバグの発見、予定どおりに動くか等の確認)や顧客からの意見・クレーム・要望への対応等の描写がたいへん興味深く読めました。
基本的にいい人に囲まれ、特に意地悪な敵もいない中で、ソーシャルゲーム運営会社のビジネスモデルとその置かれた環境の制約の下で、どうすべきかを学び考え成長するという作品で、不快感を持つ場面もなく明るく読めます。現実はもっと厳しいかなと思えますが。

紙木織々 新潮文庫 2020年12月1日