1958年生まれ作家姫野カオルコが、世間の「そういうことになっている」について首をかしげる意見を綴ったエッセイ集。
男女対比型エッセイへの疑問、著者が思う男女の違い、エロなどに関する第1章「不確かな性差」、化粧(世間では化粧をした方が美しいとされているが、著者は化粧はしない方が美しいと確信している)、小悪魔という評価(金持ち老人男をたぶらかす若い女など評価する価値がない、金持ち男をたぶらかす年上女がいればそれこそ小悪魔と評価すべき)、似ている顔などに関する第2章「落とし穴」、表題にあるジャズ喫茶ではなく何となくジャズをかけている照明の暗い料理店、文学界、出版界、映画賞などへの疑問に関する第3章「いかがなものか」からなっています。まとまりとテーマがあるような、ないような。
冒頭の男女対比のステレオタイプへの疑問は、同感で、入りやすい出だしです。次の、男女差は鼻くそにこそで、公共の場所で鼻くそをほじって擦り付けるのは男性だけというあたりで、う~ん…そう、かな、ぁ…と、私自身、近年は(うら若い)女性が人前で鼻をほじる姿を少なからず見ていて…と思っていたら、著者も、文庫版リニュアル特典で、同じことを書いていました(32ページ)。やはり近年は鼻をほじる女性が増えて、ますます性差は不確かになっているのですね。ということで、そうだねぇと思いながら一気読みしました。高校の同級会でドキドキした製薬会社勤務の元同級生に「○○くんの会社が発売しているコンドームはポリエチレン系でラテックス臭がなくて性能がいいんだよね」(66ページ)といえる感性/度胸は、私は持ち合わせていませんが。
姫野カオルコ 徳間文庫 2016年3月15日発行(単行本は2008年11月、筑摩書房)
男女対比型エッセイへの疑問、著者が思う男女の違い、エロなどに関する第1章「不確かな性差」、化粧(世間では化粧をした方が美しいとされているが、著者は化粧はしない方が美しいと確信している)、小悪魔という評価(金持ち老人男をたぶらかす若い女など評価する価値がない、金持ち男をたぶらかす年上女がいればそれこそ小悪魔と評価すべき)、似ている顔などに関する第2章「落とし穴」、表題にあるジャズ喫茶ではなく何となくジャズをかけている照明の暗い料理店、文学界、出版界、映画賞などへの疑問に関する第3章「いかがなものか」からなっています。まとまりとテーマがあるような、ないような。
冒頭の男女対比のステレオタイプへの疑問は、同感で、入りやすい出だしです。次の、男女差は鼻くそにこそで、公共の場所で鼻くそをほじって擦り付けるのは男性だけというあたりで、う~ん…そう、かな、ぁ…と、私自身、近年は(うら若い)女性が人前で鼻をほじる姿を少なからず見ていて…と思っていたら、著者も、文庫版リニュアル特典で、同じことを書いていました(32ページ)。やはり近年は鼻をほじる女性が増えて、ますます性差は不確かになっているのですね。ということで、そうだねぇと思いながら一気読みしました。高校の同級会でドキドキした製薬会社勤務の元同級生に「○○くんの会社が発売しているコンドームはポリエチレン系でラテックス臭がなくて性能がいいんだよね」(66ページ)といえる感性/度胸は、私は持ち合わせていませんが。
姫野カオルコ 徳間文庫 2016年3月15日発行(単行本は2008年11月、筑摩書房)