どちらもバツ1の、持病のために子どもが産めない彩乃と孤児院出のアメリカ弁護士未知男が、お見合いで即決して結婚してアメリカで暮らす日々を綴った小説。
お互いに自己主張しながら明るく楽しく生きていく様子が描かれていて、基本的には元気が出るお話。ただ、この夫婦、子どもが産めないことを埋めるためか、猫を飼って大事な家族として扱って、それを意識するために、猫が死ぬことの予感や死後の生活が暗くもの悲しく描かれます。何かに依存すると、その何かが失われたときのダメージが大きいということではありますが。設定や流れからすると、猫なしで描いてもハッピーな夫婦にできたようにも思えるんですが・・・。
猫の死は一番最後なんですが、途中にも、死後の現在から当時を振り返るような記述がいくつかあって、暗い予感がそこここに示されます。そのあたり、初出表示はありませんが、一気に書いた長編じゃなくて短編連作のような感じがします。
アメリカの弁護士が明るくていい夫として描かれているのを見るのは珍しく思え、同業者としてはホッとします(恋愛小説で弁護士が出てくると、たいてい悪役って気がしません?私のひがみでしょうか)。
小手鞠るい ポプラ社 2008年9月8日発行
お互いに自己主張しながら明るく楽しく生きていく様子が描かれていて、基本的には元気が出るお話。ただ、この夫婦、子どもが産めないことを埋めるためか、猫を飼って大事な家族として扱って、それを意識するために、猫が死ぬことの予感や死後の生活が暗くもの悲しく描かれます。何かに依存すると、その何かが失われたときのダメージが大きいということではありますが。設定や流れからすると、猫なしで描いてもハッピーな夫婦にできたようにも思えるんですが・・・。
猫の死は一番最後なんですが、途中にも、死後の現在から当時を振り返るような記述がいくつかあって、暗い予感がそこここに示されます。そのあたり、初出表示はありませんが、一気に書いた長編じゃなくて短編連作のような感じがします。
アメリカの弁護士が明るくていい夫として描かれているのを見るのは珍しく思え、同業者としてはホッとします(恋愛小説で弁護士が出てくると、たいてい悪役って気がしません?私のひがみでしょうか)。
小手鞠るい ポプラ社 2008年9月8日発行