気に入らないことがあると遠くの壁を揺すったり電球を割ったりするちょっとせこい超能力のある少女をめぐる学校内などでの人間関係を描いた小説。
超能力は、小道具にはなっているのですが、友人間での恐れや不快感、村八分を引き起こすきっかけの位置づけで、それで何かが解決されるような展開にはなりません。でありながら、人間関係を左右する部分になっているので、友人間の機微が描かれていても、現実へのフィードバックがちょっと希薄。そのあたりの中途半端な感じと、最後にちょっとしたひねりがあるけどだからそれでこれまでのストーリーがうまく説明できるわけでもない不完全燃焼感から、今ひとつ読み終わってスッキリした感じにはなれませんでした。小清水しずえのジコチュウぶりと、はるか・トモキ・戸部の友好関係はわかるので、そういう青春小説としては読めます。むしろ「超能力」をダシにしない方がよかったかも。
藤野千夜 双葉社 2007年5月30日発行
超能力は、小道具にはなっているのですが、友人間での恐れや不快感、村八分を引き起こすきっかけの位置づけで、それで何かが解決されるような展開にはなりません。でありながら、人間関係を左右する部分になっているので、友人間の機微が描かれていても、現実へのフィードバックがちょっと希薄。そのあたりの中途半端な感じと、最後にちょっとしたひねりがあるけどだからそれでこれまでのストーリーがうまく説明できるわけでもない不完全燃焼感から、今ひとつ読み終わってスッキリした感じにはなれませんでした。小清水しずえのジコチュウぶりと、はるか・トモキ・戸部の友好関係はわかるので、そういう青春小説としては読めます。むしろ「超能力」をダシにしない方がよかったかも。
藤野千夜 双葉社 2007年5月30日発行