民主主義が様々な批判があるにもかかわらず現実に行われた他の代案(ファシズムや共産主義)と比べると捨てがたく、是か非かではなくより良くしていくためにはどうすべきかという視点を示しつつ民主政治について解説した本。
引用されるのがアリストテレスだったり福沢諭吉だったりというのはちょっと議論が古すぎると感じますけど(民主主義をめぐる議論と実践がその頃から前進していないと言いたいのかも)。
民主主義が理想の政治体制ではないことを度々述べつつ、結局民主主義しかないという著者の論拠は「人間の持っている基本的人権に適合する政治の仕組みは民主政治しかない」(59頁)と意外に理念的なもの。圧力団体や宣伝とテロリズムによる独裁への大衆操作など、政治と歴史の現実を多々論じているところからはちょっと驚きました。
市民的不服従を積極的評価している(130~143頁)あたりも、意外にも革新的な感じで好感を持ちました。
佐々木毅 ちくまプリマー新書 2007年8月10日発行
引用されるのがアリストテレスだったり福沢諭吉だったりというのはちょっと議論が古すぎると感じますけど(民主主義をめぐる議論と実践がその頃から前進していないと言いたいのかも)。
民主主義が理想の政治体制ではないことを度々述べつつ、結局民主主義しかないという著者の論拠は「人間の持っている基本的人権に適合する政治の仕組みは民主政治しかない」(59頁)と意外に理念的なもの。圧力団体や宣伝とテロリズムによる独裁への大衆操作など、政治と歴史の現実を多々論じているところからはちょっと驚きました。
市民的不服従を積極的評価している(130~143頁)あたりも、意外にも革新的な感じで好感を持ちました。
佐々木毅 ちくまプリマー新書 2007年8月10日発行