折り目としわのある紙、2つに切ったマッシュルーム、ちぎったトランプを精密に描写するコマ抜き動画をYouTubeにアップして話題になったイラストレーターが、6つのテーマ(陰影を描き分ける、色を加える、複雑な表面、透明な物、金属の表面、工業製品)合計30点の写実画を描き、その過程を解説した本。
著者は、すべて透明水彩絵の具と色鉛筆、ガッシュ(不透明水彩絵の具)の白で写実画を描き、原則として、鉛筆で輪郭を精密に描いて、透明水彩絵の具でベースカラーを塗り、薄く明るい色から少しずつ濃く暗い色へと水彩絵の具・筆で可能な範囲を描き込み、細部は色鉛筆で描き込んで行き、最後にガッシュの白でハイライト(最も明るい部分、光っている部分)を入れるという手順を取っています。その過程を見せながら、水彩絵の具では薄めて塗り乾かすと自動的に輪郭が濃く描かれることや、影とハイライトで絵のリアリティが劇的に変化することを実感させています。
透明なものや光るものの描かれる過程を見ていると、自分もやってみたいなぁという気持ちが生まれますが、しかしものすごく根気のいる作業だろうなぁとも思います。いつかたっぷり時間ができたら・・・と思うと、いつまでもできないんですよね (^^;)
著者の作品のほとんどで、対象物はかなり写真に近く仕上がっているのに、影は「面」にし切らずに「線」を残しています。たぶん、やろうと思えば、写真とほぼ同じ「面」の影にできるのでしょうけれど、そうしてしまうと写真と変わらなくなってしまうので、あえて影を完全にしないことで、これは絵なんだとわからせようとしているのでしょうね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en1.gif)
原題:The Realism Challenge Drawing and Painting Secrets from a Modern Master of Hyperrealism
マーク・クリリー 訳:森屋利夫
マール社 2017年7月20日発行 (原書は2015年)
著者は、すべて透明水彩絵の具と色鉛筆、ガッシュ(不透明水彩絵の具)の白で写実画を描き、原則として、鉛筆で輪郭を精密に描いて、透明水彩絵の具でベースカラーを塗り、薄く明るい色から少しずつ濃く暗い色へと水彩絵の具・筆で可能な範囲を描き込み、細部は色鉛筆で描き込んで行き、最後にガッシュの白でハイライト(最も明るい部分、光っている部分)を入れるという手順を取っています。その過程を見せながら、水彩絵の具では薄めて塗り乾かすと自動的に輪郭が濃く描かれることや、影とハイライトで絵のリアリティが劇的に変化することを実感させています。
透明なものや光るものの描かれる過程を見ていると、自分もやってみたいなぁという気持ちが生まれますが、しかしものすごく根気のいる作業だろうなぁとも思います。いつかたっぷり時間ができたら・・・と思うと、いつまでもできないんですよね (^^;)
著者の作品のほとんどで、対象物はかなり写真に近く仕上がっているのに、影は「面」にし切らずに「線」を残しています。たぶん、やろうと思えば、写真とほぼ同じ「面」の影にできるのでしょうけれど、そうしてしまうと写真と変わらなくなってしまうので、あえて影を完全にしないことで、これは絵なんだとわからせようとしているのでしょうね。
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原題:The Realism Challenge Drawing and Painting Secrets from a Modern Master of Hyperrealism
マーク・クリリー 訳:森屋利夫
マール社 2017年7月20日発行 (原書は2015年)