コリアンタウンの新宿区百人町の雑居ビル1階の潰れた韓国風チキン屋の後をそのまま借りて事務所にしている「道明寺探偵屋」で、創業者の道明寺葉が焼死した後残された、元テコンドーオリンピック選手の30歳真田紅とやせたイケメンの元警察官28歳黒川橡の2人の探偵が、紅はたまたま出会った何者かに追われている15歳の少女を守るという依頼を、橡は公安警察の先輩藤原から大量にATM入金されたATMを騙す偽札犯の正体を突き止めるという依頼を受け、振り回され調査を進めるうちに…という小説。
紅と橡のキャラ設定、探偵事務所の設定などは工夫されており、青春小説的には、楽しめると思います。しかし、ミステリーとして読むには、事件と事件関係者のキャラ設定、とりわけ事件の展開に連れた言動が荒唐無稽というか、そんなことどうしてペラペラしゃべる?とかこの場面でそんなこと言ってる/やってる場合か、そりゃないだろうと思うところが多く、無理が多い作品だと感じます。
冒頭(開始2ページ目)で少女が「ハイタカ」と名乗るのは、作者がアーシュラ・K・ル=グインのアースシーシリーズ( Book of Earthsea :邦訳では「ゲド戦記」という不適切に思えるタイトルが付されています)のファンだということなんでしょうか。
桜庭一樹 文藝春秋 2022年7月30日発行
紅と橡のキャラ設定、探偵事務所の設定などは工夫されており、青春小説的には、楽しめると思います。しかし、ミステリーとして読むには、事件と事件関係者のキャラ設定、とりわけ事件の展開に連れた言動が荒唐無稽というか、そんなことどうしてペラペラしゃべる?とかこの場面でそんなこと言ってる/やってる場合か、そりゃないだろうと思うところが多く、無理が多い作品だと感じます。
冒頭(開始2ページ目)で少女が「ハイタカ」と名乗るのは、作者がアーシュラ・K・ル=グインのアースシーシリーズ( Book of Earthsea :邦訳では「ゲド戦記」という不適切に思えるタイトルが付されています)のファンだということなんでしょうか。
桜庭一樹 文藝春秋 2022年7月30日発行