東海道五十三次で知られる浮世絵師広重の入門書兼解説付き画集。
広重は下積み時代が長かったが故にいかにすれば売れるかを考え抜き、その結果主張を抑えた叙情的な絵を量産して幕末の売れっ子絵師になったそうです。そのあたり癖の強さ故に短期間に飽きられたという北斎との対比で語られています(18頁等)。
広重が現実に旅をして書いたのは概ね関東地方で(58頁)後はまだ見ぬ風景を種本や想像で補って書いたそうです。広重の得意とした名所絵も実際には江戸の風景画が多いとか。
西洋絵画と同様、浮世絵もベロ藍などの新たな絵の具の発掘が躍進につながった(24頁)という話も興味をそそられました。
広重といえば風景画ですが、鳥獣画もわりと書いているそうで、かつて切手ブームで珍重された「月に雁」も広重だったんですね(46頁)。
内藤正人 東京美術 2007年6月30日発行
広重は下積み時代が長かったが故にいかにすれば売れるかを考え抜き、その結果主張を抑えた叙情的な絵を量産して幕末の売れっ子絵師になったそうです。そのあたり癖の強さ故に短期間に飽きられたという北斎との対比で語られています(18頁等)。
広重が現実に旅をして書いたのは概ね関東地方で(58頁)後はまだ見ぬ風景を種本や想像で補って書いたそうです。広重の得意とした名所絵も実際には江戸の風景画が多いとか。
西洋絵画と同様、浮世絵もベロ藍などの新たな絵の具の発掘が躍進につながった(24頁)という話も興味をそそられました。
広重といえば風景画ですが、鳥獣画もわりと書いているそうで、かつて切手ブームで珍重された「月に雁」も広重だったんですね(46頁)。
内藤正人 東京美術 2007年6月30日発行