無実を主張し続けたがすべて退けられ死刑執行4日前となった黒人青年の事件の真犯人を名乗る常習犯罪者が牧師に罪を告白し、牧師は悩みながらその男を死刑回避のために奔走する弁護士の下へと連れて行こうとするが・・・という設定のリーガルサスペンス小説。
グリシャムらしいウィットで読ませてくれますが、テーマとストーリー展開はかなりストレートな冤罪と死刑制度の糾弾で、エンターテインメントとしては、少しひねりが少なく、特に終盤は冗長な印象を残します。グリシャムファンにとっては、「処刑室」+「評決のとき」というイメージになりそうです。
死刑囚の弁護人のロビーの悔恨。「どんな公判でも弁護士は十あまりもの迅速な判断をくだす。いまロビーは、そのすべてを頭のなかで思いかえしていた。別の専門家証人に依頼することもできた・・・・・・別の証人を呼ぶこともできた・・・・・・判事への態度をもっとやわらげることもできたし、陪審にもっと愛想よく接することもできたはずだ。たとえだれからも責められずとも、ロビーはこの先ずっと自分を責めつづけるはずだった。(下巻134~135ページ)」。弁護士をやってる限り避けられない思いですが、胸に響きます。
タイトルの "The Confession" は、「自白」なんでしょうか。死刑囚のドンテは強要された自白が決め手となって死刑判決を受けますが、作品の中での比重からいうと、真犯人のボイエットの「告白」なんじゃないかなと思うのですが。
原題:The Confession
ジョン・グリシャム 訳:白石朗
新潮文庫 2012年11月1日発行 (原作は2010年)
グリシャムらしいウィットで読ませてくれますが、テーマとストーリー展開はかなりストレートな冤罪と死刑制度の糾弾で、エンターテインメントとしては、少しひねりが少なく、特に終盤は冗長な印象を残します。グリシャムファンにとっては、「処刑室」+「評決のとき」というイメージになりそうです。
死刑囚の弁護人のロビーの悔恨。「どんな公判でも弁護士は十あまりもの迅速な判断をくだす。いまロビーは、そのすべてを頭のなかで思いかえしていた。別の専門家証人に依頼することもできた・・・・・・別の証人を呼ぶこともできた・・・・・・判事への態度をもっとやわらげることもできたし、陪審にもっと愛想よく接することもできたはずだ。たとえだれからも責められずとも、ロビーはこの先ずっと自分を責めつづけるはずだった。(下巻134~135ページ)」。弁護士をやってる限り避けられない思いですが、胸に響きます。
タイトルの "The Confession" は、「自白」なんでしょうか。死刑囚のドンテは強要された自白が決め手となって死刑判決を受けますが、作品の中での比重からいうと、真犯人のボイエットの「告白」なんじゃないかなと思うのですが。
原題:The Confession
ジョン・グリシャム 訳:白石朗
新潮文庫 2012年11月1日発行 (原作は2010年)