古代インカ文明とそれ以前のプレインカのさまざまな文化について、さまざまな文献と現地の人から聞いた話を取り混ぜてまとめて紹介した本。
インカ文明とスペインの征服者/略奪者によるその末路に至る解説がメインではありますが、私自身は、インカに惹かれてこの本を手にしたものの、これまでまったく知識がなかったプレインカの方に興味をそそられました。
砂漠地帯で超乾燥環境のため、ミイラや木、布類が2000年以上前のものでもいい状態で残っているというのがすごい。で、最大で長さ20m、幅6mを超す織布が残っていたとか(46ページ)。いったいどうやって織ったのか(幅6mの織機なんて作れたのか…)、古代文明の技術水準の高さに驚きます。
自然環境では、ナスカの地上絵が残っていた理由として土壌に含まれる石膏が夜海からくる霧で少し溶かされそれが朝の冷たい空気で固まって作った絵が固定される、小さなつむじ風が四六時中巻き起こって細かいごみを取ってくれるため絵の輪郭がクリアに保たれると解説していて(285ページ)、なるほどそういうものかと思いました。
イラストが多用されて土器や壁画、織布のモチーフが多数紹介されています。これがユーモラスで、もっと見たいと思いました。モチェの土器ではエロな土器(肛門性交、多しって…87ページ)が有名だそうです。南アジアや東南アジアよりもさらにおおらかな文化だったのでしょうね。
インカでは月蝕は月が病気で眠り込んだ姿と捉えられそのままでは落下して大地に激突するとあらゆる楽器をかき鳴らし大声で叫び犬を集めて棒で打ちすえて悲鳴を上げさせたとか(22ページ)。でも日蝕は何か悪いことをした者に天罰が下される印として特にイベントなしだとか(同)。風習はさまざまでところ変われば、ですね。
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芝崎みゆき 草思社 2022年2月7日発行
インカ文明とスペインの征服者/略奪者によるその末路に至る解説がメインではありますが、私自身は、インカに惹かれてこの本を手にしたものの、これまでまったく知識がなかったプレインカの方に興味をそそられました。
砂漠地帯で超乾燥環境のため、ミイラや木、布類が2000年以上前のものでもいい状態で残っているというのがすごい。で、最大で長さ20m、幅6mを超す織布が残っていたとか(46ページ)。いったいどうやって織ったのか(幅6mの織機なんて作れたのか…)、古代文明の技術水準の高さに驚きます。
自然環境では、ナスカの地上絵が残っていた理由として土壌に含まれる石膏が夜海からくる霧で少し溶かされそれが朝の冷たい空気で固まって作った絵が固定される、小さなつむじ風が四六時中巻き起こって細かいごみを取ってくれるため絵の輪郭がクリアに保たれると解説していて(285ページ)、なるほどそういうものかと思いました。
イラストが多用されて土器や壁画、織布のモチーフが多数紹介されています。これがユーモラスで、もっと見たいと思いました。モチェの土器ではエロな土器(肛門性交、多しって…87ページ)が有名だそうです。南アジアや東南アジアよりもさらにおおらかな文化だったのでしょうね。
インカでは月蝕は月が病気で眠り込んだ姿と捉えられそのままでは落下して大地に激突するとあらゆる楽器をかき鳴らし大声で叫び犬を集めて棒で打ちすえて悲鳴を上げさせたとか(22ページ)。でも日蝕は何か悪いことをした者に天罰が下される印として特にイベントなしだとか(同)。風習はさまざまでところ変われば、ですね。
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芝崎みゆき 草思社 2022年2月7日発行