玩具のデザインをやりたくて玩具メーカーに入ったが総務に配属されている33歳の松倉明里が、リストラの噂が飛び交う中、7年越しの恋人との結婚をもくろみ果たせぬうちに青梅の実家に怪しげな夫婦が居着いていることを知って・・・というお話。
都心から通勤圏とも言えるプチ田舎と都心、壮年・初老世代と中年にさしかかる世代の微妙な利害と思惑、親族間の対立と共感・縁をテーマに据え、親世代や田舎に対して嫌悪・反感を持ちながらも結局親世代に依存する今どきの若年・中年層のずるさ・したたかさを描いています。
最初の方の明里の青梅に対するけなしぶりはかなりひどく、作者は東京都生まれということで東京都のどこかは知りませんけど、作者が青梅出身でなかったらちょっとこの言い様は許せないという気持ちになるくらい。
この小説では、サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況を「ずどん」、東日本大震災を「どかん」と呼んでいて、まぁ数回程度ここぞという時にいうのなら一応しゃれた言い回しと感じる余地もないではないのですが、終わりまでずっと数十回にわたり(数える気力が出ないので数えていません。体感では数十回ということです)「ずどん」「どかん」が繰り返されます。こういうの、私は読んでいてすごく気恥ずかしい。会社名も、FJ航空(親方日の丸からスタートした半官半民の航空会社、会社更生法申請)なんて書くのなら日本航空にすればいいものをと思うのをはじめ、なんかしらじらしい名前が続いています。
そういうあたりの書き方から来る気恥ずかしさ・不愉快さの部分で読後感が悪くなっているというか、途中で何度か放り投げたくなる本でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_ang3.gif)
明野照葉 光文社 2012年1月20日発行
都心から通勤圏とも言えるプチ田舎と都心、壮年・初老世代と中年にさしかかる世代の微妙な利害と思惑、親族間の対立と共感・縁をテーマに据え、親世代や田舎に対して嫌悪・反感を持ちながらも結局親世代に依存する今どきの若年・中年層のずるさ・したたかさを描いています。
最初の方の明里の青梅に対するけなしぶりはかなりひどく、作者は東京都生まれということで東京都のどこかは知りませんけど、作者が青梅出身でなかったらちょっとこの言い様は許せないという気持ちになるくらい。
この小説では、サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況を「ずどん」、東日本大震災を「どかん」と呼んでいて、まぁ数回程度ここぞという時にいうのなら一応しゃれた言い回しと感じる余地もないではないのですが、終わりまでずっと数十回にわたり(数える気力が出ないので数えていません。体感では数十回ということです)「ずどん」「どかん」が繰り返されます。こういうの、私は読んでいてすごく気恥ずかしい。会社名も、FJ航空(親方日の丸からスタートした半官半民の航空会社、会社更生法申請)なんて書くのなら日本航空にすればいいものをと思うのをはじめ、なんかしらじらしい名前が続いています。
そういうあたりの書き方から来る気恥ずかしさ・不愉快さの部分で読後感が悪くなっているというか、途中で何度か放り投げたくなる本でした。
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明野照葉 光文社 2012年1月20日発行