前回のサンサンラジオで報告しましたが、先日のミャンマー旅行で訪れた観光地チャイティーヨーについてもう少し詳しくお伝えしたいと思います。
これまで東南アジアの何カ国かを訪れ、それぞれの観光地を見てきました。
世界遺産登録第1号である巨大寺院遺跡カンボジアのアンコールワット。
古都の街全体が世界遺産のラオスのルアンパバーン。
タイとカンボジア国境の落差500メートルの断崖絶壁に立つ天空の遺跡寺院プレアヴィヒア(カオ・プラビハーン)。
それぞれ素晴らしい名勝だと感動してきました。
一生のうちに一度は訪れたいところと推薦するところです。
しかし、今回チャイティーヨーを訪れ、申し訳ないですが、これまでの感動が薄れてしまうようでした。
ここが他の遺跡と違うと感じたのは、強烈な信仰の対象としてのパワーです。
ミャンマー語で「チャイ」はパゴダ(塔)、「ティーヨー」は石を意味していて、断崖絶壁の上に落ちそうで落ない絶妙なバランスで乗っかっている石そのものをパゴダとして信仰の対象にしています。
上から下から、石の周りを一周できますが、男性のみ石のそばに行って金箔を貼ったり触ったりすることもできます。
私もそばまで行き、みんなと同じようにお祈りを捧げました。
祈りたいことが次々浮かんできて、手を合わせて心から祈っているうちに気持ちが昂ってくるのを感じました。
そっと石に触れたとき、得も言われぬ感動を覚えました。
涙が盛り上がってもきました。
参拝者はそれぞれ投地のお拝をし、お経を読んだり、お唱えごとをしています。
手に手にお盆に載せた花や供物を供えて線香をたきます。
夕方に登ってきた参拝者はこの山の上に泊まりますが、ホテルや簡易宿泊所に泊まるばかりではなく、山頂の広場にゴザを敷き、あるいはテントを張って、毛布や防寒具で身を包んで野宿します。
家族連れ、仲間同士、カップルが、もうピクニックのように、弁当を持ち、あるいは露天で食事を調達し、お祭りのように楽しそうに一夜を過ごしていました。
ここまでの経路は、首都ヤンゴンから車で4時間半。
麓で車を降り登山トラックに乗り換えます。
砂利を積むような大型トラックに腰掛ける座面と手すりが7列固定されており、その1列に必ず6名ずつ座るように促されます。立錐の余地もないほどギュウギュウ詰めです。
この状態で約1時間、曲がりくねった急な坂道をすごいスピードで登って行きます。
もうほとんどスプラッシュ・マウンテン状態です。
はじめ、どうしてバスではなくトラックなのだろうと不思議に思いましたが、こんな急な坂道を42名(運転席を入れれば45名か)の人間を載せて登るには、やはりトラックのパワーが不可欠なのだろう納得させられました。
とにかくすごいところです。
行くまでに時間と体力を要しますが、そんな苦労はすっ飛ぶような価値はあります。
私が到着したのはちょうど日没前でした。
チャイティーヨーの浮いた隙間から覗く夕陽が撮れました。
天気はいいし、最高のタイミングでした。
一生のうちに何としても一度は訪れていただきたいと、心からお勧めします。