あけましておめでとうございます。
100年に一度という経済危機が世界中を寒くしています。この冬の時代はいましばらく続くような予測も聞かれます。
仕事を解雇され、住むところも奪われた方々にはまことに心痛みます。何とか耐えて生き延びてほしいと切に祈ります。
世界はこれまで、右肩上がりの経済成長の先に幸せがあるという価値基準で進んできました。そして、その通りの社会を作り上げました。しかしそれは、砂上の楼閣のような、足下の定かでない架空の取り決めの上に成り立っていた社会であったことが明らかになりました。
これまでの経済成長は、戦後の日本で言えば、ちょうど冬から春へそして夏へと季節が移り変わってきたようなものかもしれません。どんどん裸になり、寒さを忘れさせるに十分な時代でした。
しかし、秋風が吹いたかと思ったら一気に厳寒の季節に突入してしまいました。
これが季節であれば、耐えていくしかありません。
我々の先祖は皆、深い雪の下でじっと耐えて過ごしてきました。
だからこそ、忍耐力という強さと、苦しみの中から生き延びる智慧を獲得してきました。
今はちょうどその時代なのかもしれません。
「寒い」「つらい」「苦しい」「困った時代だ」と、いくら嘆いても季節が変わらないのなら、今を自分を鍛え、智慧を磨くチャンスだととらえてみたらどうだろうか。
春夏の季節にはあまり顧みられなかった家族の絆を取り戻し、力を合わせて温め合う季節。物や命を大切にし、無駄にしない季節。人間にとって一番大切な物は何かに気づく季節なのだと思います。
日本人はそんなにバカじゃない、と私は信じています。
「日日是好日」とは、毎日が晴天吉日であれというのではありません。今日一日、今この一瞬を精一杯生きる、過去にも未来にもこだわらない生き方をよんだ言葉です。
雨の日も嵐の日もあるのが人生です。冬の時代には冬の時代として、その中でどう生きるかが問われています。
嘆いて過ごすも一日、チャンスととらえて生きるも一日。
皆様の一日一日が好日でありますように。