三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。第316回。5月30日、日曜日。
木曜日訃報が飛び込んできました。
「死んだらダメじゃん」。頭の中で繰り返し鳴り続けています。
喪失感というよりも、大きな脱力感です。
20代から、教化研修所の先輩として、仲間として、同志として、長年つき合ってきました。
一緒に飲んだ時間は何百時間になるだろう。どうしてそんなに飲めるのだろうかと不思議になるくらいビールを飲む人でした。
カラオケで聴いた歌は何百回になるだろう。パワフルというよりも、うるさかった。「赤いスイートピー」。
歌い、語り、飲み、その熱さが好きでした。
「サンベー!、イケー!」という声が聞こえてきます。
とても寂しいです。
あなたと語り合えない、あなたと酒が飲めない、あなたの爆発的な歌が聞けない。
そんなこと、信じられません。ああ…
まだまだ夢を語り合いたかった。
あなたに褒めてもらいたかった。
もちろん飲んでばかりいたのではありません。
仏教の話、布教の話、現代の話、未来の話。その知識と実践とを踏まえた意見は説得力がありました。
その後の飲み会でのギャップが心地よかった。
それゆえに宗門の要職も担ってきたのです。とても大きな大事な人でした。
奇しくも、今年度特派布教の会場で配られる「聞法のしおり」はあなたの文章でした。
題して『やすらかに生きる』。
「お経をお唱えしながら、幾多の亡くなられた尊いいのちに祈りを奉げます。当たり前の時間ですが、今日もおまいりできたことに感謝いたします。」
供養できることがやすらかに生きることだ、との法話でした。
更に、曹洞宗法話動画の№6にも担当として実演されています。5月1日にYoutubeにUPされた動画を見ることができます。題して『今、いのちあるはありがたし』。
これが最期の説法になったでしょうか。
金曜日福島まで弔問に行ってきました。
4月7日に東京で倒れられたと伺っていました。
自力で呼吸もできるようになり、3日前に福島に戻り、これから少しずつ回復していくのかと希望をもった矢先のことのようでした。
庫裡の客間に横たわったお顔は実に穏やかでした。しばらく拝ませてもらいました。
何の苦しみも、悩みも、不安や憂いもない、静かなお顔をしていました。
そのお顔を見ただけで救われました。
もう仏の世界に逝かれたのですね。
今頃は、生前中巡拝されたインド、中国の仏跡を訪ねる旅の支度をされているのでしょうか。
でも今回は、誰もご一緒できませんよ。
南米の時のように奥様も付き添いできません。一人旅です。
「しかたない、一人で行ってくるよ、フハハハ…」。
こちらは、一人、ビールを上げてお見送りします。
今度はそちらの世界とリモートで飲み会したいと思いましたが、そちらにはビールはないですよね。
あきらめて一人で飲みます。
「さよならだけが人生だ」という言葉がしみじみ感じられるようになりました。
干武陵作『勧酒』、井伏鱒二訳
勧君金屈巵 この杯を受けてくれ
満酌不須辞 どうぞなみなみつがしておくれ
花発多風雨 花に嵐のたとえもあるぞ
人生足別離 「サヨナラ」だけが人生だ
過去帳にまた新たに一霊を書き加えました。
令和3年5月27日、長楽34世雲巌重孝大和尚。世寿満68歳。
あなたが体で教えてくれたこと。
合掌低頭を長く丁寧にする。
それをあなただと思ってこれからも実践していきます。その度にあなたに会えるでしょう。
サヨナラ、中野さん、重孝さん。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。
木曜日訃報が飛び込んできました。
「死んだらダメじゃん」。頭の中で繰り返し鳴り続けています。
喪失感というよりも、大きな脱力感です。
20代から、教化研修所の先輩として、仲間として、同志として、長年つき合ってきました。
一緒に飲んだ時間は何百時間になるだろう。どうしてそんなに飲めるのだろうかと不思議になるくらいビールを飲む人でした。
カラオケで聴いた歌は何百回になるだろう。パワフルというよりも、うるさかった。「赤いスイートピー」。
歌い、語り、飲み、その熱さが好きでした。
「サンベー!、イケー!」という声が聞こえてきます。
とても寂しいです。
あなたと語り合えない、あなたと酒が飲めない、あなたの爆発的な歌が聞けない。
そんなこと、信じられません。ああ…
まだまだ夢を語り合いたかった。
あなたに褒めてもらいたかった。
もちろん飲んでばかりいたのではありません。
仏教の話、布教の話、現代の話、未来の話。その知識と実践とを踏まえた意見は説得力がありました。
その後の飲み会でのギャップが心地よかった。
それゆえに宗門の要職も担ってきたのです。とても大きな大事な人でした。
奇しくも、今年度特派布教の会場で配られる「聞法のしおり」はあなたの文章でした。
題して『やすらかに生きる』。
「お経をお唱えしながら、幾多の亡くなられた尊いいのちに祈りを奉げます。当たり前の時間ですが、今日もおまいりできたことに感謝いたします。」
供養できることがやすらかに生きることだ、との法話でした。
更に、曹洞宗法話動画の№6にも担当として実演されています。5月1日にYoutubeにUPされた動画を見ることができます。題して『今、いのちあるはありがたし』。
これが最期の説法になったでしょうか。
金曜日福島まで弔問に行ってきました。
4月7日に東京で倒れられたと伺っていました。
自力で呼吸もできるようになり、3日前に福島に戻り、これから少しずつ回復していくのかと希望をもった矢先のことのようでした。
庫裡の客間に横たわったお顔は実に穏やかでした。しばらく拝ませてもらいました。
何の苦しみも、悩みも、不安や憂いもない、静かなお顔をしていました。
そのお顔を見ただけで救われました。
もう仏の世界に逝かれたのですね。
今頃は、生前中巡拝されたインド、中国の仏跡を訪ねる旅の支度をされているのでしょうか。
でも今回は、誰もご一緒できませんよ。
南米の時のように奥様も付き添いできません。一人旅です。
「しかたない、一人で行ってくるよ、フハハハ…」。
こちらは、一人、ビールを上げてお見送りします。
今度はそちらの世界とリモートで飲み会したいと思いましたが、そちらにはビールはないですよね。
あきらめて一人で飲みます。
「さよならだけが人生だ」という言葉がしみじみ感じられるようになりました。
干武陵作『勧酒』、井伏鱒二訳
勧君金屈巵 この杯を受けてくれ
満酌不須辞 どうぞなみなみつがしておくれ
花発多風雨 花に嵐のたとえもあるぞ
人生足別離 「サヨナラ」だけが人生だ
過去帳にまた新たに一霊を書き加えました。
令和3年5月27日、長楽34世雲巌重孝大和尚。世寿満68歳。
あなたが体で教えてくれたこと。
合掌低頭を長く丁寧にする。
それをあなただと思ってこれからも実践していきます。その度にあなたに会えるでしょう。
サヨナラ、中野さん、重孝さん。
今週はここまで。また来週お立ち寄りください。