なあむ

やどかり和尚の考えたこと

話にユウモアを

2013年06月29日 13時33分39秒 | ふと、考えた
栃木県足利の本葬から福島巡回の旅、9日間を終えて帰路につきました。
駅まで送ってくれた若い僧侶が、「今度ブログはいつ更新するんですか」と。
意外なところで、意外な人から読まれていることに改めて気付き、ありがたくも、恐ろしくも思いました。
ということで、早速書きはじめました。あい変わらず単純。
原発被災県で何が説けるのか、と自問してきましたが、何を説くと言う前に、話にはやはりユウモアが必要だということがわかりました。
一時間半の話を、まず聴いてもらうには、楽しくなければなりません。自分がいくらいい話をしていると思っていても、聴く人が耳をふさいでしまっては無駄な時間に終わってしまうでしょう。
避難所でまけない!タオルが必要なように、どんな場面でもユウモアは必要です。
もちろん、、下品ではいけません。上品なユウモアが出るように学ばなければなりません。
そういう意味で落語は参考になります。
今回の巡回のなかでいただいたもの。
津尻温泉滝の湯の浴室の前に貼ってあった短冊の一句。
「笑顔さえ あれば 貧乏耐えられる」
ストレートでいい句だといただきました。
全ての人に笑顔を!話にユウモアを!


贅沢さに気づく

2013年06月24日 19時11分16秒 | ふと、考えた
喜多方市山都町、いいで荘に来ています。
市の第三セクターの施設、山間の山荘です。名前の通り、飯豊山の麓で、裏側は山形県です。
午後の早い時間に着いたので、洗濯して風呂に入りました。大きな硝子張りの外には山の景色が広がっています。
青い空と白い雲、緑の木々を見ながら風呂に浸かるのはなんと贅沢なことかと思いました。
今までこういうことを贅沢だと認識してきただろうか。
そのような場面はこれまでも山形でも他でも何度かあったと思うのだが、贅沢だなとしみじみ感じたのは今回が初めてのような気がする。
お金をいっぱい使って豪華な食事をするとか、どこか遠くに出かけるとか、そいうことではない贅沢が、私たちの周りにはたくさんあるのではないか、とふと思ったのです。
自分の周りにある贅沢に気がつかないことは、実にもったいないことです。
青い空と白い雲、緑の木々は私たちの周りにあふれています。
身近な豊かさに気づかないから、よそに求めて物足りなさを感じてしまうのでしょう。
そんなことが分かる歳になってきたのですね。


噴火しそう

2013年06月23日 14時37分59秒 | ふと、考えた
会津若松に来ています。
29日まで特派布教巡回で、喜多方に向かっています。
乗り換えの時間があるので、この間にブログを。
暑くなってきましたが、駅のホームは風が吹いて気持ちいいです。
途中磐梯山の勇姿を見ました。
磐梯山は明治21年に大きな噴火があったのですが、その時、その前の年にできた日本赤十字社が初めて災害救援活動を行ったのだそうです。また、それが赤十字社における平時(戦争時以外)の世界初の救護活動だったと知りました。
その当時の金額で、3万8千円の支援金が集まったとか。現在の金額に換算すると15億円になるようです。
この度の大災害にもたくさんの支援金が寄せられました。
それなのにこの国の政府は、そのお金を被災地とは関係のないところにつぎ込んでいました。その金額1兆円以上。
それは、火事場泥棒でしょう。許せません。
東北人が人がいいのをいいことに、それはあんまりです。
東北に政治家はいないのですか?
何故怒らない!
怒るのは和尚の役目ではありませんが、怒りがこみ上げてきます。
もう噴火しそうです。


人形に込めた思い

2013年06月10日 22時30分22秒 | ふと、考えた

昨日は、宿用院の東京のお檀家さんの一周忌に伺いました。

ご主人を亡くされたばかりの奥様とは心の交流が続いています。

居間でお茶をいただいていると一枚の写真に目がとまりました。

奥様が手作りされた人形の写真ですが、その構図には見覚えがありました。

「現物をお持ちしましょうか」ということで拝見することになりました。

それは、広島に原爆が投下された直後に、アメリカ人のジョー・オダネルという人が撮影した「焼き場に立つ少年」と題された写真をモチーフにしたものでした。

新聞記事の写真を見て、心を痛めた記憶があります。

既に息を引き取った弟を背中に負ぶい、直立不動で火葬を依頼する姿です。

きりっと結んだ唇が胸を刺します。

あの時、同じような境遇にあった子どもたちが数限りなくいたのだろうと思われます。

「火垂るの墓」のセツ子とその兄の姿がダブります。

更に奥様は、もう二体の人形をその脇に並べられました。

「その子がね、あまりにも不憫なので、命を与えました」と。

背中で亡くなった弟は、命を与えられ、少し成長して浴衣を着て、きれいな目を開いています。その隣には、少し身長が伸びたお兄ちゃんが寄り添っています。

「生きて欲しい、兄弟仲良く生きて欲しい」その願いが感じられ、胸が熱くなりました。

奥様の中で少年は、間違いなく生き続けます。兄弟仲良く成長していきます。

それを知った私の中でも、同じように生き続けることになります。

時代を超えて、人は人を生かすことができます。

それは不憫に思う心です。生きて欲しいという願いです。

その命は、決して同じ悲しい思いをさせてはならないという行動を、私たちに引き起こさせてくれるはずです。

人形のモチーフとして、この兄弟を取り上げられた奥様の感性に敬意を表します。

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大般若祈祷

2013年06月07日 18時57分52秒 | 松林寺

毎週の行持が続いていますが、明日は松林寺の大般若祈祷会です。

毎年6月第二土曜日がその日になっています。

大般若経巻六百巻を転読します。玄奘三蔵法師が苦労して16年かけて天竺から唐に将来し、20年かけて翻訳した大般若経。その功徳の高さに、パラパラと転読する風に当たっただけで御利益があると、古くから祈祷会に読まれてきました。

年に一度の大きな寺の行持なのですが、集中講座に比べると楽だと思えます。

いえ、決して手を抜いているわけではありません。

正法興隆、世界平和、風雨順調、五穀豊穣、家内安全、身体堅固、併せて、被災地早期復興、原発事故早期終熄、被災者各々身心安寧を祈ります。

祈祷札は、来年までの一年間御利益をもたらすはずです。

真剣にならないわけにはまいりません。

お札をご希望の方にはお頒けします。

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集中講座よかった!

2013年06月06日 22時16分40秒 | 集中講座

6月1・2日、第8回松林寺集中講座を開講しました。

前晩の坐禅、住職の法話、朝の坐禅、朝課、朝粥といつも通りのプログラムで、2日は、津軽三味線、落語、講演の三講座でした。

津軽三味線の井上成美由さんは、6歳から三味線を習っていたというだけあって、若さにかかわらずすごい技術でした。ばちさばきが正確で、一つ一つの音がきわだって、聞き応えのある津軽三味線は大変好評でした。

柳家さん喬師匠は今回4回目になりますが、いつもながら流れるような噺の上にその仕草に、全員が引き込まれていきました。

今回の演目は「初天神」「そば清」「天狗裁き」の三本でした。

新宿末廣亭のトリが入ったということで、高座が終わって急いで帰られました。

最後は、南直哉老師の講演でしたが、すごかったですね。笑いで心を開かせておきながら、ズバリと直球を突き刺してくるような話で、満堂の聴衆の心が鷲づかみにされました。

「恐山に行ってみたい」と思った人も多かったと思います。

本堂から外に出た人たちが、みんな満足そうな顔をしているのが分かりました。

今回、寺の行持の都合で6月開催にしましたが、閉講の時に声を拾うと、6月がよかったという声が多く、来年も6月で開催するようにしようと思っています。というか、もう日程も決めて、講師の予約も取ったところです。

平成26年の集中講座は、6月1日(日)の開講です。講師陣は全員決定次第お知らせします。

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