Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

五百羅漢図3

2011年05月02日 20時30分01秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 第49、50幅は不思議な絵だ。西洋風の陰影法を使っているだけでなく、解説によれば「裏彩色の技法を駆使して、画面空間に奥行きが与えられて」いるとのこと。
 この技法上のことだけでない。第49図の羅漢の墓地の樹木の下での修行とのことだが、羅漢の一人は東洋人離れした顔をし、にらみつけるような目で瞑想している。景色は三日月、日本の墓、樹木の様相だ。
 一方掲出の第50幅では羅漢は口を多少開いて柔和な顔になっている。景色は満月で、南方(?)的なマングローブの気根とも枝とも知れない樹間での瞑想である。   
 羅漢というよりも禅僧の群れという感じで、他の図幅の羅漢が動的なものとすればあまりに静的である。両図とも上目遣いに開かれ目は何を見ているのであろうか。気になるところである。