第49、50幅は不思議な絵だ。西洋風の陰影法を使っているだけでなく、解説によれば「裏彩色の技法を駆使して、画面空間に奥行きが与えられて」いるとのこと。
この技法上のことだけでない。第49図の羅漢の墓地の樹木の下での修行とのことだが、羅漢の一人は東洋人離れした顔をし、にらみつけるような目で瞑想している。景色は三日月、日本の墓、樹木の様相だ。
一方掲出の第50幅では羅漢は口を多少開いて柔和な顔になっている。景色は満月で、南方(?)的なマングローブの気根とも枝とも知れない樹間での瞑想である。
羅漢というよりも禅僧の群れという感じで、他の図幅の羅漢が動的なものとすればあまりに静的である。両図とも上目遣いに開かれ目は何を見ているのであろうか。気になるところである。
この技法上のことだけでない。第49図の羅漢の墓地の樹木の下での修行とのことだが、羅漢の一人は東洋人離れした顔をし、にらみつけるような目で瞑想している。景色は三日月、日本の墓、樹木の様相だ。
一方掲出の第50幅では羅漢は口を多少開いて柔和な顔になっている。景色は満月で、南方(?)的なマングローブの気根とも枝とも知れない樹間での瞑想である。
羅漢というよりも禅僧の群れという感じで、他の図幅の羅漢が動的なものとすればあまりに静的である。両図とも上目遣いに開かれ目は何を見ているのであろうか。気になるところである。