22日にウォルフガング・サヴァリッシュがなくなった、との報道が先ほどあった。89歳だったとのこと。
1923年生まれというから、日本で言うと大正12年生まれということになる。1960年にカラヤンから引き継いで、1970年までウィーン交響楽団の首席奏者になってから日本でも注目を集めたようだ。1964年にNHK交響楽団を指揮して以来、一層日本で注目を集めた。
私は1970年大学に入学してサヴァリッシュ指揮、ウィーン交響楽団のブラームスの交響曲4曲を聴いて以来のファンであった。他の指揮者・他の楽団の演奏も知らないくせに、そして初めてブラームスの交響曲を聴いたのだが、すっかり魅せられてしまった。
当時購入したレコードはレコード面が摩滅してさらに無数の小さな傷が出来るほど聞いた。そのため、残念ではあったがレコードプレーヤーを処分してCD再生装置を購入したときに廃棄してしまった。その後そのレコードのCD版を探したが見つからず、そのままになってしまっている。今もっているブラームスの交響曲は、カラヤン・ベルリンフィルのものである。あまり聞くことがなくなってしまった。
直接サヴァリッシュの指揮を見たことはない。一度でいいからその指揮、あるいはピアノの演奏を直に聴きたかった。
そして現在持っているサヴァリッシュのCDは、提剛のチェロ・サヴァリッシュのピアノによる1978年録音のブラームスのチェロソナタ、そしてバイエルン放送交響楽団をサヴァリッシュが指揮した1983年録音のブラームスのドイツレクイエム。いづれもブラームスの曲だ。提剛とのチェロソナタ2曲はとても好きな演奏だ。
やはりブラームスの交響曲のイメージが強く、ブラームスの管弦楽曲とサヴァリッシュの組み合わせは、私には欠かせない。両者は私の中では一体の存在なってしまった。
そんなことで、サヴァリッシュの訃報を聞いて、感慨深いものがある。私のクラシック遍歴で大きな足跡を残したこの偉大な先達の冥福を心よりお祈りしたい。
本日は今もっているドイツレクイエムでもかけながら就寝するとしよう。