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本日は横浜ユーラシア文化館にて「マルコ・ポーロが見たユーラシア『東方見聞録』の世界」展を見に行ってきた。前から行こうと思ってなかなか行く機会がなかった。横浜都市発展記念館とあわせて300円也を払って会場へ。とても安い。これで経営が成り立つのだろうか、と余計な心配をしてしまう。
展示構成は
第1章 マルコ・ポーロとは?
第2章 マルコ・ポーロの見たユーラシア世界
第3章 マルコ・ポーロと黄金の国ジパング
第4章 世界に広がるマルコ・ポーロ
となっている。
東方見聞録といっても私は読んだことが無い。東洋文庫で2分冊で発売されているが、読んだ人は極めて少ないと思われる。そのような書物があることは学校で教わる。しかし日本に関する記述の要約が高校の教科書に記載があったかな、という程度の知識しか持ち合わせていない。
今回は大きな地図にマルコ・ポーロの全工程を記したり、主な都市の記述にあわせて現代の写真を展示したり、マルコ・ポーロがついたという官職に本当に彼の名が記されているのか書物を点検したりという試みがされている。実際には官職についた記録は残されていないようだ。また当時元に伝わっていたキリスト教諸派(ネストリウス派やマニ教など)の経典や遺物、中国風の紋様が書き込まれた鮮やかな色彩と特徴ある形のイスラムのタイル、西方に伝わった元時代の景徳鎮等の美しい青磁や陶器などが私の興味を惹いた。また当時の印刷された東方見聞録の本などもなかなか面白い装丁だ。往路とは違って、復路は海路。その工程にまつわる展示もある。
同時に、佐賀県松浦市鷹島沖で発見された元寇の時の沈船から引き上げられた碇や「てつはう」などの遺物も展示され、現地での調査の写真パネルが展示されるなどしているのも興味を惹いた。松浦市鷹島の歴史民族資料館や埋蔵文化財センターのリーフレットなども置かれていた。
しかし東方見聞録の日本についての記載などについてのコーナーはもう少し充実してほしいとも感じた。このような企画はやはり、自分の住んでいるところや時代にひきつけないと理解は難しい。折角の展示がもったいないなぁと感じた。
何回かこのユーラシア文化館を訪れたことがある。しかし今日も含めて大勢の人の群れと出会ったことはない。これで採算がとれているとはとても思えない。どちらかというと、上級者向けの説明に終始している。そしてなかなか維持管理・経営は大変だと感ずる。赤字ではもろもろの施設の存続は今後ますます難しくなる時代だ。
できるだけ存続して欲しい施設だけにさらなる展示の工夫を望みたい。