本日は横浜歴史博物館の収蔵資料展である「博物館コレクション 絵巻で見る江戸時代」展を見学した。
当初、セキセイインコの大き目の籠を購入するため、市営地下鉄「センター北」駅に出かけたのだが、妻が籠を購入する店のすぐ傍にある横浜歴史博物館に行きたいといい始めた。理由を聞くと、展示の絵巻物の中に、出身地の庄内藩一揆を描いたものがあるのだという。私も見に行きたいと考えていたのでまったく異存はない。ということで籠の購入前に歴史博物館におもむいた。入場料は企画展で1人200円。
展示構成は
1.東海道と旅-東海道の旅、旅の風俗-
2.武士の世界-描かれた大名行列、鷹狩の風景-
3.庶民の世界-町のくらし、農村の四季-
4.絵巻で見る事件-蜂起する百姓たち、江戸の火事-
5.絵巻で見る幕末-西洋式の軍事訓練、黒船がやってきた、軍隊の行進-
となっている。
1.は県立歴史博物館と重なり、しかもこれを目的とした展示なので「旅」については県立のほうがいろいろと面白かった。しかし旅の風俗の絵巻はこちらでしか見られないものがあり、やはりあわせて見るのがいい。
目玉は4で、結果として幕府がこの転封を撤回して、処罰者が出なかったという幕末期1840年に起きた庄内藩「三方領地替え」反対一揆を描いた「百姓一揆絵巻」、そして江戸の三大大火の一つ、1772年の目黒行人坂の大火を描いた「火事絵巻」。
ともに特に著名な画家の手になるものではないようだが、実にいきいきと描いている。もっともこれだけでなく、稲荷山開帳図、江戸風俗図巻、風俗図巻、年中行事風俗絵巻もともに極めてリアルにいきいきと町人をはじめとした都市の生活者の姿が描かれている。顔の表情、仕草、店の様子、町の喧嘩の様子など面白おかしく、それこそ掛け声も聞こえてきそうな感じである。
そしてとりわけ4.の二点の作品はとても興味深い。
庄内藩の一揆は、発端から江戸での越訴、地元での7万6千人という膨大な人を集めた2回の集会など、圧巻である。
妻は「庄内の人間は普段はおとなしく静かだけど、一端怒って行動を起こすと怖いんだよ」と一言。これはちと誰に向かっていったことなのか、不安であるが‥。
火事絵巻も火事という災害に都市の人々がどのようにたくましく立ち向かっているか、よくわかる。
なお、カタログは二種ある。この二つの絵巻の全体の複製と解説に限った図録は500円とお得な値段。これを購入した。