Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

ベートーヴェン「ピアノソナタ第30・31・32番」

2024年03月15日 21時31分43秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

   

 昨晩と本日の夜に聴いていた音楽は、ベートーヴェンのピアノソナタ第30、31、32番。
 ベートーヴェンのピアノソナタはこの1枚しか持っていないが、一度聴いたら忘れられない3曲である。第32番は苦手、聴いていて頭に入ってこないし、どういうわけか堅苦しさが目立ち、落ち着かない。悲しいかな、苦手というしかない。
 私は何と言っても第30番の第3楽章の変奏曲(特に主題)が私の一番のお気に入り。今回もこの楽譜を見ながら一度聴いた。
 演奏はルドルフ・ゼルキンで1987年の録音。


読了「風俗画入門」

2024年03月15日 20時21分29秒 | 読書

 本日、第8章「風俗画としての浮世絵」を読み、全体を読み終えた。

浮世絵の語は1680年代初めから、江戸、上方の両方で出版される草紙、絵本の類に見られます。主に当世の美人風俗を描く図を指した・・。春画やそれに近いエロチックな描写が、そのころの浮世絵の本領であったことも察せられます。菱川師宣は、自ら浮世絵師と称した最初の画工と思われ・・。」(第8章)

枕絵こそは、やまと絵の伝統の継承者を自負する浮世絵師の技量の見せどころだったのです。枕絵の高い芸術性の秘密はそこにあります。・・北斎の有名な枕絵の肉筆画冊「浪千鳥」を見る機会があり、強い感銘を受けました。・・どの構図にも緊張感がみなぎり、画家の気分の芸術的高揚がじかに伝わってきます。・・一種の歓喜天曼荼羅と形容してもよい・・。」(第8章)

(久隅守景の「納涼図屏風」に)描かれた親子の気品ある顔つきは、農民というよりむしろ武士のそれで、土地から離され、城下の都市に住むことになった武士たちの田園生活への郷愁が感じられ、身分の拘束を離れた自由な生活へのあこがれもそこに込められているようです。」(第8章)
  この「納涼図屏風」に描かれた人物への言及として、私は全く同意である。私はもっと進めて、男を守景、女性を父と和解した娘とその子、という仮定があることをどこかで読んだことがある。とても惹かれる仮説だと感じている。

慶長や寛永の(風俗画の)女性像の美しい衣装の中には、生身の体があり、彼女らの笑い声、息づかい、胸の鼓動までが伝わってくる・・。それに比べると浮世絵美人は冷たく抽象的でさえあります。美化のゆきすぎが、対象の現実感を弱める結果をうんでいます。」(第8章)

「北斎漫画」の中で力強くユーモラスに展開されている庶民生活の種々相(によって)日本の風俗画は、初めて、庶民の目による庶民生活の描写に至り着いたということもできましょう。」(第8章)

 引用された作品は多数ある。記憶しているものを再見したときにおおいに参考にしたいと思った。

   



ツグミ

2024年03月15日 12時25分36秒 | 近くの自然

 久しぶりにツグミが南側のベランダのすぐそばにやってきた。多分毎年やってくるツグミである。今年もやってきたが、しばらく他の号棟のほうでウロウロしていた。
 昨年よりも一回り大きくなり、体の模様も鮮明になり、茶色と黒のコントラストが強くなった。また胸の斑点も目立つようになった。そして陽が当たると模様がよく映える。成鳥になったのだろうか。
 いつも一羽で、他の鳥よりは人との距離が近くとも逃げない。しかし常に孤独である。ハトなどの群れに混じることもない。他の鳥とも無干渉、わが道を行く姿勢を貫いているように見える。そんな孤独な有様が妻は気に入っている。

 ネットを調べると、10月頃シベリアから大群で渡ってくる冬鳥の代表。日本へ着くと群れを解き、田畑や低い山の林に散らばる。雌雄同色。3月なかばになると再び群れてシベリアへ帰る。冬鳥で日本ではさえずりをしません。それでツグミ(噤み)と呼ばれたという。鳥獣保護法によってツグミは保護鳥となっている。

 そろそろ旅立ちということで、今年の春の見納めも近いようだ。