ベートーベンの「ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110」ならびに「第32番 ハ短調 作品111」をマウリツィオ・ポリーニのピアノで聴いた。2019年9月のミュンヘンでの演奏である。ポリーニが77歳とのこと。
ベートーベン最後のビアのソナタは第30番からまとめて3曲として取り上げられる。今回はそのうちの2曲であるが、こんなにじっくりと聴いたのは初めて。最晩年になってソナタ形式からの逸脱が顕著なこれらの曲、聴きごたえがある。
楽譜も見ながら聴いてみたいと思った。楽譜を追うというのは、昔からの私の癖であったが、30代以降は、段ボール二つ分のスコアなどを天袋の奥深くしまい込んだままである。最近ブラームスの曲を中心に少しだけ本棚に戻した。ベートーベンも少し戻してみたい。
同時にこの演奏を聴いて、ベートーベンのビアのソナタの全体を見てみたいと思った。消え入るように終わるのも私の好みである。
番組終了後、ふたご座流星群の極大日なので、昨晩と同様二人で空を見上げながら15分ほど団地内を一周した。空には雲もなく、冬の星が存分に楽しめた。ぎょしゃ座のカペラが天頂付近で輝いて印象的であった。月もない。それでも残念ながら昨晩と同じく流星はひとつも見ることができなかった。