佐藤鬼房句集から
半迦座(1989.6刊)より
★魔の六日九日死者ら怯え立つ
★砂に陽のしみ入る音ぞ曼殊沙華
★野葡萄や死ぬまで続くわが戦後
佐藤鬼房の句が読みたくなる。残念ながら佐藤鬼房の句集は「芸林21世紀文庫」の薄い1冊しか持っていない。全句集は昨年14,300円で刊行されたらしいが、とても手の届くものではない。いつか他の句も読んでみたい。
佐藤鬼房については、ネットで調べると、概略「1919年3月20日~2002年1月19日、俳人、岩手県釜石市出身。現塩釜市立第一小学校卒。1935年より新興俳句系の「句と評論」に投句、渡辺白泉の選句を受ける。1940年、徴兵、中国・南方に転戦。南京で鈴木六林男に出会う。戦後は西東三鬼に師事、1953年「風」同人。1954年、第3回現代俳句協会賞。1955年、「天狼」同人。1985年宮城県塩竈市で「小熊座」創刊、主宰。1989年『半跏坐』で第5回詩歌文学館賞、1993年『瀬頭』で第27回蛇笏賞。社会性俳句の代表的作家。陸奥に根ざした風土性・土俗性を特徴とし、戦争の記憶などもモチーフとした。門人に高野ムツオなど」とある。
私が仙台にいた1970年代前半も東北、あるいは宮城県内で活躍していたのかもしれない。当時は、名前は知ってはいたが、俳句については何も知らなかった。
引用の句は、いくどかこのブログでもすでに引用したかもしれない。戦争をひきづって、そして今も私をひきつける句である。