雨は昼前からはほとんどあがり、傘をささずに一日を過ごすことができた。昨日の昼間の予報よりは雨が降る時間は遅れたものの、雨の区域が南側により、9時前の強い雨と風だけで済んだようだ。とはいえ団地内は強い風であちこちにケヤキの細い枝が散乱していた。私は所用があり出かけてしまったが、後片付けは大変だったようだ。
風雨がおさまり、まだ明るさの残る団地の中の樹林地の傍を歩いてみた。歩きながら幾つかの句を思い出した。「木下闇」というのは、鬱蒼と茂る夏の木立のもと、昼間でも暗い場合をさす言葉である。私の好きな季語である。
似たような季語に「五月闇」がある。これは梅雨の頃の厚い雲に覆われた暗さをさす。昼だけでなく月も出ない夜の暗さもいうと歳時記では説明がある。昼も夜も使う場合があるということである。
使い分けはなかなか難しい。
★木下闇水の気配のその先に 庄司たけし
★纜(ともづな)の沈める水や五月闇 楠目橙黄子
★五月闇秘仏の闇は別にあり 井沢正江