昨晩読み終わったのは「生命の大進化 40億年史 古生代編」の第2章「爆発的進化の時代」、古生代の始めのカンブリア紀を扱った章。昨日はその後半の第4節「史上最初の“覇者”と、その仲間たち」、第5節「“爆発的進化”の決め手は「眼の誕生」だったのか」、第6節「進化の目撃者 カンブリア紀編~平たい三葉虫類~」、第7節「そして」、コラム「海洋成分が進化を促したのか?」を読み終わった。
私の印象に残っているのは、眼が5つのオパビニア。
この本によると化石からその姿が復元されて発表されたのが1975年と記されている。確かに私が初めてこの生物の復元図を見たのは就職してすぐのころだったと思う。ニュートンだったか、日経サイエンスだったか、あるいは別の書物だったか記憶にはないが、とても印象深かった。
何しろ目が5ついうことで、左右対称が生物の基本と教わって来た私は驚いた。しかも口らしきものが延びている。あたかも舌の先に口があるようなものである。
5つの眼以外は左右対称というのも不思議であった。足があるのか、ないのか、海底を貼ったのか、歩いたのか、判然としない。少なくとも、1975年当時はこのような復元図は「確定図」として「権威」があった。何人も異論を挟むことは許されなかった。この本では「現時点」での復元図としてまだまだ変更の余地があり、議論が続いていることを示している。科学の本というのはこういう表現でなくてはいけない。「権威」でもって「確定」してはいけないのである。
この本、なかなか楽しめる。
「カンブリア紀の動物たちの多くは、「眼」を備えていた。その眼は、種によっては現生種と変わらないくらい優秀な性能だった。この眼の誕生こそが、カンブリア紀における進化を決定づけたとする節がある。イギリスの動物学者ねアンドリュー・パーカーが1990年代末に提唱したもので「光スイッチ説」と呼ばれている。眼を持つことで、捕食者は獲物の位置や弱点を知ることができるようになった。すると保釈者は、装甲を都と備えたり、トゲなどの武装を持つものが有利となる。‥人間世界の軍拡競争をみるかのように、さまざまな進化が展開していく。」(「第5節」)