Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「原三渓の美術」展(横浜美術館)

2019年07月31日 21時47分48秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

   

 本日は暑さのなか、横浜美術館で開催されている「原三渓の美術」展を見に行った。

 今回の展示についてホームページでは次のように記されている。

 原三溪(富太郎、慶応4╱明治元年から昭和14年)は、横浜において生糸貿易や製糸業などで財をなした実業家です。明治初年に生まれ、昭和戦前期にいたる近代日本の黎明・発展期に経済界を牽引しました。
 一方で三溪は、独自の歴史観にもとづき古美術品を精力的に収集したコレクターであり、自由闊達な茶の境地を拓いた数寄者、古建築を移築して三溪園を作庭・無料公開して自らも書画・漢詩をよくしたアーティスト、そして、同時代の有望な美術家を積極的に支援し育んだパトロンでもありました。三溪のこうした文化的な営みは、財界人としての活動や人的交流、社会貢献活動家(フィランソロピスト)としての無私の精神にもとづきつつ、近代日本における美術界・美術市場の確立の過程と軌を一にしながら展開したと言えるでしょう。
 本展は、原三溪の四つの側面、すなわち「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」としての業績に焦点を当てます。それらの相互関連を時代背景も視野に入れて探りながら、今日、国宝や重要文化財に指定される名品30件以上を含む三溪旧蔵の美術品や茶道具約150件と、関連資料を展観することによって、原三溪の文化人としての全体像を描きだします。三溪自身も一堂に観ることが適わなかった旧蔵の名品を、過去最大規模で展観する貴重な機会となります。

1.驚くべき大コレクション。その真髄を、過去最大規模で紹介!
 三溪が生涯に購入した美術品は、優に5,000点を超えます。コレクションは没後に分散しますが、国内各地の美術館や博物館を代表する所蔵品となり、また個人などに受け継がれています。本展では三溪の旧蔵品約150件を展示。三溪の旧蔵品がこの規模で一堂に紹介されるのは初めてです。三溪自身もこれらをいちどきに鑑賞したことはありません。本展は、三溪がコレクションの公開のために建設を夢見ていたとされる、幻の美術館を具現するものとも言えるでしょう。

2.国指定文化財(国宝、重要文化財)30件以上を含む、珠玉の美術品が集結!
 三溪が収集した美術品のうち現存する作品の多くは、今日では国宝や重要文化財に指定され、三溪の審美眼の確かさを物語っています。本展では、三溪旧蔵品を代表する国宝《孔雀明王像》や《寝覚物語絵巻》を始め、30件以上の国指定文化財が出品されます。三溪旧蔵の至宝が、最大規模で横浜に里帰りします。

3.「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」 ――四つの切り口で、三溪と芸術との関わりを紐解く。  三溪は茶道具の収集も行い、実業界の先輩で茶人としても知られた益田鈍翁(どんのう)や高橋箒庵(そうあん)を招き、慣例にとらわれない道具の取り合わせなどで自由な趣向の茶事を楽しみました。書画の才能は余技の域を超え、その恬淡とした画境は三溪ならではのものです。また、今日、国の名勝にも指定される「三溪園」は三溪の最大かつ最高の芸術作品に他なりません。そして実業以外の三溪の功績で最も広く知られるのが、日本美術院の画家を支援したパトロンとしての役割でしょう。本展では、「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」の四つの切り口で、文化人・三溪の全体像を紹介します。

4.三溪自筆のさまざまな記録を読み解き、コレクションの秘密に迫る。
 三溪は、作品の購入先や金額を自ら克明に記録した買入覚や数種の蔵品目録を残しました。これらからは、コレクションの形成の過程や傾向、分類に関する三溪の独創的な考え方を知ることができます。また、三溪は生前、古代から近世の所蔵品名品集『三溪帖』の出版を計画しました。そこに掲載される予定であった緒言や解説の自筆草稿において、三溪は研究者の態度で所蔵品を分析し、独自の視点で美術史上の位置づけを行っています。本展ではこれらを含む貴重な記録類から、コレクションの遍歴を辿り、また、三溪の美術史観を読み解きます。

 本日は前期展示にあたる日で、いくつかの作品は後期まで待たなければならない。今回の展示で印象に残った作品は
1.孔雀明王像(平安後期、東京国立博物館)、
2.阿弥陀仏図(鎌倉、MIHO MUSEUM)、
3.四季山水図巻(伝雪舟等楊、京都国立博物館)、
4.奔湍図(伝狩野元信、大和文華館)、
5.琴高・群仙図(雪村周継、京都国立博物館)、
6.松に叭々鳥・柳に白露図(狩野永徳、九州国立博物館)、
7.黄初平・許由巣父図(伝狩野山楽)、
8.賀茂競馬図(久隅守景、馬の博物館)、
9.梅に鶯図(本阿弥光甫、細見美術館)、
10.虹図(円山応挙、MIHO MUSEUM)、
11.伎楽面(迦楼羅、MIHO MUSEUM)、
12.伎楽面(酔胡従、文化庁)、
13.狙公(橋本雅邦、東京国立博物館)、
14.大原御幸(下村観山、東京国立近代美術館)、
15.賢首菩薩(菱田春草、東京国立近代美術館)
の15点。この15点の作品をじっくり見ているうちに閉館時間といわれ、退室した。
 この15点のうち初めて見た作品は、1、2、3、4、7、9、10、11、13の9点と思う。



 1、3、4の3点はポストカードを購入した。図録は3000円超ということもあり、購入しなかった。

 10の円山応挙は初めて。虹を描いた作品は珍しいと思える。13の狙公(橋本雅邦)は初めて見る作品であるが、保存状態がとてもよく、鮮明な彩色に目を奪われた。

 私はアーティストとしての原三渓よりは、コレクターとしての原三渓の眼に着目している。
 できればもう一度くらいもう少し時間をかけて鑑賞し、個々の作品の感想なども書いてみたい。本日のところは概略のみとしたい。

   



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