図書館によって違うけれども
私の近所の図書館はマンガを置かない
なのに、アートかどこかのコーナーに2冊ほどマンガを見つけた
司書さんたちが、数多の新刊の中で
わざわざ本書を入れようと決めた理由は何だったのか?
『ちびまる子ちゃん』的コミックエッセイで
著者が生まれたのは1974年
小学校にやって来た犬を飼うところから始まる
タイトルからして犬がなにかの理由で家出して
探し回る話かと思ったが
犬との暮らしを織り交ぜながら
著者が小学校の時の夢だったイラストレーターになるまでも並行して描かれる
昭和の感じ、犬のいる実家、フリーターで仕事に追われる日々、、、
あれ、なんだか自分の人生を見ているみたいだ
犬に会いたくてしょっちゅう帰省したり
交通費を節約するために長距離バスに乗ったり
1つ違うとしたら
著者には「コレがやりたい!」というものがあったこと
それに向けて日々、努力したこと
私も漫画が好きで『なかよし』などを買って
広告の裏に真似して描いたりした時代はあったけど
「漫画家になりたい!」と思ったことはなかった気がする
本書のそうした、なにか夢に向かって努力すれば実る
みたいなメッセージ性を理由に
図書館に置くことに決めたのかも
【内容抜粋メモ】
■小学生時代
著者ナオコが小学5年生の時、教室に犬が乱入してきた
まだ野良犬がいた時代
先生に怒られて、校庭に捨てられるが
ずっとナオコをじぃっと見ている
イヤイヤ通う「そろばん塾」の帰りに探すがいない
公団住宅に住む友達が見たという
(うちの近所にもあったなあ公団住宅
高度経済成長期にボコボコと建てられたんだな
前より痩せて、男の子らにいじめられて
げっそりした姿を見かねて家に連れてくる
(私も箱に入れられられた子犬を拾い
飼いたいって頼んだけど、ひどく怒られて戻した記憶がある/涙
ナオコの両親も猛反対
それでも基本、すぐ何事もどうでもよくなる性格だから
なんとかなるだろうという計画は成功する
味噌汁ご飯やラーメンをガツガツ食べる犬
(この頃は犬は外につないで、ヒトと同じものを食べさせていたな
ドッグフードとか動物病院とかいう頭がなかった
親に言われて一度捨てに行ったものの
ナオコの後をついてきて家にいつき
姉の好きなお菓子の名にちなんで「ムク」と命名
早速いろんなイタズラをしでかし
首輪が大き過ぎて脱走(これは気をつけないとね/汗
あぜ道を走る顔が幸せそうでショックなナオコ
1時間ほどして自力で帰宅
玄関につなぐと見事な番犬となり
何度も遊びに来る親友に毎回吠えて触らせてくれない
なにも芸を覚えないが
父の投げたおつまみを空中キャッチするのは完璧!
女子の間で「ゴム跳び」が流行る
(なんだったんだろうね、あの熱狂的ブーム
一番の楽しみはマンガ雑誌の発売日
至福の時間を過ごしていると
また塾をサボったと母に叱られる
母:将来、就職する時に4級じゃ履歴書の特技に書けなくて困るに
(履歴書て今はなきに等しい死語だよね
でも当時は大体みんなピアノや習字を習っていて羨ましかった
姉は中学、弟は小学校にあがるタイミングで
夢の「自分の部屋」がもらえる
押し入れをベッドにする
(いいなあ!
和室の天井の木目がお化けに見えるって分かる!!怖×5000
その工事のおっちゃんが犬小屋を作ってくれたが
全然入らないw
父のムクの散歩についていくと
用水路でじゃぶじゃぶするのが大好きだと分かる
(犬好きだよね 夏暑いし
ナオコは広告の裏にマンガを描くのが楽しみ
将来、自分は何の仕事に就くのか妄想する
動物園の飼育員、花屋さん、、、
(パン屋になれば毎日パンが食べ放題て私も思った!
実際は早朝から仕込みとかとんでもない苦労しているとも知らずに/汗
夏にスイカを食べていて
ムクにあげるとモーレツな勢いで食べて
犬もスイカを食べるのかと驚くナオコ
暑いと庭に大きな穴を掘って、そこで寝る(外犬あるある
ナオコは新体操ごっこに夢中になる
(私も近所の体育館でやってるのを毎日見に行って
新体操を習っていた時期があった!
メンバの中で一番体が固くて辞めた/汗
小学校の卒業文集で「将来の夢」に女子は保母さんが多い中
ナオコは「ハワイ旅行」と書いているw
■中学生時代
バレー部は厳し過ぎて、なんとなくテニス部に入る
(私はテニス部まっしぐらな中学生生活だった!
絵を描くのが大好きな友だちと出会い
絵を描いて交換する日記を始めて、5年間も続く
(交換日記もやった!
友だち:2人でマンガ家になってデビューせえへん?
と言われて衝撃を受け、自分の将来の夢をようやく見つけて
寝るのも惜しんで練習する
(夢中になることって寝食忘れるよね
文具店で憧れのGペンやスクリーントーンなどを買う
母にマンガ家になる夢を話すと激怒する
(出た・・・ 親は子どもの純粋な夢と才能を潰しがち↓↓↓
歌手や芸術家などは一部の才能を持つ人しかなれない+儲からないと疑わない
公務員とか、公務員の嫁になって欲しいから
犬の散歩で時々出会う男の子に胸ときめくナオコ
思いきり美化して、マンガのネタにする
歴史の授業では年号をひたすら覚えさせられる↓↓↓
(こんなお粗末な教育ってないよね
ムクは13歳
近所のオス犬との間に子どもが出来て
その子犬が子犬を産んで
ムク→チキ(娘)→チビリ(孫)の3匹となる
お父さん大好きなムクは、父が子どもや孫と仲良くしていると
ものすごい焼きもちを焼く
23歳のナオコは、夢まだ遠く、実家からバイトに通う日々
相変わらず食べ物にがっつくムクを見て
“私は生まれながらにあったかいご飯や寝床があったけど
ムクの貪欲さを少し見習わなきゃ
私ももっと必死にならなきゃいけない時がきたのかも”
東京で絵の仕事を探そうかなと思いはじめるナオコ
一緒にマンガ家になろうと言った友だちは地元の会社に就職
地方はクルマ社会のため、同級生はみなクルマを持っているが
ナオコは出かけるのに友だちに乗せてもらう(→それも同じ
■24歳で上京 一人暮らしを始める
すぐにムクが恋しくなり、夏には帰省
熱烈歓迎もなく、のそっと出てくるムクw
その後もムク会いたさにGW、お盆休み、年末と帰省する
(やはり同じく みーちゃん会いたさに帰省してた
仕事もデータ入力とかまで同じ
てかちょうどPCが流行ってたのか?
ムクは16歳(!
すっかり軽くなってしまって驚く
(この辺から物語の終わりが見えて、だんだん切なくなってくる
夏の暑い日、ムクは小屋で目を回していた
点滴を打ってもらったり
大好物のスイカの汁を飲ませるナオコ
そこに親友が来て、弱っているムクにようやく触ることが出来る
自慢の一眼レフで撮ってくれた写真をアパートに貼り
毎日眺めて、エアモフモフするナオコw
年末に帰省すると、同じ方向にぐるぐる回り続けて
ヒモが絡まるというムク
食も衰えたため、パンをあげたらモーレツがっついたため
味噌汁ご飯からすっかりパン食になり
パン屋さんの美味しいパンを食べている
■2000年
またヒモでぐるぐる巻きになっているムクのために
庭のあちこちをふさいでヒモを外すと喜んで歩き回り
その夕方、家出してしまう
(だから放しちゃダメなんだよね/汗
みーちゃんはそれで帰ってこなかった・・・
父がクルマで探して
ムクが大好きな側溝で動けなくなっている所を見つける(奇跡的!
子犬もカワイイが、老犬の可愛さがあると思うナオコ(同感
足腰が弱くなり散歩に行けなくなったムクを公園に連れて行くと喜ぶ
夏にまたぐったりしているムク
日本の猛暑は気候変動でヒトも死ぬ暑さだからね/汗
秋口にやっとイラストで連載の仕事をもらうナオコ
バイトと重なって多忙になる
「ムクが入院した」と電話が来る
帰省予定日はあと7日
でも「入院先の病院でムクは天国に行った」と電話が来る
帰省すると犬小屋にムクはいない
ペット寺のお坊さんにお経をあげてもらい引き取ってもらう
ナオコは実感がわかず、まだどこかを走っている気がする
父が公園で桜をバックに撮ってくれた写真のムクは楽しそうに笑っていた
■10年以上経った現在
他の犬も亡くなり、犬小屋は物置になっている(これもあるある/汗
父とペットショップに出かけて、また飼えばいいのにと迫る
まんざらでもない父
ムク、今ごろどうしていますか?
たぶん脱走に成功した時みたいに
広い野原を自由に走り回っているんじゃないかな
【著者あとがき】
今のペット知識から見ると
犬の飼い方として間違っている部分も多いが
当時はまだどこの家の犬も大体こんな感じで飼われていたのでご了承ください
結局、東京でイラストレーターとして食べられるようになったのは
ムクが旅立って2年半後だった
初出:『CREA WEB コミックエッセイルーム』
HP:ホクソエム
私の近所の図書館はマンガを置かない
なのに、アートかどこかのコーナーに2冊ほどマンガを見つけた
司書さんたちが、数多の新刊の中で
わざわざ本書を入れようと決めた理由は何だったのか?
『ちびまる子ちゃん』的コミックエッセイで
著者が生まれたのは1974年
小学校にやって来た犬を飼うところから始まる
タイトルからして犬がなにかの理由で家出して
探し回る話かと思ったが
犬との暮らしを織り交ぜながら
著者が小学校の時の夢だったイラストレーターになるまでも並行して描かれる
昭和の感じ、犬のいる実家、フリーターで仕事に追われる日々、、、
あれ、なんだか自分の人生を見ているみたいだ
犬に会いたくてしょっちゅう帰省したり
交通費を節約するために長距離バスに乗ったり
1つ違うとしたら
著者には「コレがやりたい!」というものがあったこと
それに向けて日々、努力したこと
私も漫画が好きで『なかよし』などを買って
広告の裏に真似して描いたりした時代はあったけど
「漫画家になりたい!」と思ったことはなかった気がする
本書のそうした、なにか夢に向かって努力すれば実る
みたいなメッセージ性を理由に
図書館に置くことに決めたのかも
【内容抜粋メモ】
■小学生時代
著者ナオコが小学5年生の時、教室に犬が乱入してきた
まだ野良犬がいた時代
先生に怒られて、校庭に捨てられるが
ずっとナオコをじぃっと見ている
イヤイヤ通う「そろばん塾」の帰りに探すがいない
公団住宅に住む友達が見たという
(うちの近所にもあったなあ公団住宅
高度経済成長期にボコボコと建てられたんだな
前より痩せて、男の子らにいじめられて
げっそりした姿を見かねて家に連れてくる
(私も箱に入れられられた子犬を拾い
飼いたいって頼んだけど、ひどく怒られて戻した記憶がある/涙
ナオコの両親も猛反対
それでも基本、すぐ何事もどうでもよくなる性格だから
なんとかなるだろうという計画は成功する
味噌汁ご飯やラーメンをガツガツ食べる犬
(この頃は犬は外につないで、ヒトと同じものを食べさせていたな
ドッグフードとか動物病院とかいう頭がなかった
親に言われて一度捨てに行ったものの
ナオコの後をついてきて家にいつき
姉の好きなお菓子の名にちなんで「ムク」と命名
早速いろんなイタズラをしでかし
首輪が大き過ぎて脱走(これは気をつけないとね/汗
あぜ道を走る顔が幸せそうでショックなナオコ
1時間ほどして自力で帰宅
玄関につなぐと見事な番犬となり
何度も遊びに来る親友に毎回吠えて触らせてくれない
なにも芸を覚えないが
父の投げたおつまみを空中キャッチするのは完璧!
女子の間で「ゴム跳び」が流行る
(なんだったんだろうね、あの熱狂的ブーム
一番の楽しみはマンガ雑誌の発売日
至福の時間を過ごしていると
また塾をサボったと母に叱られる
母:将来、就職する時に4級じゃ履歴書の特技に書けなくて困るに
(履歴書て今はなきに等しい死語だよね
でも当時は大体みんなピアノや習字を習っていて羨ましかった
姉は中学、弟は小学校にあがるタイミングで
夢の「自分の部屋」がもらえる
押し入れをベッドにする
(いいなあ!
和室の天井の木目がお化けに見えるって分かる!!怖×5000
その工事のおっちゃんが犬小屋を作ってくれたが
全然入らないw
父のムクの散歩についていくと
用水路でじゃぶじゃぶするのが大好きだと分かる
(犬好きだよね 夏暑いし
ナオコは広告の裏にマンガを描くのが楽しみ
将来、自分は何の仕事に就くのか妄想する
動物園の飼育員、花屋さん、、、
(パン屋になれば毎日パンが食べ放題て私も思った!
実際は早朝から仕込みとかとんでもない苦労しているとも知らずに/汗
夏にスイカを食べていて
ムクにあげるとモーレツな勢いで食べて
犬もスイカを食べるのかと驚くナオコ
暑いと庭に大きな穴を掘って、そこで寝る(外犬あるある
ナオコは新体操ごっこに夢中になる
(私も近所の体育館でやってるのを毎日見に行って
新体操を習っていた時期があった!
メンバの中で一番体が固くて辞めた/汗
小学校の卒業文集で「将来の夢」に女子は保母さんが多い中
ナオコは「ハワイ旅行」と書いているw
■中学生時代
バレー部は厳し過ぎて、なんとなくテニス部に入る
(私はテニス部まっしぐらな中学生生活だった!
絵を描くのが大好きな友だちと出会い
絵を描いて交換する日記を始めて、5年間も続く
(交換日記もやった!
友だち:2人でマンガ家になってデビューせえへん?
と言われて衝撃を受け、自分の将来の夢をようやく見つけて
寝るのも惜しんで練習する
(夢中になることって寝食忘れるよね
文具店で憧れのGペンやスクリーントーンなどを買う
母にマンガ家になる夢を話すと激怒する
(出た・・・ 親は子どもの純粋な夢と才能を潰しがち↓↓↓
歌手や芸術家などは一部の才能を持つ人しかなれない+儲からないと疑わない
公務員とか、公務員の嫁になって欲しいから
犬の散歩で時々出会う男の子に胸ときめくナオコ
思いきり美化して、マンガのネタにする
歴史の授業では年号をひたすら覚えさせられる↓↓↓
(こんなお粗末な教育ってないよね
ムクは13歳
近所のオス犬との間に子どもが出来て
その子犬が子犬を産んで
ムク→チキ(娘)→チビリ(孫)の3匹となる
お父さん大好きなムクは、父が子どもや孫と仲良くしていると
ものすごい焼きもちを焼く
23歳のナオコは、夢まだ遠く、実家からバイトに通う日々
相変わらず食べ物にがっつくムクを見て
“私は生まれながらにあったかいご飯や寝床があったけど
ムクの貪欲さを少し見習わなきゃ
私ももっと必死にならなきゃいけない時がきたのかも”
東京で絵の仕事を探そうかなと思いはじめるナオコ
一緒にマンガ家になろうと言った友だちは地元の会社に就職
地方はクルマ社会のため、同級生はみなクルマを持っているが
ナオコは出かけるのに友だちに乗せてもらう(→それも同じ
■24歳で上京 一人暮らしを始める
すぐにムクが恋しくなり、夏には帰省
熱烈歓迎もなく、のそっと出てくるムクw
その後もムク会いたさにGW、お盆休み、年末と帰省する
(やはり同じく みーちゃん会いたさに帰省してた
仕事もデータ入力とかまで同じ
てかちょうどPCが流行ってたのか?
ムクは16歳(!
すっかり軽くなってしまって驚く
(この辺から物語の終わりが見えて、だんだん切なくなってくる
夏の暑い日、ムクは小屋で目を回していた
点滴を打ってもらったり
大好物のスイカの汁を飲ませるナオコ
そこに親友が来て、弱っているムクにようやく触ることが出来る
自慢の一眼レフで撮ってくれた写真をアパートに貼り
毎日眺めて、エアモフモフするナオコw
年末に帰省すると、同じ方向にぐるぐる回り続けて
ヒモが絡まるというムク
食も衰えたため、パンをあげたらモーレツがっついたため
味噌汁ご飯からすっかりパン食になり
パン屋さんの美味しいパンを食べている
■2000年
またヒモでぐるぐる巻きになっているムクのために
庭のあちこちをふさいでヒモを外すと喜んで歩き回り
その夕方、家出してしまう
(だから放しちゃダメなんだよね/汗
みーちゃんはそれで帰ってこなかった・・・
父がクルマで探して
ムクが大好きな側溝で動けなくなっている所を見つける(奇跡的!
子犬もカワイイが、老犬の可愛さがあると思うナオコ(同感
足腰が弱くなり散歩に行けなくなったムクを公園に連れて行くと喜ぶ
夏にまたぐったりしているムク
日本の猛暑は気候変動でヒトも死ぬ暑さだからね/汗
秋口にやっとイラストで連載の仕事をもらうナオコ
バイトと重なって多忙になる
「ムクが入院した」と電話が来る
帰省予定日はあと7日
でも「入院先の病院でムクは天国に行った」と電話が来る
帰省すると犬小屋にムクはいない
ペット寺のお坊さんにお経をあげてもらい引き取ってもらう
ナオコは実感がわかず、まだどこかを走っている気がする
父が公園で桜をバックに撮ってくれた写真のムクは楽しそうに笑っていた
■10年以上経った現在
他の犬も亡くなり、犬小屋は物置になっている(これもあるある/汗
父とペットショップに出かけて、また飼えばいいのにと迫る
まんざらでもない父
ムク、今ごろどうしていますか?
たぶん脱走に成功した時みたいに
広い野原を自由に走り回っているんじゃないかな
【著者あとがき】
今のペット知識から見ると
犬の飼い方として間違っている部分も多いが
当時はまだどこの家の犬も大体こんな感じで飼われていたのでご了承ください
結局、東京でイラストレーターとして食べられるようになったのは
ムクが旅立って2年半後だった
初出:『CREA WEB コミックエッセイルーム』
HP:ホクソエム