メランコリア

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『クワイエットルームにようこそ』(ネタバレ注意

2007-10-24 23:55:55 | 映画
『クワイエットルームにようこそ』@渋谷シネマライズ

松尾部長作品だけに前回の『恋の門』みたくけっこー笑えて、ちょっぴり泣けて
みたいな話かと思いきや、意外とヘヴィで、ふつーにいい人間ドラマだった。
内田有紀はひさびさ見たな。今作で本格復帰か。とゆうより捨て身の体当たり。
そのほかの俳優も同様。
蒼井優も今までになくダークな役どころだったし、りょうはソリッドでカッチョいい。
妻夫木くんと、大竹しのぶにいたってはかなりブッ飛んでるし
唯一、平岩紙ちゃんで和めたかな。

こうゆう特殊な病棟の存在は、あり得そうだけど、実態はほとんど知らない世界だから、
驚きつつもいろいろ深い。

そもそも正気と狂気の境界線なんてどこにあるのか。

このヒロインだって、傍から見れば、波乱万丈で激しく、時に楽しく生きている
フツーの現代的な女のコじゃないの。
でも薄いドアを開けてみたら、みんなどっか弱くて、みんなどっかちょっとずつ病気。
優が「わたしはまとも。このシステムが悪いの」と言うセリフにドキっとする。

以前見た女囚もののドキュメンタリーで「この塀は女性囚人らを閉じ込めるものではなくて、
むしろ外の世界から彼女たちを守る塀なんです」てゆってたのを思い出した。
外に出たら誘惑だらけ、不安だらけ。忙しい都心にいたらとくに。
そこで日々バランスをとりながら、ギリギリ騙しながら自分を保って生きている。
キカイのように分刻みに、そして無数にある妙なルールにがんじがらめになって、
頭の中だけで生きていこうとすると、どんどん本来の自分からズレていって、
しかもそのことに周りも自分自身ですらも気づけない。

拒食・過食、鬱、なんたら症候群etc.. 軽いものから重いものまで、
精神からくる異常をちゃんと「病気」として認知されはじめてきた昨今、
身近に起こり得る問題として意識的に考えさせられた1本。


病院の談話室みたいなところでみんなが見てたテレビでやっていたのがなぜか
『恋の門』のときのギバレンジャーだったのが1番ツボだったw

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