『ブレイブワン』

『ブレイブワン』～THE BRAVE ONE（2007）アメリカ／オーストラリア
監督: ニール・ジョーダン
出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナビーン・アンドリュース、ニッキー・カットほか

大好きな女優ジョディの新作を早速チェック。
通り魔的暴行に遭って恋人を失い、自らも重体となったエリカは、警察の無力さに絶望した上
恐怖感から街を歩くのもままならない。
銃を合法所持する許可を申請する30日間も待てず闇ルートで購入し、コンビニで夫婦間のもつれによる銃撃事件に巻き込まれた際、身を守るために相手を撃ち殺してしまうが、それをキッカケに復讐劇がはじまる。

銃社会アメリカらしい一作。弱い者の護身用が殺人の道具として使われたとしたら・・・？
こないだ帰省した際、父の第一声は雇用条件の心配と、ちょっと前に起こった玄関前で暴漢に襲われる事件のことだった。
「自分は大丈夫なんて過信してないで、護身用のスプレーとか持ったほうがいい」って。
友だちにも持ち歩いてるコはいるし、そもそも自分だけは大丈夫なんて過信はしてないけど、
まだわたしはそこまで絶望していないのかもしれない。
それでも、こんな事件に巻き込まれた後ではきっと、日常生活が恐怖で埋め尽くされてしまうことは想像できる。

人の中にある善と悪。どれが罪で、どれが罪でないかの判断も人それぞれ。
映画はほとんど勧善懲悪で終わるものだが、今作のラストには賛否両論あるだろうな。
目には目を、では何も解決せず、悪行は繰り返されると分かっていても、
どこかホッとしている自分がいることも否定できない。


主人公エリカはラジオ番組のパーソナリティだが、ジュディの囁くような声が魅力的。
いくつになってもクールでスマートでカッコいい女性だなあ！
今作のＰＲで来日もして、この問題作に取り組んだ熱意を語っていた。
最近はすっかりサスペンスもののイメージが定着しつつあるけど、その張り詰めた演技のテンションや
出演作の一貫した完成度の高さは『羊たちの沈黙』の時からまったく落ちていないのもさすがです。

唯一頼れる警官役を演じたテレンス・ハワードもセクスィで魅力的。
その他、『LOST』シリーズのナビーン・アンドリュースが恋人役だったのが意外。
出演ドラマがヒットすれば大女優ジョディとキスシーンまであるんだからねえ！