メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『タイタンの戦い』

2008-08-31 20:32:57 | 映画
『タイタンの戦い』~CLASH OF THE TITANS(1981)アメリカ
監督:デスモンド・デイビス ダイナメーション:レイ・ハリーハウゼン
出演:ハリー・ハムリン(勇者ペルセウス)、ジュディ・バウカー(アンドロメダ)、バージェス・メレディス(劇作家アモン)、ローレンス・オリヴィエ(ゼウス)、クレア・ブルーム(ヘラ)、マギー・スミス(テティス)、スーザン・フリートウッド(アテナ)ほか

近所のレンタル屋の1週間100円VHSシリーズ。すっかりハマってしまったハリーハウゼン特撮もの。
ふたたびギリシア神話から、有名なメドゥーサとの闘いが描かれているのが嬉しい。
ほかにも海の怪物クラケン、双頭犬、ゴルゴンのメドゥサ、ペガサスなどなどダイナメーション盛りだくさん!

story
アルゴスの王女ダナエが、ゼウスの子供を産んだことから国王の嫉妬ゆえに海に流されてしまう。
ゼウスは怒りアルゴスを根こそぎ滅ぼし、母子を安全な島に送って、息子ペルセウスは立派な青年に成長する。
一方、女神テティスの息子カリボスはゼウスの罰によって醜い姿に変えられ、
婚約者アンドロメダの魂を毎夜巨大鷲に運ばせ、謎を与えて、彼女に言い寄る男たちに謎解きをさせ、答えられなければ火あぶりにしていた。
ペルセウスはペガサスをてなずけて空を駆け、カリボスと闘って謎を解き、アンドロメダを勝ち取る。
しかし、彼女の母が「娘はテティスより美しい」と暴言を吐いたがゆえに怒りを買い、
30日以内に娘を処女のまま海の怪物クラケンに捧げなければ国を滅ぼすと命令。
劇作家アモンは「3人の老婆に聞け」とゆうが、老婆は人食い
アテナはペルセウスに知恵を授ける黄金のフクロウを与え、老婆から一目見ただけで石と化してしまうメドゥーサのことを教えてもらう。
暗闇に蛇の胴体をひきずるメドゥーサが怪しくてカッコいい!!!盾を鏡代わりにして闘うシーンは息を飲む緊張感たっぷり!
ブキミなキャラだけど、彼女もまた美人だったゆえに海の神ポセイドンと愛し合って女神の反感を買ってこんな姿にされてしまった可哀相な生い立ちじゃないの
彼女の首を持って、クラケンと闘って見事石となって崩れ去り、王女は助かる。

主役の男優はちょっと見ジム・モリソンみたいな絵に描いたような肉体派美形。
本作だけかと思いきや、その後もばりばりな現役っぽいし。
王女役もこれまた絵のような可愛い女優。全裸シーンのサービスまであり
黄金のフクロウは(リンク先にも書いてあるけど)ほんと『スター・ウォーズ』のR2D2そっくりなキャラでおとぼけシーンでなごませる。

'80年代の作品とのことで、ハリーハウゼンはこの作品で引退を決めたみたい。
ファンタジー描写もアクションもどんどん誇張されて、リアルなCGによってなんでもありになった現代の映画に比べて、手作り感満載な特撮はつたない動きの中にもクリエイティブなあったかさや感動がある。
こうして観ると意外にムダなシーンがなくて、ツボをちゃんと押さえてるし。
三途の川を渡る時に現れる骸骨の船頭さんとかも雰囲気たっぷり。渡し賃を請求するシーンはモンティ・パイソンのギャグを思い出してしまったw

Palladion Coast
今まで観たのも含め、まだ観てないものも写真とともに網羅されてる。すごいなあ。

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『1000日のアン』

2008-08-31 16:11:23 | 映画
『1000日のアン』~Anne of the Thousand Days(1969)アメリカ
監督:チャールズ・ジャロット
出演:リチャード・バートン、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、イレーネ・パパス、アンソニー・クェイル、ジョン・コリコス ほか

近所のレンタル屋の1週間100円VHSシリーズ。ヘンリー八世と2番目の妻アン・ブリンのお話。
アン・ブリンは、その後エリザベス1世となる女児を産んだ女性。

story
英国王ヘンリー八世は、亡き兄の妻キャサリンを妻に持つが跡継ぎに恵まれず、男児は死産ばかり。
フランス帰りの若くて勝気なアンを見初め、猛アタックするも、婚約者がいて、妊娠して捨てられた姉の二の舞はゴメンだと断固拒否。
しかしその婚約者は遠くへ追いやられ、別の相手と結婚させられ、アンは宮殿に侍女として仕えさせられる。
毎日言い寄られ、権力と富の甘い味を知ったアンは「自分の産む息子が王位を継ぐと約束するなら」と想いを受け取る。
離婚を認めないローマ・カトリック教会から離脱し、イングランド国教会の原型が成立。
国王自らがイギリス国教会の長となり、アンと急な婚儀を交わすが国民には「売女」とののしられる。
そして念願の子を宿すも産まれたのは女児。つづく男児は死産。王の愛は一気に冷め、興味はほかの女性にうつる。
また離婚騒動となって拒否したアンはロンドン塔に幽閉された末に斬首刑となるが、
「エリザベスはどの国王よりも優れた女王になる。そしてわたしの血は報われる」といいのこす。

調べたらヘンリー八世には6人の妻がいたという。スポーツも文化的にも秀でた王だったみたいだけど、、、好色家?「英雄色を好む」とかゆうし。
それでも結局、エリザベスが女王になるんだから息子は授からなかったということか?数奇な運命。
それにしても昔は後継者争いや反逆罪などの理由でいとも簡単に大量の人が死刑にされたり、
女児は政略結婚や跡継ぎを産ませるための道具みたいなものだったんだな。
利用された挙句、魔女呼ばわりされて殺されてしまったら、無念の想いがいつまでも残ってるんじゃないかな

アカデミー賞衣装デザイン賞受賞作品とのこと。ウィキに載ってるアンの肖像画の衣装もそっくり再現されて登場する/驚
アンの容姿は「黒髪、色黒、小柄、やせ形」と当時美女とはされないものだったと書かれてあるけど、
彼女を演じたジュヌヴィエーヴ・ビジョルドはまさに適役。子どもの将来を案じて命がけで守る演技は迫力大。
対して、ヘンリー八世のリチャード・バートンも史劇のヴェテランで、結婚&離婚を繰り返したテイラーと共演した『クレオパトラ』を思い出させる。
この題材はわたしが大好きな俳優ジョン・ハートの出演作『わが命つきるとも』でも取り上げられてる。

ケイトが演じた『エリザベス:ゴールデン・エイジ』を観れば、その後幼き少女がどんな運命をたどったかが分かるな。
てか、劇場で観るべきじゃった。。

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