『無法松の一生』(1958)
原作:岩下俊作 監督:稲垣浩 音楽:團伊玖磨
出演:三船敏郎、芥川比呂志、高峰秀子、笠智衆、飯田蝶子、田中春男、大村千吉、多々良純 ほか
ひさびさ近所のレンタル屋の100円VHSシリーズ(今作は200円の指定だった
三船敏郎の圧倒的な存在感と、高峰秀子のベテラン演技が絶妙の文句なしの逸品。
ヴェネツィア国際映画祭グランプリ受賞。
▼story
明治三十年。人力車夫の富島松五郎は、九州・小倉では名の知れた暴れん坊で、
芝居小屋に入れなかったことで、仕返しに見物席でニンニク鍋?の煮炊きをしてもめたりなど数々の逸話がある。
ある日、いじめられて怪我をした少年・小太郎を家まで送ったことが縁で、陸軍大尉の吉岡家に出入りするようになる。
大尉は松五郎の豪快さ、実直さが気に入り、「もし奴が軍人ならそうとう出世したはずだ」と褒める。
が、その後まもなく大尉は風邪をこじらせてあっけなく他界。
残された妻・良子は女手ひとつで大事な一人息子を立派な男に育てる自信がないから力を貸してほしいと松五郎に頼む。
それから、折に触れ松五郎は小太郎の面倒をみて、学芸会を見に行ったり、運動会でかけっこに参加したり、
ケンカの時は加勢して、小太郎は元気に成長し、ついに鹿児島の学校に移り、実家に帰るのは夏と冬休みだけ。
「女親はつまらないものですね」と寂しげな良子は、ずっと後家を通すと再婚話も断っていた。
「そろそろ身を固めたほうがいい」と友人にせかされる松五郎は、良子への身分違いな想いに悩む。。
松五郎が小太郎をいつまでも「ぼんぼん」と呼ぶのが恥ずかしいというので、
良子は松五郎に「これからは吉岡さんと呼んでほしい」と頼み、松五郎は居心地悪そうに、
それでも必死に練習する姿がなんとも言えない。
少年時代の思い出話では、継母にしかられ、父が働く山奥まで見知らぬ山道を夜通し歩いて、
やっと辿り着いた安心感でこれまでで一番泣いたと話すエピソードもいいし、
夏休みの帰省時に先生を祭りに案内した小太郎のために、松五郎が祇園太鼓を打つシーンも胸が躍る。
人力車夫であることに誇りを持ちながらも、生まれの差で小学校にも行けず、
良子を全身全霊で想いつつも、対等に話すことすら恥ずかしいと思う気持ちが切なすぎる。
人生の節目、節目に挿入された回転する大きな歯車のシーンは、まるで松五郎の心臓のようだ。
DVDには戦時中泣く泣くカットされた、花火の晩に松五郎が告白するシーンが復活しているらしい。
とっても切ない話だけど、深く大きな感動が残った。
1963年には三國連太郎と淡島千景が、1965年には勝新太郎と有馬稲子が、それぞれリメイクされた映画で松五郎と良子を演じている。
何度も繰り返しリメイクされる人気のある題材に取り組むのは、多大なプレッシャーとともにやりがいも大きいことだろう。
初の舞台化はなんと、良子役に杉村春子、吉岡大尉役に森雅之で上演されたとか!
うん、森雅之にピッタリ!ぜひ観たかったなあ!!!
原作:岩下俊作 監督:稲垣浩 音楽:團伊玖磨
出演:三船敏郎、芥川比呂志、高峰秀子、笠智衆、飯田蝶子、田中春男、大村千吉、多々良純 ほか
ひさびさ近所のレンタル屋の100円VHSシリーズ(今作は200円の指定だった
三船敏郎の圧倒的な存在感と、高峰秀子のベテラン演技が絶妙の文句なしの逸品。
ヴェネツィア国際映画祭グランプリ受賞。
▼story
明治三十年。人力車夫の富島松五郎は、九州・小倉では名の知れた暴れん坊で、
芝居小屋に入れなかったことで、仕返しに見物席でニンニク鍋?の煮炊きをしてもめたりなど数々の逸話がある。
ある日、いじめられて怪我をした少年・小太郎を家まで送ったことが縁で、陸軍大尉の吉岡家に出入りするようになる。
大尉は松五郎の豪快さ、実直さが気に入り、「もし奴が軍人ならそうとう出世したはずだ」と褒める。
が、その後まもなく大尉は風邪をこじらせてあっけなく他界。
残された妻・良子は女手ひとつで大事な一人息子を立派な男に育てる自信がないから力を貸してほしいと松五郎に頼む。
それから、折に触れ松五郎は小太郎の面倒をみて、学芸会を見に行ったり、運動会でかけっこに参加したり、
ケンカの時は加勢して、小太郎は元気に成長し、ついに鹿児島の学校に移り、実家に帰るのは夏と冬休みだけ。
「女親はつまらないものですね」と寂しげな良子は、ずっと後家を通すと再婚話も断っていた。
「そろそろ身を固めたほうがいい」と友人にせかされる松五郎は、良子への身分違いな想いに悩む。。
松五郎が小太郎をいつまでも「ぼんぼん」と呼ぶのが恥ずかしいというので、
良子は松五郎に「これからは吉岡さんと呼んでほしい」と頼み、松五郎は居心地悪そうに、
それでも必死に練習する姿がなんとも言えない。
少年時代の思い出話では、継母にしかられ、父が働く山奥まで見知らぬ山道を夜通し歩いて、
やっと辿り着いた安心感でこれまでで一番泣いたと話すエピソードもいいし、
夏休みの帰省時に先生を祭りに案内した小太郎のために、松五郎が祇園太鼓を打つシーンも胸が躍る。
人力車夫であることに誇りを持ちながらも、生まれの差で小学校にも行けず、
良子を全身全霊で想いつつも、対等に話すことすら恥ずかしいと思う気持ちが切なすぎる。
人生の節目、節目に挿入された回転する大きな歯車のシーンは、まるで松五郎の心臓のようだ。
DVDには戦時中泣く泣くカットされた、花火の晩に松五郎が告白するシーンが復活しているらしい。
とっても切ない話だけど、深く大きな感動が残った。
1963年には三國連太郎と淡島千景が、1965年には勝新太郎と有馬稲子が、それぞれリメイクされた映画で松五郎と良子を演じている。
何度も繰り返しリメイクされる人気のある題材に取り組むのは、多大なプレッシャーとともにやりがいも大きいことだろう。
初の舞台化はなんと、良子役に杉村春子、吉岡大尉役に森雅之で上演されたとか!
うん、森雅之にピッタリ!ぜひ観たかったなあ!!!