メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

SWITCHインタビュー 田口トモロヲ×松尾スズキ

2015-10-11 12:11:37 | テレビ・動画配信
SWITCHインタビュー 田口トモロヲ×松尾スズキ
【出演】俳優・映画監督・ナレーター…田口トモロヲ,作家・演出家・俳優…松尾スズキ,女優…多部未華子,俳優…片桐はいり
【語り】吉田羊,六角精児

田口さんは、映画だけでも200本以上に出演(気づくといるって感じだもんね
部長とは25年来の付き合いで、最近はドラマ『植物男子ベランダー』で共演中。
でも、改めて面と向かって話をするのは今回が初めて。


【田口トモロヲ】
 

 
パンクシンガーって初耳/驚


 

イスに座ったものの、2人とも極度の恥ずかしがりやで話がつづかないw
トモロヲさん、いきなり脱腸の話してるし/驚

松「いつまでもポップで変わらないですよね」
ト「めっちゃ貫禄出ましたねw
松「すみません」
ト「違和感なく先輩って呼べます。いい意味でのビジュアルの変化、男としての」
松「最近、くる役、くる役60歳で」



『植物男子ベランダー』~2人のアドリブ合戦はカットがかからないから
 

 

広い花屋でいつまでも迷ってる部長とかw、話をそらそうとして柱を褒めるトモロヲさんとか/爆

松「いつもアドリブしてるわけじゃない。
  僕らにとって“いい俳優”って、言われたことを考えなしにやってくれる人だし、自分もそうありたい」


 
『セーラー服と機関銃』のマネ/爆×5000

 
モノローグは撮影現場で収録している


ここで、突然、自分がインタビューをする側だと気づいた部長(今ごろ!?爆


気を取り直して・・・


映画『ピース オブ ケイク』
 

松「芸風とできあがった作品がかけ離れてて驚いた。
  僕の中では『鉄男』のイメージから入ってるから(私も!あれはキョーレツだった
  描いた人も女性目線だったのが意外。僕は自分の中に女がいるんで



ト「自分の中の全女子力を出して、“男目線じゃない?”と言われたくなかったんです。
  いろんな映画を観て、“これは男から見た女性像”(あるある)なのも多くて、意図的ってのもあるけど。
  原作をリスペクトしたので」





キスシーン

ト「男のほうがナイーヴ」
松「女はすぐ素に戻れる」
ト「男は余韻に浸ったりしてねw」

松「ラヴシーンもけっこう多い。いろんなタイプのキスがある」
ト「キスがラヴシーンの中で過激な行為として描写できる」

松「日本人はキスって、海外に比べると結構ショックな映像」
ト「ある種のアクションシーン。実際に男4人でやってみて、映倫さんに見ていただいて」


R指定にならないよう入念な映倫チェックw

松「腰を動かしたらアウトとかね。カット割をいっぱい入れていろいろ小細工したり」
ト「胸を両方同時に揉んじゃダメとか。でも、男優さんもその時の気持ちで演りたいから、葛藤があった」



人見知りな2人~トモロヲさんの演出スタイルとは?

ト「人とやるのが意外と好き。この仕事って人と関わらざるを得ないから、自分にとってはリハビリのような。
  人見知りだけど、人を見知ってる場合じゃないぞと」

松「すごいよく分かります。僕も引きこもり気味だから」


プロフィール
 
中学でイジメにあい、名画座に入り浸っていた



大学でアングラ演劇と自主映画に出会い、大学中退。
(こういう経歴の人のほうが、人を喜ばせる仕事に就けてるよね。“まっとー”と呼ばれる人生より

 
エロ劇画で生計を立てていた

ト「20代前半は、アングラ演劇とパンクバンドに入れあげてた。
  それだけじゃ食っていけないから、漫画を描いて生業を立ててた。
  漫画は1枚いくらじゃないですか。当時はほんと自由でしたね。
  でも、周りが“ロリータ化”してきて、規制が増えて、もう描けなくなった」


42歳、『プロジェクトX』のナレーションをはじめる

松「トモロヲさんが『プロジェクトX』を始めた時、ある方向性に入ることを決めたなって思って、
  パンクの大先輩を僕らも後を追っていいのかなって。ナレーションは究極の一人仕事じゃないですか

ト「すごい孤独な世界で、すごい安心する。“いいシェルター見っけ”て思った」w
 「僕はなるべく自分を出さないようにしてるけど、松尾さんは我を出す時もある。松尾ワールド全開な」

松「我を出すってw 一生懸命やってるんですw」
ト「すいません、ちょっと言い方が刺さりました?」

『植物男子ベランダー』のナレーションは部長なんだ。



【松尾スズキ】
 

 


阿部ちゃんの後ろって、もしや・・・ニセ明さん!?
訂正:宍戸美和公さんでした/謝 でも、間違えている人が私だけじゃないみたいでちょっと助かった。いやいや・・・


 


まさかの「松尾スズキのうっとりラジオショー!」
 
ポスターあるんだ/驚×5000

松「トモロヲさんが最近うっとりしたことは何でしょう?」
ト「松尾さんと改めて恥ずかしながら、今さらながらに話をすることにうっとりしてます」
松「“今さら”という言葉には、うっとり感が似合いますね」


こないだの清水ミチコさんがゲストの時だ♪


♪腕を後ろからねじりあげて、妻を屈服させるつもりの運動~

美輪さんソックリな声で歌う♪赤いさん



台本はきっちり!
 

松「1時間番組の台本を書くのに3週間かけてます。
  フリートークや笑い声まで全部書いてあるんです。フェイクな感じがやってみたくて始めた。
  毎回収録に8時間かかります。歌が7、8曲で、全部オリジナル」

ト「ラジオって演劇と違って肉体性を封じられますよね?」


舞台
 
『宇宙は~』は身体障害者の性がテーマ

 

「キレイ ~神様と待ち合わせした女~」@Bunkamuraシアターコクーン 2005.7.29



プロフィール
これでやっと、部長と大人計画の経歴が具体的に分かった気がする。

赤塚漫画に影響を受けた子ども時代
 



松「小学生の時に脚を複雑骨折して、入院中にマンガがいっぱいあった。
 『もーれつア太郎』『天才バカボン』が始まって、
  小学生の頃から“赤塚不二夫を応援できる数少ない男だ”って、変なエリート意識を持ってた。
  赤塚さんを真似して描いていた。将来はギャグマンガ家になりたいと夢みていた」

 
上手い!

 


萩本欽一さんが好きだった

松「『欽ドン!』の頃じゃなくて、『コント55号』。
  萩本さんが延々、次郎さんをひたすらサディスティックにいじめて笑いをとる。
  面白いと思うことが最優先で、整合性とかは後回し」

 
さわやか笑顔



松「アングラ演劇は知らなかったけど、当時から自作の演劇はシュールでブラックだった。
  雑誌『新劇』のグラビアページを見て、“芝居ってこういう演技をするんだ”て学んだ。
  映画とかの演技とは違う。演技って自由にやっていいんだ」

 



松「大学卒業後に上京して、印刷会社に就職して、仕事も人間関係もうまくいかずに、1年で辞めた」

 
この右側の笑顔写真はヤバい・・・

教育冊子の挿絵などを描いて生計を立てていた。

 
やっぱプロだ/驚×5000

ト「就職していた時期があるって意外。芝居の内容からするとワイルドサイドを歩いてきた方だと思ってた」

松「東京に出てきて、運転免許証を川に捨てたんです。“オレはこれからアウトローになる”て気持ちで。
  今考えたら、なんて愚かなことをしたんだろう。身分証明がなくてすごく苦労しましたw
  自分のことを“本当にダメ人間だな”って思ってた」


26歳、雑誌に劇団『大人計画』のメンバ募集の広告を出す
 
『ぴあ』って!!

 
最初は5人で立ち上げた。キャストは、松尾すずき、大塚えり子、坂尾貞子とか、全然分からない・・・

手塚治虫さんと同姓同名の男が主人公。本人にも出演交渉をしたが断られた。


 

 
これで2人は共演。人間椅子!?

松「放送できるシーンは数秒たりともなかった。あれで、劇団員の半分辞めました。
  みんな“耐えられない”ってゆって。アングラの彼岸まで行ききった感

ト「グロテスクなことを“人生において普遍的なことでしょ”て平坦、平等に見せてくれるのがスゴイ」

松「やりたいことをやり尽くしたから、前は“伝わんなくてもいいや”て反骨精神だったけど、
  今は、分かんないことをやってもしょうがないと思う。
  舞台もやっぱり怖いは怖い。滑ったのがあからさまに分かるから。
  稽古場で一番ウケてることは、だいたい舞台ではウケない


映画『ジヌよさらば~かむろば村へ』(ネタバレ注意
 
劇場で一番爆笑したお金をおろすシーンは、今観ても可笑しすぎる/爆爆爆



説明不可能な動きのわけ

ト「役者の動きをけっこう指定するって聞いたんですけど、あの独特の動きはどこからきてるんですか?」

(阿部ちゃんもフシギがってたな
阿部サダヲ@スタジオパークからこんにちは

松「ちょっと宇宙人に近い。マンガや劇画のイメージがあるんだと思う。
  体が軸を失っているような感じの動きが好きで。

  小学3年生の時に“神様ノイローゼ”になって、
  世の中のすべての出来事、人間の動きは、神様が決めたプログラムに沿って動いてるんだって信じきってて、
  神様が想定しえない動きをやってやろうと、そんなことばかり考えてた」
(神さまは、傍観者だと思うけど。てか、全ての魂の融合体

松「『新劇』のグラビアも“俺と同じようなトリッキーなことをしていると思った。肉体のアナーキーな自由さ」


 

「鍛えられたものではない。普通の人と違う。
 例えば、2人で“空中に止まっている写真”撮っても、なにかしら反動が出ちゃうのに、浮いてるみたいに無表情だったり。
 たぶん、松尾さんの頭の中には“絵”があるんだと思う。劇画的な」

Q:松尾スズキをひと言で言うと・・・?

「ふるえる小鳥みたいな方w 繊細で、真綿のようなもので大事にしたくなるタイプ」


ジェラシー

ト「いろんなジャンルに越境している人だと思うんですけど、松尾さん自身がこの人スゴいなって、ジェラシーを感じる人はいます?」
松「それこそ、トモロヲさん」
ト「そんな答えを望んでなかったw」

松「今は嫉妬するとか、ない。昔はいろんなことに嫉妬しまくっていたけど。
  又吉くんが芥川賞とっても“ふーん”て。
  嫉妬するぐらいなら、自分のやりたいことをやってたほうがいいし。
  焦りもあるのかもしれない。その感情にとらわれている時間がない。
  僕らのやっていることは文章にして残しておけない。肉体性だけでやっているから



松「それで終わっていくのも潔くていいかなって。何もついていないジョーカー的な存在。
  そのほうがやりやすい。純粋な笑いが欲しい」


インタビュー終了




対談も番組収録も終わって、セットだけ残った画を見たら、
エンタメで喜怒哀楽を生み出しているのは、改めてヒトなんだなって感じた。
その時代に求められ、瞬間、瞬間で消え去ってゆくもの。
寂しいけど、その時ココロを震わせて、ヒトを支えているもの。

それには、やってる本人がそれを好きで、自由であること。
そんな仕事なら、苦しくても、ついついやりすぎちゃう時もある。
世の中の全員が自分の嗜好に合った仕事に就けたらいいのになあ!




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少年探偵シリーズ16『魔人ゴング』 (ポプラ社)

2015-10-11 12:10:00 | 
少年探偵シリーズ16『魔人ゴング』 (ポプラ社)
江戸川乱歩/作 伊勢田邦貴/画 1970年初版 1993年第29版 618円

※notes and movies(1998.4~)からの転記。
「作家別」カテゴリーに追加しました。


私が小学校の図書館で初めて借りて読んだ1冊。
表紙の絵が印象にキョーレツに残っている。
今読めばそーでもないけど、当時は文章が難解で、触るのさえ怖かった。

再読してみたら、ストーリーは、怪人二十面相が懲りもせず、また明智に挑戦。
新人助手・花崎マユミと、弟・俊一を誘拐。

街や池に巨大な悪魔の絵を映し出すトリックで世間を震撼させるが、
マユミさんに化けた小林くんと分かり、鉄ブイ(?)に閉じ込めて死ぬ思いをさせる。

俊一くんも人形と交換され(チンピラ隊のおかげ)、
再び再挑戦して、多摩で老人に変装して対決。

そこでも替え玉!
逆に閉じ込められ、水を入れられ、やっと救われ、人質をとり戻すが
それはマネキンと、今回の彼はことごとくヤラレっぱなし。

トリックも、煙をスクリーンに映写したのと、
ゴム風船をふくらませただけで、ちょっと浅すぎ。

最初から、犯人が怪人二十面相ってバレバレなのよね。
いつも明智の快活な謎解き対決ぶりが読者を爽快にするけど、
二十面相も可哀想になってくる

陸海空と、手を変え品を変えてくる、彼の奇想天外なアイデアも作品の大きな魅力なんだよね。
次のトリックを楽しみにしてるよ!

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少年探偵シリーズ30『大暗室』(ポプラ社)

2015-10-11 12:09:00 | 
少年探偵シリーズ30『大暗室』(ポプラ社)
江戸川乱歩/作 柳瀬茂、山内秀一/画 1970年初版 1993年第33刷 618円

※notes and movies(1998.7~)からの転記。
「作家別」カテゴリーに追加しました。


大人向けの小説を、武田武彦が書き直して、少年少女ものにしたと紹介にあるが、
いつになく残酷な怪人二十面相の様子や、冒頭の漂流シーンの割に、
事件の展開や、最後の締めがソフトなのはそのせいか。


あらすじ(ネタバレ注意
客船の転覆で九死に一生を得て、ボートで漂流する老博士と、助手・大曽根、船員・三国。
1週間も飲まず食わずを生き抜いたのに、多額の遺産が入ると聞き、陸が見えた途端、2人を撃つ大曽根。

後で分かるが大曽根=怪人二十面相。三国は、他の犯罪を調査中に偶然乗り合わせた明智、
血を見るのが大嫌いなはずの怪人二十面相が殺しをするのは不自然。

一人娘の京子をプールに突き落とそうともするし、監視役に雇った小島くんは、小林少年で、
明智は重傷で島に流れ着き、島の敗残兵に終戦だと説得するのに1年もかかったという。
時代を感じるね。。。

漂流仲間として情けをかけ、自首を勧めたのに、明智は閉じ込められ、放火される


その2ヶ月後、もう次の犯罪に手を出す怪人二十面相の素早さ!

両親を亡くし、百万両の小判(時代劇!?)を継いだマユミは、それを狙う後見人・辻堂老人を捕らえて化けた
怪人二十面相に殺されかけるが、それは少女に変装した小林少年。

思わぬ柔道の達人に投げられて断崖に引っかかった怪人二十面相は、また情けで助けられ、
小林少年もお人好し。しかも、少年が大悪党を護送するなんて
まんまと逃げられて泣いてしまう


一寸法師に誘拐されるマユミちゃんは、ネズミと振り子ナイフに襲われた末「大暗室」に落とされる。
半年後「友だちとして子役スター・ナナ子を誘拐する」と怪人二十面相が宣言。

彼は立派に子どもを育てられると断言(!)
ショーで蝋人形とすり替えられ、誘拐したのは、またもや小林少年。
よほど女の子に化けるのが上手いんだねえ。

明智も久々に戻り、記者を集めて現れたのは怪人二十面相。
皆に電流の流れる鉄の服を着せて、やっと完成した自分の大美術館「大暗室」を強制取材させる。

調子こいて外を見せたため、偶然起きた事故車のナンバーから場所を特定される。
アドバルーンに乗った小林少年が、池の中から現れた潜航艇が出入口と知り、鉄の服を着て侵入。

またもや怪人二十面相は、調子に乗りすぎたために盗品のすべてを返すハメになったという結末。
水槽に女の子を人魚として泳がせるのは『黒蜥蜴』でもあった。
乱歩の個人的趣味?!

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少年探偵シリーズ33『黒い魔女』 (ポプラ社)

2015-10-11 12:08:00 | 
少年探偵シリーズ33『黒い魔女』 (ポプラ社)
江戸川乱歩/作 1970年初版 1992年第34刷 618円

※notes and movies(1998.4~)からの転記。
「作家別」カテゴリーに追加しました。

 
挿し絵画家さんのメモがないのが残念

今回は、シリーズ中、最初で最後と思われる女盗賊を相手に知恵比べをするという
『黒蜥蜴』をもとに、今シリーズ向けに書き直したもの。

『黒蜥蜴』@新国立劇場 中劇場(ネタバレ注意)

怪人二十面相よりもっと緻密に、大胆に、そして、なにより明智をあなどらず、好敵手として認めてもいる女盗賊。

23、4歳という設定で、それにしては素晴らしいまでのトリックで世間を翻弄する。
その上、彼女のアジトで明らかにされるコレクションの妖しいまでに恐ろしく耽美な芸術品ともいえる世界。

人間の剥製とは
溺れる人間を見て楽しむ水族館なんて

なんて突飛で、宝石なんか目じゃないアイデア。
この歳でこんな趣味を持って、荒くれ男どもを従えて、
堂々と表舞台に顔を出して、盗みを働いていたなんて、一体どんな育ち方をしたのやら。

また、彼女はシリーズ中、最初で最後、ラストで死んでしまうキャラクターでもある。
度胸もある分、誇りも人一倍高かったのか。
単なる作者の女性蔑視からか、あっけない服毒自殺。

明智の死(見せかけ)に号泣したところをみると、
ライバル以上の感情も持っていたかもしれないのに。

原作には、正義の塊の探偵と、女盗賊の許されぬ恋みたいな展開はなかったのか、気になるところ。


あらすじ(ネタバレ注意

「Xmas、おめでとう!」(こう言うかな?)パーティで、
最初から素顔で明智と誘拐事件の賭けをする黒衣夫人(なぜか夫人)。

「私が負けたら宝石全部をあげる、あなたが負けたら探偵をやめて」

大阪から東京のホテルに来た、富豪の父と娘。
賊の狙いは、その娘と「エジプトの星」という巨大な宝石

人形の首とすり替えて、まんまと騙される明智。
いったん娘をとり戻したが、自宅に半監禁状態のところへ、
家具を運び入れた中に手下が混ざっていて、
酔っ払いのフリをして吐いたりしたイスの中に娘を入れて運び出させる。

「人間椅子は可能だったのか!!」と一同は驚嘆する。
「宝石をくれたら娘を返す」と、塔で取引。

そこで売店のオヤジと夫婦に化けて逃げる黒蜥蜴。
顔中グルグル包帯を巻いた男なんて、これ以上怪しい格好はないと思うけどな


船でアジトへ向かう途中、人間椅子の中にいた明智を水に投げて殺し、
娘とともに号泣する黒蜥蜴。

だが、アジトに戻って安心したのも束の間、しっかり尾行し、一番の手下に化けた明智に
あっけなく鼻を明かされ、今まで引っ張りまわしていた娘が、
世界に二人といないソックリな少女(こんなすぐ見つかるか?)だったと知り、
本物がもう親元へ帰っていた新聞まで見せられ(粋だね)、
すぐに部屋に閉じこもって自殺する黒蜥蜴。


怪人二十面相なんて、子ども探偵団にバカにされ続けても、まだしつこく化かしに来るのに、
彼女も1回で諦めず、再挑戦すればいいのに。

これだけ何ラウンドもかけあいが続いて、
今回ばかりは一度、明智をギャフンと言わせることが出来て、いい線いってたのに。

・・・と、女性が主人公だと、つい同情してしまう。
大人向け小説を元にしているだけあって読みごたえのある1冊。

オリエンタル美人なカバー絵と、いまどきないザーマスメガネ+高~く盛った髪の挿絵が雰囲気出しててイイ。

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