メランコリア

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星野道夫『アラスカ 極北・生命の地図』(朝日新聞社)

2015-11-12 16:27:54 | 
『アラスカ 極北・生命の地図』(朝日新聞社)
星野道夫/著

「作家別」カテゴリーに追加しました。

これまでに借りた中で最大サイズの写真集かも。

すでに何度も観た写真も、この大きさだと圧巻。一体、星野さんは、どれだけのカメラを持ち歩いていたんだろう?
そして、編集される前はどれだけのサイズだったのだろう? トリミングやら、いろいろ加工もされているだろうし。
個展などで発表することも考えれば、相当大きく撮ったものもあるだろう。

そして、一体、生涯でどれほどの写真を撮ったのだろう?
カメラの世界は知りたくても、いろんな意味で足を踏み入る勇気がない。

以前読んだ批評の中で、“星野さんは単にチャチャっと現地に行って、
仕事してすぐ帰ってくるような写真家じゃないことが写真から分かる”と言われていた。
本書を観ても、その意味が伝わってくる。

じっくりと長期間準備して、現地で腰を据えて待っても、千載一遇のチャンスに会える時と会えない時がある。
それでも腐らず、「これも次の撮影の糧となる」と前向きに捉えていた星野さん。

その貴重な一瞬ばかりがこの中にたくさん詰まっている。

後半には、クジラを狩った時の話など、これもすでに読んだ文章だけれども、
時間を置いて読むと、また新たにひっかかる部分もあるし、
やっぱり感動して同じ場所でひっかかる言葉も多い。

今夜も、シロクマは氷の上で白い息を吐いているだろうか?


【内容抜粋メモ】

[アラスカ 極北・生命の地図~星野道夫]

エスキモーのクジラ漁(1983)
(以前書いたので割愛


カリブーの旅(1985)(これまでの重複もあり

僕はベースキャンプをつくり、この広大なアラスカ北極圏の中で点になって待つしかない。


自分のアラスカを1枚の写真で見せろといわれたなら、ぼくは今でもこのときのブリザードの中のカリブーを選ぶだろう。


僕はカリブーに惹かれ、それはいつのまにかアラスカの中で一番大きなテーマとなっていた。


1968年に起こったアラスカを縦断するパイプラインの建設をめぐる大論争
それは人類の直面している環境問題の1つのシンボルでもあった。

現代文明を維持するエネルギーと、地球上に残された手つかずの自然との選択において、アメリカは前者を選んだ。
その波は北極圏全域に大きく広がろうとしている。p.79


カリブーの主要食物である地衣類は、公害基準のバロメーターになるほど大気汚染に弱い。
一度破壊されると、たった数cmのもとの大きさに生長するまでに50~100年かかると言われている。
油田開発は、カリブーが厳しい冬を乗り越えてゆく鍵である地衣類にどれだけの影響を与えてゆくのだろうか。


カチカチカチ・・・カリブーの蹄の音が和音となり、交響曲に聞こえた。
一生に一度、出合えるかどうかのシーンなのだ。
変わりゆくアラスカで、いつか伝説になる風景かもしれない。
僕はカメラを放り出し、ツンドラに腰をおろした。
しっかり記憶の中に残しておこうと思った。
やがて、僕は数万等のカリブーの群れに囲まれていった。


クリフォードとの再会(1988)
新聞で扱っていたエスキモーのアル中や自殺に関する記事が頭を横切る。
何かが変わろうとしている。


エピローグ(1989)
やっと半分出来上がった家の前で、僕は1人で腰をおろしていた。
数年のつもりだったアラスカの旅はいつのまにか10年が過ぎ、僕はこの土地に家を建てようとしている。


何かを求めて、この北の果てにやってきたさまざまな人々。
より便利な、より快適な生活を離れ、原野に生きていく者。

この自然を開発してゆこうとする人たち、守ってゆこうとする人たち。
さまざまな問題を抱えながら、急速に近代化してゆくエスキモー、インディアン・・・。


絡み合う生命の綾に生かされている極北の人々。
しかし考えてみれば僕たちだって同じなのだ。
ただそれがとても見えにくい社会なのかもしれない。



1989年1月から1年間、週刊朝日で「Alaska 風のような物語」を連載しました。
この企画を頂いた時の嬉しさを今でも覚えています。

きっと、アラスカなどに興味のない読者はたくさんいるだろう。
その中で、自分とは関わりのない見知らぬ遠い国の話ではなく、
環境は違うけれど、アラスカにも僕たちと何も変わらない人の暮らしがあることを伝えたいと思いました。

この写真集は、構成の都合上、文章は一部を抜粋するだけとなりましたが、その時の連載を中心にまとめたものです。

1990年2月10日



[図版解説]
星野さん本人による写真の解説。
これまでの著書に何度も出てきたエピソードだけど、またこうして写真と文章で振り返ると、味わい深い。

ホッキョクグマ
厳冬期のアラスカはマイナス50度の世界。そこに人も動物たちも生きている。
凍えまいと、熱く生きている。

ホッキョクグマは、1年の大半を、食料の90%近くを占めるアザラシを探して生きている。


クマ


本来、単独行動するクマが産卵に上がってくるサケを求めて集まってくる。
サケの漁場をめぐってのケンカは、多くの場合、それぞれの力関係を前もって認識することによって避けられる。
それを学ぶことは、人とクマが出合った時の行動にヒントを与えるかもしれない。

【ブログ内関連記事】
topics~クマに遭遇したら「死んだフリ」は効果なし」 ほか


ハクトウワシ


かつて北アメリカの全域に生息していたが、今はアラスカを除く地域では激減した。
DDTなど大量の農薬使用による結果らしい。
汚染された魚類を食べるハクトウワシの体内にDDTが蓄積して、繁殖能力を弱めたからだ。
アラスカでも、ハクトウワシの生息地と、森林伐採の問題が起きている。


カリブー
冬の生息地はバラバラでも、出産地を同じくするカリブーは、夏の一時期すべてが集合する。
1つの理由として蚊の大発生が考えられる。


ラッコの毛皮
1741年、ロシア大帝の命をうけたベーリングがアラスカ探検に成功した時から、
白人による資源掠奪と、原住民収奪の歴史がはじまった。

ロシアは、アラスカにロシア・アメリカ会社を設け、カナダのハドソン湾会社も乗り出してきた。
その中心は、ラッコの毛皮の取引だった。
一時、絶滅状態となったが、徹底した保護政策により、今は生息数を取り戻してきた。

しかし、1989年。ここで悲劇的な海洋汚染の事故が起きる。
北アメリカ最大の原油流出タンカー事故が起き、原油は急速に広がり、
海鳥はもちろん、約3000頭のラッコが死んだ。



クジラ
「バブル・ネット・フィーディング」の直前、リーダーのクジラは歌をうたう。
80年代に初めて確認されたこの歌は、冬の繁殖期のメロディとは異なる。

あちこちからクジラの呼吸音が聞こえてくる。
シューッ、シューッ、・・・。
僕はいつしかザトウクジラの群れの中にいた。別の天体にいるような不思議な時間だった。



アカリス

チュルル! アカリスの警戒音が聞こえてくる。僕の好きな極北の小動物。


イヌワシ
餌の90%はジリス。
キツネ、オオカミ、グリズリーもジリスが好物だ。



シロフクロウ


シロフクロウの巣を見つけた。突然、背中に強い衝撃があった。
シロフクロウが巣を守ろうとしていた。僕は慌ててその場を去った。
背中を触ると、手が血で染まった(驚



地衣類
地衣類は、放射性物質を吸収する強い力をもっている。
1950年代、南半球の核実験は、大気の流れで、放射性物質を北極のツンドラに降らせた。
それを食べるカリブーに蓄積され→それを狩るエスキモーの体内に入った。

少なくとも2万7000年の間、極北のこのカリブーの狩猟に関わってきた。



ナキウサギ

キューン! 山のガレ場にナキウサギの声を聞く。



エスキモー
母親は白人、父親はエスキモーの兄弟。少しずつ混血が増えている。
子どもたちが話す言葉は英語。エスキモー語は急速に消えつつある。



オオカミ
何度もオオカミに出合った。夜には遠吠えを聞いた。
それは子どもの頃、物語を読んで想像したとおりだった。
ただ1つ違うのは、オオカミは人など襲わないということだった。


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topics~鷹の爪カウントダウン@TOKYO MX1 ほか

2015-11-12 16:04:45 | 日記
最近の気になるトピックス。

岡田准一×山崎貴監督ふたたび 映画『海賊とよばれた男』
“映画「永遠の0」に続いての百田尚樹氏の原作、山崎貴監督。来年8月下旬に完成予定。同冬の公開を目指す。”

 




ケイト・ブランシェット新作映画『ミケランジェロ・プロジェクト』大ヒット上映中!
 

 

有名、無名に関わらず、美しい創造物をなんのためらいもなく燃やすって、、、
戦争の狂気が浮かぶ。ケイトも出てるし観てみたい。

 

 


鷹の爪カウントダウン@TOKYO MX1
地デジにしてから急に見られるようになった謎の「TOKYO MX」。
「MX1」で、「鷹の爪」と「古墳ギャルのコフィー」が2本立てて再放送しているのを今ごろ発見!!(もう#6

ちなみに「MX2」てのもあって、2つとも、韓流ドラマの再放送やら、テレビショッピング、
子ども向け戦隊もの、懐かしのアニメなどなど、コンセプトがメチャメチャ、
いや、盛りだくさんすぎてよく分からない構成。

ここで、以前ハマった海外ドラマ『ヘイヴン』(「ドラマのマイベスト」参照)も再放送されているため、
なだれのごとくアクセスされていた『大地の子』の中に、たまに検索でたどり着いた人が混ざったりしている/嬉

番組表で「MX」の隣りは、「放送大学」
とても緊張した面持ちの教授さんが、専門分野の講義をしていて、
大学だから、もちろんCMもないし、セットもいたってシンプル、
動画もなく、たまに静止画像が出るくらいw

心理学や、宇宙、科学などが家で勉強できるって未来的!
地デジ・・・まだまだ掘り下げていない部分がありそうな予感。


「古墳ギャルのコフィー」


学祭で急にバンドの大会に出場することを思いついたコフィーちゃん。

「もちろん、ギター&ヴォーカルは私、ドラムは後ろだからダニエル、ベースは桶狭間先生(!)よ」爆
「ええ!? 僕はドラムをやったことないし、大会は明日だよ!」

 

そこに、ギターの神様から「ギターの神様」と呼ばれているジミヘンが現れる/爆
「オレのギターをあげるよ」と言われると「ネットオークションに出したら高く売れそうね」とブラックな笑みを浮かべるコフィー。
実際、つい売ってしまい、3億円で派手な衣装を揃える。



そして、大会当日の大トリに現れ、無名バンドに冷たかった観衆は、その演奏に感動する。
なぜなら、中の人を入れ替えたからww
優勝賞品に国宝級の琵琶をもらうが、ロック魂で壊してしまう/爆


「すいませーん。まだメンバのうちの2人が生きてて、揃わないんです」て


「鷹の爪カウントダウン」
 

「オレオレ詐欺」で家賃を稼ごうと言い出す吉田くん。
電話をかけた先は、なぜか書店でバイトしているフィリップ。
吉田くんとバレバレだが、10万円振り込むことにする。←しかも「母さん」て呼ばれてるし/爆



気をよくした吉田くんは、麻薬取引に巻き込まれる(砂糖だと思い込んでいる
その上、水を与えると増殖する謎の生命体まで持ってくる。
おまけに、シュワちゃんソックリな未来ロボットに命を狙われる。
埠頭の倉庫で取引相手におろし金ですりおろされそうになるが、なんとか助かる。

 
「なんで殺人ロボットは、溶鉱炉に沈められてるの~!?」爆×5000




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パニック障害者の差し歯治療(2015.11.12)

2015-11-12 16:03:00 | 日記
家を出る時間が若干ズレたせいで、1本電車に乗り遅れて、そのままならまだ余裕があったのに、
今度は一瞬の居眠りで最寄駅を1コ乗り過ごしてしまい、駅から歯医者まで久々走った(ものすごいトロいけど

で、5分遅れたけど、診療にはギリ間に合った(ふぅ~/滝汗

今日は、やっと強力な接着剤でくっつける日。
この3日間弱、いろいろ食べてみて、噛み合わせも大丈夫そうだったから、そのままつけてもらうことにした(ソラなし

表面のザラつきが気になったけど、

「それは保険内の中から選んだやつで、以前のものと素材が違うから仕方ない。
 表面にコーティングされているので、削ったら剥がれてしまうから逆効果」とのこと。

仮どめの接着剤がきっちりくっついてて、前の2本ともハンマーみたいので(気持ち的に)
まるで工事かってくらいガッツンガッツン数十回叩いてやっと外した

「一般の瞬間接着剤と同じくらいの強力なやつなんですか?」

「一般のは、パキっと割れたモノ同士をつけるけど、歯の場合は、歯根と金属をつけるから、
 それ専用の接着剤で、厚みをもってつけます。
 よく腕のいい職人さんが、茶筒でもフタをしたらピッタリと吸い付くように作れる
 歯科技士さんもいるけれども、数は少ないので」

さらに強力な接着剤でとめて、今日のところは終わり。
歯石取りなどでは水を使うから、今日は接着剤を確実に定着させるため。


次回から、歯石取り、ステイン取りをしてもらう。
1ヶ月ぐらいかかるかと思ったら、1、2回で済むという/驚
1回であらかた取って、1週間ほど様子を見て、歯茎の腫れやらがなければOK。

その後は、3ヶ月~1年ごとに歯医者に来て、メンテしてもらうのがベスト。
理由は「その頃になると、正しい磨き方とか忘れてしまう人が多いから」(たしかに


随分前、歯石取りで大量に血が出た上、ガマン出来ないくらい痛かった記憶があって、
「もう2度とやるもんかっ!」て思ったんだけど、

「局部麻酔(注射)もありますけど、それをやるほどの人はあまりいません。医療も日々進歩してるので」

その言葉を信じて、痛くありませんよーに。よーに/祈×5000


差し歯でも、歯根は残っているから、今回も左側が虫歯になっていたわけだけど、
ちゃんと歯と歯茎の間を意識して磨かないと、雑菌が入り込んで、歯根が虫歯になり、
差し歯が取れるような事態になるから要注意


もう、「そろそろ取れる頃かなあ~」と不安にならずに済んだだけでも有り難い/感謝×∞

保険で入れた差し歯は、2年間は作り直すことが出来ませんって紙をもらった(もしやるなら保険外扱い
調整などは可能。なので、毎日のハミガキをちゃんとして、自分で管理することが大事。



追。
あまり慌てていたせいか、行きと帰りに急行に乗ってて、3駅分だけだけど、ちゃんと乗れたのがビックリ。
また、もう少し距離を延ばすとか、認知行動療法を始めてみようかな。


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