※「作家別」カテゴリー内「ピーター・シス 」に追加します
2007年初版 2008年第2刷
ゴブリン書房って初めて聞いたけどすごい名前だな
武蔵野市にあるらしい
シド・フライシュマン
1920年 ブルックリン生まれ
少年時代、奇術師を志し(!)マジックショーの一座と各地を巡ったこともあるという
地方紙の記者などを経て作家になる
ユーモアたっぷりの作品を数多く発表
カリフォルニア在住とあるけれども
もういないかなあ
シスの不気味なほど凝った線は抑えられ
主人公のかかしがとても生き生きと描かれていて
ジョンじいさんのとのやり取りで
笑ったり、もの寂しくなったり
心がキュンとして、最後は温まる物語
たとえ案山子でも、自分で作ると
その人の内面が現れるんだな
黄色い目をした顔ってなかなか斬新
太陽のようってなんだか素敵
自分の一番大切な洋服や軍手などを与えて
まるで子供のように世話をして
話しかけていたけれども
少年が来てから、少しずつ頑なな心が開かれていく
少年はまるでかかしが命を持ったようだ
おじいさんが「こんな話し相手がいればいいな」
と想像したから、それが形になって現れたのでは?
【内容抜粋メモ】
ひとりぼっちの年老いた農夫が
古い布切れに藁を詰めてかかしを作りましたが
そのかかしには頭がありませんでした
うるさい鳥からとうもろこし畑を守りたいだけなんだから
そんなものいらないさ
春の始め
ジョンじいさんはポーチに腰掛け
ハーモニカを吹きながら
なんとまあ 恐ろしい眺めだろう
と大声で独り言を言いました
ポーチからの眺めがものすごい何もない!!
この地平線一帯が一人の土地って
どういう気分だろう!?
家族はとうになく
長年共に暮らした犬のサリーブルーも
今は牧場の下に眠っています
次の朝
古い枕カバーに藁を詰め込み
ペンキで黄色い目を書いて
かかしの首につなぐと
黄色い目をしたお日様が竹馬に乗ってるみたいだ
その例えが可笑しい
とうもろこし畑にいるのに
まるで水の中にいるみたいに描かれている
はたけ仕事をするときも
お前さんはよく眠れたかい? と大声で話しかける
夜はハーモニカを聞かせて
また明日な かかしさん!
ある夜、強風に気づいて慌ててベッドから飛び起きる
かかしが危ない!
ジョンじいさんは軍手と靴を履かせてあげる
体のワラがもぎ取られながらも
笑ったままのかかしが可笑しい
わしのよそゆきだが
もう滅多に町に行くこともない
あんたが存分に使ってくれ
真夏の暑い日には
自分がかぶっていた麦わら帽子をかぶせてあげる
わしの一番上等な帽子だよ
嵐の晩は自分のレインコートを着せてあげる
チェッカーでもどうだい
かかしさん あんたの番だ
よく将棋盤のようなものを挟んで
男の人が座っている姿を映画や映像で観るけれども
どんなゲームかと思ったら
白黒12個の駒を用いて
相手の駒を全部取るか
相手の駒を動けなくしたほうが勝ちって
シンプルで面白そうだな
そこに16、17ぐらいの少年が裸足でやってくる
ここで人手が必要だって町で聞いたんですが
いや一人でなんとかやっとるよ
さぞかし遠かったろう
何しろここへはカラスだって弁当持参でやってくる(爆
少年に食べ物をすすめると
帰る前に薪を割わっていく
なかなか良さそうなやつじゃないか
もう少しここにいる気があるなら
雑草を刈るのを手伝ってくれんかね
喜んで 僕、サムと言います
日中の暑い中で働く少年に
かかしから軍手や麦わら帽子
靴を脱がせて貸してあげる
少年の家族も小さい頃に全員亡くなり
かかしと同じ黄色い目をした犬を飼っていたことがあると話す
あいつのことは決して忘れません
それが友達ってもんさ
明日には出て行くと言うけれども
そろそろ収穫の時期だから
ここにいる気があるなら…
もちろんですとも
少年もハーモニカを出して陽気な曲を吹き始める
ジョンじいさんも思わずハモニカを取り出して
この曲を知ってるかい
2人で暗くなるまで次々と演奏する
ジョンはサムに向かってこう言いました
チェッカーゲームでもどうだい?
2007年初版 2008年第2刷
ゴブリン書房って初めて聞いたけどすごい名前だな
武蔵野市にあるらしい
シド・フライシュマン
1920年 ブルックリン生まれ
少年時代、奇術師を志し(!)マジックショーの一座と各地を巡ったこともあるという
地方紙の記者などを経て作家になる
ユーモアたっぷりの作品を数多く発表
カリフォルニア在住とあるけれども
もういないかなあ
シスの不気味なほど凝った線は抑えられ
主人公のかかしがとても生き生きと描かれていて
ジョンじいさんのとのやり取りで
笑ったり、もの寂しくなったり
心がキュンとして、最後は温まる物語
たとえ案山子でも、自分で作ると
その人の内面が現れるんだな
黄色い目をした顔ってなかなか斬新
太陽のようってなんだか素敵
自分の一番大切な洋服や軍手などを与えて
まるで子供のように世話をして
話しかけていたけれども
少年が来てから、少しずつ頑なな心が開かれていく
少年はまるでかかしが命を持ったようだ
おじいさんが「こんな話し相手がいればいいな」
と想像したから、それが形になって現れたのでは?
【内容抜粋メモ】
ひとりぼっちの年老いた農夫が
古い布切れに藁を詰めてかかしを作りましたが
そのかかしには頭がありませんでした
うるさい鳥からとうもろこし畑を守りたいだけなんだから
そんなものいらないさ
春の始め
ジョンじいさんはポーチに腰掛け
ハーモニカを吹きながら
なんとまあ 恐ろしい眺めだろう
と大声で独り言を言いました
ポーチからの眺めがものすごい何もない!!
この地平線一帯が一人の土地って
どういう気分だろう!?
家族はとうになく
長年共に暮らした犬のサリーブルーも
今は牧場の下に眠っています
次の朝
古い枕カバーに藁を詰め込み
ペンキで黄色い目を書いて
かかしの首につなぐと
黄色い目をしたお日様が竹馬に乗ってるみたいだ
その例えが可笑しい
とうもろこし畑にいるのに
まるで水の中にいるみたいに描かれている
はたけ仕事をするときも
お前さんはよく眠れたかい? と大声で話しかける
夜はハーモニカを聞かせて
また明日な かかしさん!
ある夜、強風に気づいて慌ててベッドから飛び起きる
かかしが危ない!
ジョンじいさんは軍手と靴を履かせてあげる
体のワラがもぎ取られながらも
笑ったままのかかしが可笑しい
わしのよそゆきだが
もう滅多に町に行くこともない
あんたが存分に使ってくれ
真夏の暑い日には
自分がかぶっていた麦わら帽子をかぶせてあげる
わしの一番上等な帽子だよ
嵐の晩は自分のレインコートを着せてあげる
チェッカーでもどうだい
かかしさん あんたの番だ
よく将棋盤のようなものを挟んで
男の人が座っている姿を映画や映像で観るけれども
どんなゲームかと思ったら
白黒12個の駒を用いて
相手の駒を全部取るか
相手の駒を動けなくしたほうが勝ちって
シンプルで面白そうだな
そこに16、17ぐらいの少年が裸足でやってくる
ここで人手が必要だって町で聞いたんですが
いや一人でなんとかやっとるよ
さぞかし遠かったろう
何しろここへはカラスだって弁当持参でやってくる(爆
少年に食べ物をすすめると
帰る前に薪を割わっていく
なかなか良さそうなやつじゃないか
もう少しここにいる気があるなら
雑草を刈るのを手伝ってくれんかね
喜んで 僕、サムと言います
日中の暑い中で働く少年に
かかしから軍手や麦わら帽子
靴を脱がせて貸してあげる
少年の家族も小さい頃に全員亡くなり
かかしと同じ黄色い目をした犬を飼っていたことがあると話す
あいつのことは決して忘れません
それが友達ってもんさ
明日には出て行くと言うけれども
そろそろ収穫の時期だから
ここにいる気があるなら…
もちろんですとも
少年もハーモニカを出して陽気な曲を吹き始める
ジョンじいさんも思わずハモニカを取り出して
この曲を知ってるかい
2人で暗くなるまで次々と演奏する
ジョンはサムに向かってこう言いました
チェッカーゲームでもどうだい?