2010年初版 宮下嶺夫/訳
このシリーズはどれも引き込まれるストーリーで一気読みした
少年の頭の中でリフレインされる謎の言葉とかはスティーブン・キングのような不気味さ
犯人は一番らしくない人物ということですぐ分かった
【内容抜粋メモ】
登場人物
バート・ケードル 12歳
アーニー 弟 9歳
ジーン 亡き母のいとこ
チャーリー 伯父 妻ルー
ブラズ ブルー・レイヴンの主人
マッジ ブルー・レイヴンのウェイトレス
オールド・レナ 1人で暮らす黒人女性
クレイニング 食料品店の店主
バートとアーニー兄弟の父は他の女性といっしょに家を出て
母は病気で亡くなり、母のいとこジーンの家に厄介になっていたが
妊娠を機にチャーリー伯父に預けられた
バートはリーバ伯母がアーニーだけなら引き取ると言うのを聞いて
兄弟離れ離れになるのだけは避けたいと願い
亡き母から「アーニーの面倒をみてやってね」と言われた約束を守ると誓う
はるばるバスで着いたが、ジーンからの電報が届かず伯父は迎えに来ていなかった
酒場ブルー・レイヴン(ワタリガラス)にいるだろうと言われて行ってみるがそこにもいない
ウルフ谷にある一軒家だと教えられ、途中のクレイジー・ウーマン池と
オールド・レナには近づかないことと忠告される
池で溺れた男がいて、子どもを亡くした女も沈んでいると噂されている
丘の上には精神病院が建っている
伯父は2人を見て引き取るのは断るつもりだったと話す
妻ルーを亡くしてからアルコール依存症で家の中は荒れ放題
2階のルーの部屋だけはキレイなままで、2人がそこで寝ていると激怒する
夜になるとなにかの視線を感じ、女の泣く声みたいな音がする
なにも食べるものがなく、買い出しを頼まれて歩いていると
ブルー・レイヴンのウェイトレスのマッジと誰かが口論しているのを聞く
カーキ色のシャツがチラっと見える
食料品店のクレイニングさんはアーニーが気に入る
兄弟は家の中を片付け、料理が得意なバートが食事を作る
兄弟は学校に通うようになるが、いつ伯父から追い出されるか分からないため友だちを作ろうとしない
クレイジー・ウーマン池でウサギが穴に落ちる
オールド・レナが仕掛けた罠で、ウサギをその場で殺して首を落とすのを見る
レナの小屋に伯父のシャツを見つける
2人はマッジが鈍器で殴られて死んでいるのを見つける
クレイニングさんに言って、保安官を呼び、兄弟は事情聴取を受ける
ブルー・レイヴンでポーカーをしていたブラズ、マック、質屋のジョージ、チャーリー伯父はアリバイがある
妻を亡くしてからずっと友だちだったマッジを失って
伯父はショックで余計に酒に逃げるようになる
*
ハロウィーンの夜
伯父は兄弟を町に連れて行く約束を忘れて飲みに出かけてしまい
アーニーは狼男の扮装をして「トリック・オア・トリート」と自宅に来る
後日、その仮面はゴミ置き場から消えてしまった
マッジ殺しの犯人として浮浪者のピートが逮捕される
現場近くで寝ていて、マッジの死体からお金を盗んだ
チャーリー伯父はポーターへ行くから、兄弟はジーンのもとへ帰るように言う
バートは兄弟が引き裂かれてしまうかもしれないからと懇願するが酔っていて話にならない
仕方なくバスに乗る準備をするが、アーニーは
伯父は素面になったら帰ってくるだろうからバスに乗りたくないと愚図る
伯父からもらった70ドルでなんとかしようとするバート
マッジの事件から「ピラニアが噛んだ」という言葉が頭から離れない
*
冬になり、2人が薄着なのを先生に心配され
仕方なく冬着とブーツを買うとあと10ドルしか残らない
クレイニングさんの配達を手伝って、週に5ドルもらえることになり、食費を節約する
アーニーの担任フィールドラップ先生が自宅に来る
アーニーの成績がどんどん落ちているのを心配している
バートは子ども2人だけで暮らしているのを必死に隠す(そんな映画があったな・・・
ブラズの妻のもとに配達に行くと、マッジを殺したのはピートじゃないと話す
マッジは町の複数の男たちと付き合っていたし、殴られた跡があるのは憎んでいた人に違いない
アーニーはクリスマスには伯父が帰ると信じて、ツリーやプレゼントを用意して浮かれている
バートはクリスマスだけは楽しく過ごして、翌日、フィールドラップ先生に打ち明けようと思う
電気料金の最後通告が来て、伯父の剣を質に入れて、なんとか支払う
クレイニングさんにマッジとカーキ色のシャツの男が口論していたと話す
クレイニング:ピートが自白したから心配はいらない
*
クリスマス・イヴ
アーニーが茂みにある赤い実の話をした時
頭の中で繰り返されていた言葉は母が教えてくれた「ピラカンサ」という木の名前とつながる
マッジが殺された時、クレイニングは保安官に死体がピラカンサのそばにあると言った
知るわけないのになぜ?
クレイニングさんもカーキ色のシャツを着ていて、バートは急に疑いはじめ
クレイニングも異変に気付く
その夜、クレイニングが酔っ払って家に来る
クレイニング:
伯父が長いこと家に帰ってないことをアーニーから聞いた
マッジとは以前、夫婦だったが家を出た
やっと見つけて、私も引っ越してきた
いっしょにシカゴに戻ってくれと何度も頼んだが聞かなかった
あの晩、男たちとじゃれついているのを見て嫉妬で理性を失っていた
あんなことになって後悔してるんだ
バートはアーニーだけは逃がそうとして、体当たりする
闇の中に巨大な怪物が現れて、クレイニングを殴り倒す
アーニーが「王さま」と呼ぶ空想の友だちは
伯父のシャツを着て、ハロウィーンの時の狼男の仮面をつけ
自分は地球から何億光年も離れたミルサの王で、亡命中だと話す
兄弟のことをずっと見ていた視線は彼だった
王さま:
警察を呼ぶまで私がこの男を見張っていてやろう
私のことは言わないでくれ でないとまた丘の上の建物に戻されてしまう
オールド・レナが王さまを小屋にかくまっていたと分かる
王さまの代わりにレナが見張る
兄弟はフィールドラップ先生に事情を話し、保安官はクレイニングを逮捕する
保安官:ピートは他の州でもやりもしない犯罪の自白をしていたためシロになりそうだ
アーニーは王さまとオールド・レナを晩餐に招待し
2人が帰った後も伯父が帰るのを待つ
アーニーと王さまの予感は当たり、伯父が帰ってくる
ポーターでアルコール依存症の施設にいて、今後も通うことにした
チャーリー伯父:2人をずっと預かるかどうかは考えさせてほしい
バートはアーニーの勇気を見て、これから何が起きても大丈夫だと思い
自分もいろんな影におびえていたが、実際襲われた時、戦うことができたのだから大丈夫だと思う
(これってパニ障のOK体験に似てるな
不安がなくなったから大丈夫じゃなくて、不安が来ても大丈夫と思えるようになること
■訳者あとがき
「ピラニアが噛んだ」の原文は「Wild Pirate Canner」(無法な海賊缶詰業者)
デーナ・ブルッキンズ
1931年 ミズーリ州生まれ
本書の初版は評論社『児童図書館SOSシリーズ』
このシリーズはどれも引き込まれるストーリーで一気読みした
少年の頭の中でリフレインされる謎の言葉とかはスティーブン・キングのような不気味さ
犯人は一番らしくない人物ということですぐ分かった
【内容抜粋メモ】
登場人物
バート・ケードル 12歳
アーニー 弟 9歳
ジーン 亡き母のいとこ
チャーリー 伯父 妻ルー
ブラズ ブルー・レイヴンの主人
マッジ ブルー・レイヴンのウェイトレス
オールド・レナ 1人で暮らす黒人女性
クレイニング 食料品店の店主
バートとアーニー兄弟の父は他の女性といっしょに家を出て
母は病気で亡くなり、母のいとこジーンの家に厄介になっていたが
妊娠を機にチャーリー伯父に預けられた
バートはリーバ伯母がアーニーだけなら引き取ると言うのを聞いて
兄弟離れ離れになるのだけは避けたいと願い
亡き母から「アーニーの面倒をみてやってね」と言われた約束を守ると誓う
はるばるバスで着いたが、ジーンからの電報が届かず伯父は迎えに来ていなかった
酒場ブルー・レイヴン(ワタリガラス)にいるだろうと言われて行ってみるがそこにもいない
ウルフ谷にある一軒家だと教えられ、途中のクレイジー・ウーマン池と
オールド・レナには近づかないことと忠告される
池で溺れた男がいて、子どもを亡くした女も沈んでいると噂されている
丘の上には精神病院が建っている
伯父は2人を見て引き取るのは断るつもりだったと話す
妻ルーを亡くしてからアルコール依存症で家の中は荒れ放題
2階のルーの部屋だけはキレイなままで、2人がそこで寝ていると激怒する
夜になるとなにかの視線を感じ、女の泣く声みたいな音がする
なにも食べるものがなく、買い出しを頼まれて歩いていると
ブルー・レイヴンのウェイトレスのマッジと誰かが口論しているのを聞く
カーキ色のシャツがチラっと見える
食料品店のクレイニングさんはアーニーが気に入る
兄弟は家の中を片付け、料理が得意なバートが食事を作る
兄弟は学校に通うようになるが、いつ伯父から追い出されるか分からないため友だちを作ろうとしない
クレイジー・ウーマン池でウサギが穴に落ちる
オールド・レナが仕掛けた罠で、ウサギをその場で殺して首を落とすのを見る
レナの小屋に伯父のシャツを見つける
2人はマッジが鈍器で殴られて死んでいるのを見つける
クレイニングさんに言って、保安官を呼び、兄弟は事情聴取を受ける
ブルー・レイヴンでポーカーをしていたブラズ、マック、質屋のジョージ、チャーリー伯父はアリバイがある
妻を亡くしてからずっと友だちだったマッジを失って
伯父はショックで余計に酒に逃げるようになる
*
ハロウィーンの夜
伯父は兄弟を町に連れて行く約束を忘れて飲みに出かけてしまい
アーニーは狼男の扮装をして「トリック・オア・トリート」と自宅に来る
後日、その仮面はゴミ置き場から消えてしまった
マッジ殺しの犯人として浮浪者のピートが逮捕される
現場近くで寝ていて、マッジの死体からお金を盗んだ
チャーリー伯父はポーターへ行くから、兄弟はジーンのもとへ帰るように言う
バートは兄弟が引き裂かれてしまうかもしれないからと懇願するが酔っていて話にならない
仕方なくバスに乗る準備をするが、アーニーは
伯父は素面になったら帰ってくるだろうからバスに乗りたくないと愚図る
伯父からもらった70ドルでなんとかしようとするバート
マッジの事件から「ピラニアが噛んだ」という言葉が頭から離れない
*
冬になり、2人が薄着なのを先生に心配され
仕方なく冬着とブーツを買うとあと10ドルしか残らない
クレイニングさんの配達を手伝って、週に5ドルもらえることになり、食費を節約する
アーニーの担任フィールドラップ先生が自宅に来る
アーニーの成績がどんどん落ちているのを心配している
バートは子ども2人だけで暮らしているのを必死に隠す(そんな映画があったな・・・
ブラズの妻のもとに配達に行くと、マッジを殺したのはピートじゃないと話す
マッジは町の複数の男たちと付き合っていたし、殴られた跡があるのは憎んでいた人に違いない
アーニーはクリスマスには伯父が帰ると信じて、ツリーやプレゼントを用意して浮かれている
バートはクリスマスだけは楽しく過ごして、翌日、フィールドラップ先生に打ち明けようと思う
電気料金の最後通告が来て、伯父の剣を質に入れて、なんとか支払う
クレイニングさんにマッジとカーキ色のシャツの男が口論していたと話す
クレイニング:ピートが自白したから心配はいらない
*
クリスマス・イヴ
アーニーが茂みにある赤い実の話をした時
頭の中で繰り返されていた言葉は母が教えてくれた「ピラカンサ」という木の名前とつながる
マッジが殺された時、クレイニングは保安官に死体がピラカンサのそばにあると言った
知るわけないのになぜ?
クレイニングさんもカーキ色のシャツを着ていて、バートは急に疑いはじめ
クレイニングも異変に気付く
その夜、クレイニングが酔っ払って家に来る
クレイニング:
伯父が長いこと家に帰ってないことをアーニーから聞いた
マッジとは以前、夫婦だったが家を出た
やっと見つけて、私も引っ越してきた
いっしょにシカゴに戻ってくれと何度も頼んだが聞かなかった
あの晩、男たちとじゃれついているのを見て嫉妬で理性を失っていた
あんなことになって後悔してるんだ
バートはアーニーだけは逃がそうとして、体当たりする
闇の中に巨大な怪物が現れて、クレイニングを殴り倒す
アーニーが「王さま」と呼ぶ空想の友だちは
伯父のシャツを着て、ハロウィーンの時の狼男の仮面をつけ
自分は地球から何億光年も離れたミルサの王で、亡命中だと話す
兄弟のことをずっと見ていた視線は彼だった
王さま:
警察を呼ぶまで私がこの男を見張っていてやろう
私のことは言わないでくれ でないとまた丘の上の建物に戻されてしまう
オールド・レナが王さまを小屋にかくまっていたと分かる
王さまの代わりにレナが見張る
兄弟はフィールドラップ先生に事情を話し、保安官はクレイニングを逮捕する
保安官:ピートは他の州でもやりもしない犯罪の自白をしていたためシロになりそうだ
アーニーは王さまとオールド・レナを晩餐に招待し
2人が帰った後も伯父が帰るのを待つ
アーニーと王さまの予感は当たり、伯父が帰ってくる
ポーターでアルコール依存症の施設にいて、今後も通うことにした
チャーリー伯父:2人をずっと預かるかどうかは考えさせてほしい
バートはアーニーの勇気を見て、これから何が起きても大丈夫だと思い
自分もいろんな影におびえていたが、実際襲われた時、戦うことができたのだから大丈夫だと思う
(これってパニ障のOK体験に似てるな
不安がなくなったから大丈夫じゃなくて、不安が来ても大丈夫と思えるようになること
■訳者あとがき
「ピラニアが噛んだ」の原文は「Wild Pirate Canner」(無法な海賊缶詰業者)
デーナ・ブルッキンズ
1931年 ミズーリ州生まれ
本書の初版は評論社『児童図書館SOSシリーズ』