メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

草原のサラ パトリシア・マクラクラン/作 徳間書店

2025-01-13 14:57:47 | 
1996年初版 こだまともこ/訳 中村悦子/絵

『のっぽのサラ』の続編

一気に読んだ
その前にクリストファー・ウォーケンが演じたテレビ映画の映像をYouTubeでチラ見して
火事のシーンを先に観てしまったけれども

心に響く物語は、実際の体験を基にしていることが多い
本作もそれでシンプルな文章だけど説得力がある

雨が降らない日が続くと、他の土地に移らなきゃならないような過酷な地域でも
生まれ育ったら離れられないんだな

雨が降る前の匂いって分かるなあ


【内容抜粋メモ】

登場人物
ジェイコブ・ウィッティング 父
アンナ 長女
ケイレブ 弟
犬ロッティ、ニック
馬ジャック
隣人マシュー、マギー
娘ローズ、ヴァイオレット、トム

サラ・エリザベス・ウィートン
兄ウィリアム 漁師 妻メグ
猫アザラシちゃん
叔母 ハリエット、マッティ、ルー
飼い犬ブルータス



父とサラは結婚
写真屋ジョシュアが家族の写真を撮る

雨の降らない日が続き、牛の水飲み用の池もほとんど枯れてしまう

父:
絶対に出ていったりしないよ
私たちはここで生まれたんだ
この土に私たちの名前が書いてあるんだよ

ケイレブ:サラはここで生まれたんじゃないよ











アザラシちゃんは子猫を妊娠している
父親はマギーさんの猫サム

家族で教会に行く
マギーはトムを生み、周りはママだらけとつぶやくサラ

家畜小屋ではもうすぐ子牛も生まれて、ケイレブは月子ちゃんと名付ける

サラの大好きな叔母 ハリエット、マッティ、ルーからの手紙には雨が続いているとある
「みなさんで、どうぞ今すぐにでもいらしてください」



キャロラインの家の井戸が枯れてしまったため、親戚の家に行かなければならない
サラ:水は汲んでくればいいじゃないの
マギー:あなたは日照りがどんなに辛いことか分かってないのよ

サラの誕生日祝いに旅行に行きたいかと尋ねる父に怒るサラ
草原が自然発火して火事になり、小麦袋を水にひたして必死で消す

サラのスカートに燃え移り、ジェイコブが叱ると
サラ:私に向かって怒鳴るのはやめて!

ケンカになっても、すぐ仲直りする2人









水を汲みに行くと、川も枯れている
マシューとマギーもこの土地を離れると告げる

サラ:
私、この土地だいっきらい
私の名前は書いてないわ ぜったいに!

マギー:ここで暮らしていこうと思ったら、あなたもここに名前を書かなきゃいけないのよ

コヨーテが水汲み用のバケツから水を飲んでいるのを見て
銃をかまえるジェイコブを止めるサラ

サラ:水が欲しかっただけなの 私たちと同じに



サラの誕生日パーティーにみんなが集まり
叔母が贈ってくれた蓄音機で音楽を流して踊る
この日だけは皆日照りのことを忘れた







ついにマシューの井戸も枯れて、馬車に家具を乗せて土地を去る






夜中に納屋から火事が出て、消したくても樽に水がない
翌朝、父だけ残り、サラと子どもたちは叔母の家に行くことになる

3日3晩汽車に揺られて、チャブさんの自動車に乗せてもらい
見上げるような大きな家に着く
目の前にはサラの大好きな海が広がっている







3人の叔母、兄ウィリアム、その妻メグも大歓迎
父から手紙が来て、犬たちが寂しがっていると書いてある
アンナは父が寂しいのだと分かる

サラは病院に行き、妊娠したことが分かる

ケイレブは次第に沈み、父の夢ばかり見る

ハリエット:ここの学校に一度行ってみない?
ケイレブ:おばさんたちのこと大好きだけど、ここに住みたくなんかない

海岸を散歩していると、父が来る
父:雨が降ったんだよ







おばたちは音楽会を開き、そこでサラは子どもが生まれると話す
母はケイレブを生んで死んだため、不安になるアンナに大丈夫だと約束する

家族はまた故郷に戻る
父が立て直した新しい納屋もある

サラは草原の乾いた土の上に自分の名前を書く











訳者あとがき




『のっぽのサラ』はアメリカで最も権威のある児童文学賞ニューベリー賞を受賞した
本書は作者の母が子どもの頃に実際あった出来事を基にして書いた
祖父が新聞広告を出して新しいお母さんが来て、大好きになった

訳者の祖母も1910年にアメリカで暮らす日本人の祖父と結婚するために海を渡り
異郷で過ごし、故郷が恋しくなるたびに海辺に行ったという話をしていた






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