メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『人類資金』(2013)

2014-10-22 13:21:15 | 映画
『人類資金』(2013)
監督:阪本順治
出演:佐藤浩市、香取慎吾、森山未來、観月ありさ、石橋蓮司、寺島進、岸部一徳、オダギリジョー、ユ・ジテ、ヴィンセント・ギャロ、仲代達矢 ほか

友だちが劇場で観て「見応えがあった」とゆってから気になってて、今ごろ観てみた。
お金によって動く世界、社会、人間関係に疑問を持って、いろいろブログに書いていたから、まさにリンクした。

【ブログ内関連記事】
目で見る経済 「お金」のしくみと使い方(さ・え・ら書房)
「子どもたちは自ら学ぶ」@スーパープレゼンテーション
「僕がどうやって風をつかまえたか」@スーパープレゼンテーション

昔は、日本は金銀がたくさんとれたけど、ほとんど外国に流れていっちゃったんだよね、たしか?
金銀のやりとりじゃ面倒だから、モノとの取引に、紙幣や貨幣が現れた。
それでも面倒だから、国債みたいな紙きれになって、それも面倒で今では数字だけのやりとりになっている。

毎日、株式市場のニュースを流している。まるで、天気予報と同じくらい必要不可欠かのように。
どこかの誰かが流布した噂話を聞いて一喜一憂し、つねに数字を気にしながら架空のやりとりをして一生がバタバタと終わっていく。
金にとりつかれた亡者たちのギャンブルみたいだ。J.タチの映画にも、そんなお父さんが出てきたね→『ぼくの伯父さんの休暇』

「今年は美味しいリンゴが実りましたよ、どうぞ召し上がってみてください
「どうもありがとう。では、私はあなたに歌を1曲歌いましょう

世界中で、それぞれの町や村で、お金のやりとりがなくなったなら、もう誰も苦しまないだろう。

"Just Sharing!!"

石(セキ)役の未來くんが乗り移ってたな。英語での白熱スピーチも、ジャッキー並みのアクションも。
ミユキ役のありさちゃんも、今、キャスティング見るまで気づかなかった! アクションにもキレがあった/驚


story(ネタバレ注意。とはいえ、複雑すぎだから間違っていたらスミマセン/謝
太平洋戦争末期。
陸軍大尉・笹倉雅実は、軍の隠し資産である莫大な金塊(後のM資金)を日銀の地下倉庫から盗み出し、隠すよう命じられるが、船から投げ捨てた。
彼には、日本の敗戦、その後、金塊が紙幣に変わり、世界と人々を狂わせる様までが見えていたのだった。
「次の戦争はもう始まっている。これは、未来のために正しく使われるべきだ」

この「M資金」は、戦後日本の復興、高度経済成長の際、有形無形に役立ったと言われる。

現代。
笹倉雅実の長男・笹倉暢彦は、財団の理事長を務め、父とは真逆の信念を持って金融を動かしている。
「世界は変えられないんだ」
その影には、弟・博司の不審死、長男・雅彦の自死の悲しみがあった。

真舟雄一は、相棒のヤクザ・酒田と組んで「M資金」をダシに詐欺で稼いでいた。
「他人の金なら、気前よく寄付できる」というのが信条。
マフネの父も、実は「M資金」を調べている最中にトラックに轢死された。

ある日、突然、石(セキ)という男に連れられ、「M」と名乗る男に会ってほしいというが、
待ち合わせのビルには、防衛省秘密工作員・ミユキらが待ち伏せていた。
ミユキは、笹倉と、その息子らとも交流がある。
「M資金」を運ぶ通路に使われていたという地下通路を通り、通称「市ヶ谷」に逃げるマフネとセキ。

「「M資金」を盗み出してもらいたい。推定額10兆円。
 日本が真っ先にフィリピンに侵攻した理由は、この金塊が目当てだった。
 日本は復興したが、今や金融ギャンブルに変貌し、投機ファンドとして世界を巡っている。
 報酬は50億。今見えている景色は、作られた景色。一緒に世界を救ってみませんか?」(「M」)

「M」を狙っている殺し屋・遠藤治は、M資金の管理運営を行うNY大手投資銀行員・ハロルド・マーカスに雇われている。
オサムの祖父・ハリー・遠藤は、日本国内でスパイ活動をしていて「M資金」が捨てられた現場も見ていた。

マフネ、セキは、偽造パスポートを作ってロシアに行き、財団直轄のヘッジファンド「ベタプラス」代表・鵠沼英司を騙しに行く。
「ロシアにはいい役者が揃ってるな」

「M」は鵠沼と親交があり、本名は笹倉暢人、笹倉暢彦の次男だと分かる。
「世界が変わる始まりの瞬間をぜひ見て行って欲しい」

セキは、最貧国カペラ出身。子どもの頃、死にかけていたのをノブトが助けた。
妹は売られて、消息不明のまま。
故郷のために、彼が運んだのは、「PDA」というスマホのようなツール。文盲の人でも簡単に使える。

「一時的な援助ではなく、情報通信網があれば、貧しくても才能が発掘できる。
 才能はあらゆる場所にある。世界は広いんですよ。

 Mにはもう1つの意味がある。"mankind"(人類)のM」

そんなノブトの活動に反対する父。「平準化 世界は一部の選ばれた者で動いているんだ!」

ハロルドは「カペラはテロ組織の巣窟である危険性があるため、アメリカ軍が一掃しなければならない」というデマを流して、株の値を一気に下げる。

セキは、国連でカペラの代表としてスピーチを始めると、なぜかみんな退席しはじめる。
ハロルド「カペラはルールを破ったんだ」

しかし、セキは「これだけは見て欲しい!」とPDAの画像をスクリーンに映し出す。

「これは、カペラの人たちにPDAを渡して“いちばん大切なものを映してくれ”と頼んで撮った画像です。
 これまで一度も電話をかけたことがない人たちが、世界には7割います。
 もし、私が幼い頃にこれがあれば、絶対に妹を撮っていたでしょう。でも、妹の写真は1枚もありません」

「我々には世界に声を届ける術がなかった。無知を無知と感じる自由さえも奪われ、彼岸の地に縛り付けられていました。
 私たちには世界を共有する技術があります。適切な投資と技術さえあれば、
 最貧国と呼ばれる国の者たちも、想いを世界に伝えられるのです。

 未来に行き詰まりを感じている先進国の方々、成長の鈍化に杞憂する新興国の方々、
 世界の7割は無明の中にあると知ってください。電話さえかけたことのないその7割に新たな可能性が眠っているのです。
 この惑星には、まだ使われていない“才能”がたくさん潜在しているのですから。

 

 この100年、我々は、1つのルールを無自覚に受け入れてきました。
 それは、人を互いに競わせ、数字だけの成長を強いる“ルール”。
 でも、もうそれは機能していない」

 

 「支配された欲望だけが、人間の欲望ではないはずです。“人として良くありたい”という欲もある。
  “分かち合う”という新しい資本主義社会の風景が。

  世界は、これほどまでに富を蓄積したことはなく、その実現のために必要な知識も、技術も、能力も揃っているのですから。
  私たちは“援助”は必要ありません。我々を温かく見守ってください」


マフネ「あなたがたが築いた“貨幣秩序”は、もう機能していない。新しいルールが必要なんだ」



そんなマフネですら、見知らぬ少年から水をもらった時、思わずお金を払って、断られてしまう。
カラダとココロ、生活や文化に長年染み付いたクセは、すぐには取れない。

これまでの世界は、ストレス耐性が高い人たちが作ったお金×消費されるモノの世界。
これまで一番重要とされてきた「経済」「政治」もない、
みんなが自由に、クリエイティヴに、分け合う(シェアリング)世界になれば、
心身の病、戦争、飢餓など、今あるすべての問題がクリアできるだろう。

すべての苦しみや悲しみを実際に同じように体験してみないと、本当に共感・理解できない人たちがいる。
想像できない人たち。
自分が今、健康で、「まだ平気」なうちは、今の古いシステムが機能していないと薄々感じてはいても、
変えようとは思わない人たちが多いんだ。

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NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』 第42回「太閤の野望」

2014-10-22 12:37:10 | ドラマ
NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
出演:岡田准一、中谷美紀、竹中直人、寺尾聡、鶴見辰吾、松坂桃李、濱田岳、速水もこみち、高橋一生、塚本高史 ほか

第42回「太閤の野望」(ネタバレあり
関白の座を秀次に継がせ、太閤を名乗った秀吉。
官兵衛らは肥前に名護屋城を築いた。

「日本中の大名が集まり、いずれ都のようになりましょう」

宇喜多が大将となり、先陣を争う小西と加藤をなだめ、「1日交代ならどうか」という官兵衛の案が通る。
石田三成は「これ以上口出しはさせん!」とライバル心丸出し

一人息子を失って失意の茶々は「私も(名護屋城に)連れて行ってくださいませ。私はまだ若うございます」
「私はもう一度、お世継ぎを産んでみせまする。これは私の戦」



15万人の兵は釜山から漢城まで攻めて城を落とした。
秀吉も行くというのを家康は止める。「国ががら空きになり危険」

官兵衛が現地に視察に行くと、異国の地形も分からず、兵糧も尽き、兵は疲弊し、疫病も流行っている最悪の事態。

官兵衛「漢城で守りを固めよ!」
三成「あるがままをお知らせするのが役目」とあくまで上から目線。

官兵衛「このたびの戦には大義がないから兵がバラバラになる。下手をすると日本国が滅びるぞ」と漏らす。

また帰国し、秀吉に現状の悲惨さを伝えようとするが、大政所(秀吉の生母)が亡くなり、第二子が誕生したり(1年後って早っ!)でバタバタしている。
官兵衛の和睦交渉案には「お主に任せる」と許しが出る。

また現地に行って(どんだけ大変な船旅を往復したんだ/驚)、「和睦の条件は無理難題ばかり」と困り果てる小西に、
「申し状を見せなければよい。他に道はない。このことは他言無用じゃ」と申し状を焼いてしまう

「すぐに漢城から釜山へ引く!」

三成「奉行衆は帰るが、殿下を説得できるのは官兵衛殿だけ!」一緒に帰国してくれと頼みこむ。

しかし、秀吉は「奉行衆をないがしろにした」「遣いが来ても碁をしていた」「帰国せよと命じた覚えはない!」と激怒。

官兵衛「三成、わしを陥れるためにここまでやるか」
秀吉「さすがに堪忍袋の緒が切れた。当地にて蟄居せよ!」
三成「これで我らにお咎めはない」

次回の予告では、官兵衛は頭を丸めてたけど、出家!?


 
名護屋城は、大坂城に次ぐ規模で、城下町の賑わいは京をしのぐほどだったと言われる。



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ブラサキラジオ2014.10.21 OA

2014-10-21 23:55:55 | 音楽&ライブ
ブラサキラジオ2014.10.21 OA

詳細はFacebookにて

今週も始まりましたよブラサキラジオ。

Jumpin' Jack/Bloodest Saxophone

【10月のテーマは秋の味覚(野菜)】
甲「チンゲン菜は秋らしいよ」
修「ハロウィンのかぼちゃは激マズだからくりぬいてるらしい」(へえ!
キ「白菜!」
修「急に来るねw」
甲「白菜は、チンゲン菜とカブの掛け合わせ?!」(大きな謎が残りました・・・

謎その2。栗や銀杏は野菜?
C「子どもの頃は嫌いだったけど、拾いに行ったりした」
キ「30個食べました」
甲「キミノリが話し出すと時間終わっちゃうんだよな」て

【飲み屋コーナー】
大森の珈琲亭「ルアン」。昭和46年から営業。おっと、昭和喫茶コーナーになった?
「ベルサイユの薔薇」とか、「悪魔の炎」とか、メニューとパフォーマンスが気になりすぎる。。。
ユキさんが大森に勤めていた頃、悪いバンド仲間との待ち合わせ場所だった。
高いところからミックスするカフェオレがおすすめ!

(気持ち悪いCM)

【Cohさん&修二さんの音楽オー!なコーナー】
今月はナットキング・コール・トリオ特集。
修「カバーしてると、三位一体でやると、ちょこちょこほころびが出る」とか。
C「ブライアン・セッツァーとか、カバーしてる人が多い」

Jumpin' At Capital/Nat King Cole Trio

なんだろ、パーカスみたいな音がカッコいい。


野菜話。
秋は芋類が多い?
タ「サツマイモの焼き芋がいい。焚き火とかしてから食べてた」(学校でやった! 中まで焼けてなくて、また火に放り込んだりw
皆「皮が上手いのに!」
キ「剥がすのが面倒臭かったら食べます」
でも、焚き火は、今やったら、すぐ苦情が来て、ケーサツも来ます

秋ナス編。
甲「キライな人多いよね。弟も“キュっ”とするからダメ」
ユ「ナス大好き!」→キライなものは基本ない
修「焼く前に、両面に細かく切れ目を入れる」

なんだか、「MOCO'Sキッチン」みたいになってきました
そのうちオリーブ油とか、高ーーーいところからの塩胡椒とかの話になりそうw

Restaurant/Bloodest Saxophone


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『動物たちが開く心の扉 グリーン・チムニーズの子どもたち』(岩崎書店)

2014-10-21 11:53:16 | 
『動物たちが開く心の扉 グリーン・チムニーズの子どもたち』(岩崎書店)
大塚敦子/文・写真

ふと考えてみたら、『幼獣マメシバ』の二郎さんも、一郎ちゃんのアニマルセラピーを受けて成長しているのかも。
クスリも飲まずに、あれだけの回復力。スゴイ・・・豆柴ドクター

【ブログ内関連記事】
『知ってほしい! 子どもの「こころの病気」』(岩崎書店)
知ってほしい!子どもの「こころの病気」2 自閉症とLD 仲良くできない(岩崎書店)
『ユニバーサルデザインってなに?』(あかね書房)


【内容抜粋メモ】

はじめに
「心の闇」少年少女によるショッキングな犯罪が起こるたび、この言葉が出される。
命というものの実感、それを尊重する心が欠けているのではないだろうか。

アメリカ、NYにある「グリーン・チムニーズ」は、1947年創設以来、
自然、動物との関わりを、心に傷を負った子どもたちの癒やしに取り入れている治療施設。

情緒不安定、学習障害、暴力的態度で、家庭や学校にいられなくなった子どもたちの多くは、
崩壊した家庭に育ったり、虐待を受けたり、里親家庭を転々とするなどで、
「セルフ・エスティーム(自分を愛し、尊ぶ心)がとても低いため、他者を尊重することもできない。
怒りや、不満などを、暴力的な行動でしか表現できない。

人を傷つけた人間は、自身も深く傷ついている。
「グリーン・チムニーズ」が目指すのは、年齢に応じた精神的、社会的発達を促し、社会で生きていける力をつけるよう助けること。


第1章 野生動物をケアする カールトン(14歳)
「グリーン・チムニーズ」の「野生動物保護センター」では約50の野生動物を保護している。
多くは、ネズミなどを狙って道路に急降下して、クルマにぶつかって傷ついた猛禽類だ。
珍しい野生動物を、一時の興味でペットにして、手に余ると捨ててしまう人もいる。

 
シルヴィアとカールトン/「グリーン・チムニーズ」では生き物の死に接することもある

カールトンは、当初、動物好きではなかった。
これまで何度もメディアの取材を受けてきたが、ここに来る前はどうだったのか
彼自身のことを書きたいと話した途端、貝のように閉じてしまった。

「グリーン・チムニーズ」にいる子どもたちで、最初から自分の意志で来た子はいない。
みな、親、児童保護局などの判断で、送られてきた。

助けてくれたのはシルヴィア。この2年間ともに野生動物の世話をするうちに深い信頼関係を結んでいた。
シルヴィアを通して培われた信頼が、私との間にも新たな信頼関係を築く役割を果したのだ。
それこそが「グリーン・チムニーズ」の目指すこと。

自然や動物、子ども同士、周りの大人とのつながりに発展させ、
ようやく自分の殻から解放され、人間としての成長を始められる。

その後、カールトンの許可を得てインタビューした父親の話では、
両親の離婚後しばらくしてから、彼は攻撃的になったという。

「なぜあんなにケンカばかりしていたんだろう。ささいな事ばかりなんだけど・・・」

セルフ・エスティームがあれば、人より強いと証明してみせる必要はないもの。
 でも、まだ本当に怒りをコントロールできているとは言えないわ。自分の内にこもって口をきかなくなるじゃない。
 ちゃんと説明して、相手と分かりあう努力をすることが、今のあなたの課題よ」とシルヴィア。

「いろいろ説明するより、内にこもるほうがラクなんだよな」

カールトンはブロンクス育ちで、そこでは男はタフに振る舞わなければならない。
彼がセンターに来た時、腫れ物に触るようではなく、ごく自然な態度でとにかく働かせたという。

「グリーン・チムニーズ」では、保護した野生動物に名前はつけない。
たとえ野生に帰れない動物でも、野生動物はペットや家畜とは違うということを肝に命じるためだ。

でも、ある賢いカラスがカールトンになつき、自分の名前を付けた。このカラスが心を許すのはカールトンだけ。
動物や自然との関わりの中には、言葉を超えて心に響く普遍的な合わせ鏡が数多く存在する。

傷ついた鳥のリハビリを終えて、野生に返す時は、子どもたちの手で放させる。
それは、本来属する場所に帰る鳥と、自身の「グリーン・チムニーズ」からの旅立ちを重ね合わせるためでもある。



第2章 農場にて カール(11歳)
 
エミュー、ヒナをもつカール

カールは、2歳の頃、養育をネグレクト(放棄)した母親から引き離されて、兄弟別々に里親を転々とした。
いくつかの里親家庭では虐待も受けたらしい。

レジーナは、カールの兄2人の里親になり、カールと弟の里親が養育を断ったため、一大決心をして、4人を養子にした。
里子と養子は、責任の重さははるかに違う。

レジーナのもとに来た頃のカールは、何か注意すると、悲鳴をあげて逃げるなど過剰反応を見せた。
おそらく虐待が原因と思われる。

「グリーン・チムニーズ」に入るには、教育委員会や児童保護局などが承認し、入所費用を負担することが条件。
ここに来て、カールの問題行動は目に見えて減り、1年後には寮でいちばんの人気者、リーダー的存在になった。

「グリーン・チムニーズ」で一番人気があるのは農場
ヤギ、ヒツジ、ブタ、アルパカ、エミューまでいる。
週末のキャンパスは、一般にも開かれ、家族連れでにぎわう。
穏やかで優しいカールの性格を、動物たちは敏感に感じ取ったのだろう。

ある日、エミューが産んだ卵のうち1つが孵ったが、なぜか親鳥たちはこのヒナを受け入れず、踏みつけようとしたので、
死にそうになっていた雛を隔離し、保護した。

カールはヒナをニモと名付け、親鳥たちのところに連れていきたいと言った。
だが、親鳥たちはニモに警戒音を発した。

ソーシャルワーカーのクリス「いつか産みの親に会いたい、彼の気持ちを表しているのかもしれないわね」

カールも含め、「グリーン・チムニーズ」の子どもたちは、自分の思いを言葉で表現するのが苦手だ。
自分がどうしたいのか、相手にどうして欲しいか、基本的な意思表示ができず、
分かってもらえないと、苛立ったり、内にこもったりする。
子どもたちの心のケアに関わる人々は、動物とのふれあいから様々なメッセージを読み取ることができる。



ケイラ(13歳)
素直で明るいケイラは、「グリーン・チムニーズ」に通算6年近くいる。
ここに来る前は、公立学校の特別教育クラスにいた。

「なにか思うようにいかないと、すぐ癇癪を起こして騒いだ」

「グリーン・チムニーズ」のメイン・キャンパスには、全寮制の治療施設2つと学校がある。
ケイラは昼間の生徒として学校に半年通ったが改善せず、全寮制に入ったところめざましい進歩を見せた。
「寮には、私の家にはない規範があった。家では叱られず、放っておかれた」
ケイラの母は、3人の子どもを抱えるシングルマザー。



「とくに好きなのはヤギ! いろいろ構ってくれるのが嬉しいの。
 ヤギに囲まれていると、ああ、自分は受け入れられ、無条件で愛されているんだって思えた

ケイラは、不安をやわらげる精神安定剤を長いこと飲んでいて、飲み忘れると、夜眠れない

「グリーン・チムニーズ」の子どもたちは、毎年、自分が世話する動物とともに「4Hフェア」という品評会に参加する。
自分が手塩にかけた動物を、一般の人たちに見てもらう晴れの舞台だ。ケイラは3年前、ヒツジと見事にグランプリを受賞した。



ある日、生まれて間もない子ヤギを、誰かが「グリーン・チムニーズ」に置き去りにした。
ケイラの献身的な世話も空しく、子ヤギは死んでしまった。
生まれてすぐに母乳を飲まないと、抗体がもらえず、感染で死ぬ危険が大きい。

「母親にネグレクトされて、赤ちゃんが死ぬなんて悲しい。なぜだか分からないけど、親が子どもをケアしないことがあるの・・・」

ケイラは誕生にも数多く立ち会った。ヒツジのお産を一人で介助したこともある。


親の愛情を知らずに育った子どもたちは、怒り、絶望し、セルフ・エスティームに欠けている。
虐待、ネグレクトを受けた子どもが、親になると、同じことをしてしまう傾向がある。
自分の中にある「慈しむ心」に気づかず、同じ行動パターンに捕われてしまうのだ。

家でも、学校でも「問題児」と言われ、「なぜもっといい子になれないのか?」と批判され続けてきた子どもたちにとって、
無条件に受け入れてくれる動物の存在は、どれほど有り難かったことだろう。



獣医師を目指しているケイラは、6年過ごした古巣を離れ、一歩上の学校に挑戦することにした。
傷ついた子どもたちが、一人の人間として幸せに生きていくには、まだまだ多くの山を越えなければならない。
癒やしとは、一生かかる長いプロセスなのだ。


喪の作業
日本では、身体機能の回復をめざす「作業療法」の一環として行われているが、
「グリーン・チムニーズ」では「動物介在心理療法」を実践している。アメリカでもまだそれほど普及してないという。

スティーヴ(12歳)は、母を亡くした後、アルコールと麻薬に溺れてネグレクトした父から引き離され、「グリーン・チムニーズ」に来た。
ヘイゼルという名のヒツジの世話で高い評価を受けた。
ある日、父が養育を諦めて親権を放棄したと知り、周りに激しい怒りをぶつけた

博士「怒りは、往々にして、内面の痛みから自分を守る防御なのです」

ヘイゼルに顔を埋めて泣くスティーヴの背中にそっと手をあてる。
これは、母親が赤ちゃんを抱く時と同じ「守り」の仕草として、子どもを安心させる意味がある

ヘイゼルには関節炎の持病があり、痛みのない安楽死をさせることになった。
子どもたちは、これまでに多くの喪失を経験し、死に対して非常に敏感な子が多い。

スティーヴは、ヘイゼルの葬られた場所で何週間も嘆き悲しんだ
だが、それこそが、彼がなにより必要としていたことだった。
繰り返す喪失のたび、怒りでしか痛みを表現できなかった彼は、初めて喪の作業をすることができた。



第3章 馬をめぐる物語 ジョー(12歳)
「乗馬」は、プログラムの中で重要な位置を占めている。
大型動物を乗りこなすことは、常に自分以外の手によって運命を左右され、
無力感を感じてきた子どもたちにとって、自信につながるにちがいない。
馬に乗るためには、信頼され、受け入れられなければならない。


「グリーン・チムニーズ」で乗馬療法のインストラクターをするのは、日本人の木下美也子さん。

「馬は人の感情を敏感に察知して、反応します。子どもたちがイライラしたりしていると身を引いてしまう。
 犬は嫌なことをされても我慢してしまうけど(涙)、馬はイヤならイヤと言う動物

現在21歳のボンズは、4歳頃まで競走馬として働いた後、跳躍競技に出ていたが、
13歳の頃に関節炎が酷くなり、跳躍ができないので「グリーン・チムニーズ」に寄付されてきた。

ジョーはそんなボンズに受け入れられている少数の子どもたちの一人。
真面目で礼儀正しいジョーは、「アスペルガー症候群」という「高機能自閉症」の一種。
自閉症は、なぜか男子に多い。

自閉症といっても、アスペルガーの子たちは、引きこもらず、
人間関係の機微や社会常識が理解できないため、イジメの対象になることが多い。

典型的な特徴は、変化が嫌いで、ほんの少しでもいつもと違うと混乱してしまう。
熱中すると他のことが目に入らない。運動能力が低く、ギクシャクした動き方をする、など。
一方で、平均かそれ以上の知能を持ち、記憶力に優れていることが多い。
アスペルガーの子たちは、しばしば「リトル・プロフェッサー(小さな大学教授)」と呼ばれることがある。

母「ジョーは、テーブルの上の食べ物と、食べる、という行為を結びつけられなかった」
大人となら話ができるのに、子ども同士の会話は理解できない。
騒がしい場所は大きなストレスを感じるので、幼稚園のような環境は負担が大きい。

周りの人々の言葉使いや行動をコピーする。
悪い言動も、善悪を判断する能力が乏しいため、そっくり真似してしまう。


馬とジョー

ジョーは、大変な負けず嫌い。負けたり、失敗すると、激しい自己嫌悪に陥ってしまう。
ちょっとしたミスを笑って誤魔化すことができない。

「ボンズのように予測できない行動をする馬は、他の子と比較しても意味がない。
 ボンズへの愛情から、勝ち負けだけが全てじゃないと理解するキッカケになればいいと思っています。
 ボンズを世話するには、欠点もすべて受け入れなければならない」(美也子さん)

「ボンズは人になでられると噛むから、性格が悪いといわれてる。
 でもそれは、彼の個性なんだ。なのに、みんなボンズが自分らしく振る舞うのを認めようとしない。
 僕とボンズは似ているんだ」(ジョー)

アスペルガーの子たちは、心でのコミュニケーションが苦手と言われる。
だが、ジョーとボンズの絆は本物だ、それは頭でなく、心から出たものだから、と美也子さんは言う。

母「ジョーは、たとえ人から不当な扱いを受けても、その人と友だちでいようとするの。
  窓ガラスにぶつかっても、まだ飛ぼうとする鳥のように・・・」

アスペルガーの子たちにとって、この世界は一体どんな所なのだろう。
私たちが考えもせず、当たり前にしていることが、大変な努力を要することだとしたら?

重度の自閉症の子は「自分だけの世界に住んでいる」が、
アスペルガーの子たちは「私たちの世界に住んでいるが、自分なりのありようを持っている」という。
私たちもまた、彼らを理解する努力をしなければ、と思わずにいられない。
動物たちのようなまっすぐな愛し方を、私たちニンゲンもできないものだろうか。

美也子さんたちは、今、ボンズの引退先を探している。
普通の馬の寿命は30~40歳だが、若い頃から体を酷使する競走馬はもっと短い。

ジョー「ボンズは引退したほうがいいよ。ゆったりした牧場で、のんびり草を食んで暮らす、そうする権利がある」
「ボンズがいなくなると寂しくなるわね」
「うん・・・僕はまた別の馬を探すよ。きっとまたボンズのような馬に出会えると思うから」


第4章 オーガニック・ガーデンの日々 リッキー(13歳)
「グリーン・チムニーズ」には、「ボニー・ベル」と呼ばれる有機農法の畑がある。
畑にはガチョウやニワトリもいる。ニワトリは落ち葉、ワラなどを混ぜた堆肥をつつきながら混ぜ返してくれる。

「グリーン・チムニーズ」には「Learn and Earn(学んで、収入を得る)」というプログラムがある。
畑で働き、賃金が支払われる仕組み。
会話はなくても、隣り合って働いていると、互いの心理的な距離が縮まっていくような気がする。

リッキーが「ボニー・ベル」で働くことになったのは、ソーシャルワーカー、寮長、教師などで構成される治療チームの判断。
問題行動を罰するよりも、ロールモデル(手本)となる大人の男性と仕事をさせるほうがよいと考えた。

「ボニー・ベル」の責任者チャーリー(54歳)は、10代の頃、麻薬乱用で逮捕されるなど問題児だったが、
20歳を過ぎてから薬と手を切ることができた。そんな道のりに励まされる子どもたちも多い。

ある日、注意されてスタッフを蹴り飛ばしたリッキーは「静かな部屋」(問題を起こした時、その場から離し、
頭を冷やすための部屋)に行った時のこと。
チャーリーは「誰かを蹴飛ばして、午後ここに来て働けるなんて思うなよ」と謹慎させた。
そのことで、むしろリッキーはチャーリーへの信頼を強くした。



ソーシャルワーカーのジーンが思いついたのは、絵を描かせること。
リッキーにつねにスケッチブックを持たせ、頭にくることがあったら、行動に移す前に絵を描かせる。

リッキーの母セリーヌは、週末には必ず向かえに来るし、訪問日も車で2時間かけて会いに来る。

リッキーの問題行動は小学1年から始まり、2年に心理検査を受けて「ADHD(注意欠如多動性障害)」と学習障害があると分かった。

母「私の育て方が悪かったのかとずいぶん悩んだ。学校以外にカウンセリングも受けていたし、
  月に1度は精神科にも通ったけど、不十分だとハッキリしていた。そしてここを見つけたの。
  自然に囲まれた環境で、どんなレベルの子も、その子に合った個人指導を受けられるのがいいと思った」
(これがほんとうの教育の環境だと思うなあ!

今のリッキーの一番の課題はコミュニケーション。自分の気持ちを人に伝えること。

「グリーン・チムニーズ」で協調を学びはじめた頃、また突然、問題行動がぶり返した。

母「夫との別れ話が持ち上がったのと同じ頃なの」

リッキーは、実父を知らないが、継父ととても仲がいい。
だが、継父は麻薬中毒になり、リハビリ施設に入ることになった。
両親が離婚するかもしれないと知り、リッキーは突然不安定になった。



セルフ・エスティームが低く、大人に認められたいという思いの強い子どもたちにとって、仕事を分け合うのは、なかなか難しい。
畑仕事の素晴らしさは、働いた成果が、瑞々しい野菜となって実り、目に見えることだ
五感に刻まれた喜びは、身体のどこかに残るのではないだろうか。

リッキーは、さらに高度な治療をする施設に移動するかもしれないとメールが届いた。
セリーヌ「子どものことでどんな困難があろうと、喜んで引き受けるつもりです」


第5章 介助犬を訓練する ミシェル(16歳)

ミシェルと介助犬候補のブリザード

「グリーン・チムニーズ」の「職業訓練場」にいる、たくさんのゴールデン・レトリバーたち。
ミシェルは、体の不自由な人の日常生活を手助けする介助犬の訓練を教えるクラスにいる。
2年前は、教師やスタッフに怒鳴り散らしていたが、まるで別人のように落ち着き、責任感の強い少女に成長した。

介助犬の訓練を通して、忍耐やコミュニケーションについて学ばせる試みは、1992年から始まった。
始めたのは、70年代に、世界で初めて介助犬を育成したボニー・バーゲン博士。
デールとルーは、博士の主宰するアシスタンス・ドッグ・インスティテュートで学んだ。

デールの信条は「このクラスは“成功”というポジティヴな経験を積むことを目指し、失敗を積み重ねるものであってはならない」。
失敗を積み重ねると「自分はやっぱりダメなんだ」という自己否定を強めるだけ。
訓練に向かない子は、初期段階でクラスから外すようにしている。

ある時は褒め、ある時は無視するような、一貫性のない行動をとれば、犬は何も覚えないので、
自分の行動に責任を持つことも学んでいく。

そして、最後には、自分が訓練した犬を障害者のもとに引き渡す“愛するものを手放す”という生きる上で大切なレッスンが凝縮されている。

デールは、子どもの頃、家族から虐待を受けていた。
男ばかり8人の兄弟、父親から様々な暴力を受けたという。

「私が愛したものは、すべて奪われた。あの家からは、逃げるしかなかったよ」

「ここの子どもたちは、自分の鏡のようだ。この子たちが何を必要としているか、私にはよく分かる。
 それは成功というポジティヴな経験、自分で自分を褒めてやれるということなのさ」


ミシェルは、中学1年の時、「ADD(注意欠陥障害)」と診断され、2年にうつ病を発症し、一般の学校では難しくなった。
「グリーン・チムニーズ」に入学して1ヶ月後、彼女は手首を切ったり、壁に頭を打つなどの自傷行為をし、
2週間、精神病院に入院、それを繰り返していた。

“問題のある子専門”の学校に入れられたと思ったの。
 でもグループ・セラピーで一緒だった女の子たちは、性的虐待とか、もっと大変な目に遭った子ばかりだった。
 それまで、自分だけが不幸だと思いこんでいたけど、そうじゃないと分かった」

「リストカットすると、なんだかストレスがやわらぐのよね」

ミシェルは、週1回、別のセラピーも受け、抗うつ剤の処方を受けている。
ミシェルの耳には、ピアスがズラリと並んでいる。

「セラピストから、手首を切るのも、ピアスをするのも、自分に痛みを与えてストレスから逃れる点では同じだって言われたの」

自身もリストカットの経験を持つ『リストカット・シンドローム』の著者は、
「リストカットは、“傷”という目に見える形で心の痛みを表現する行為で、
 生きてるか死んでるか分からない状態を打ち破る手段」だと書いている。

ミシェルが担当した犬スノーは、いつも浮かない顔をして、失敗すると、すぐ落ち込んで、投げ出したがるタイプ。
「まるで私ソックリだと思った」

ある日、別の子がトラブルを起こして謹慎させられ、その間、彼の犬は毎日ケージで待機させられたのを見て、考えが変わったという。
「私が謹慎させられたら、スノーも同じことになる」

子どもたちが9ヶ月間訓練した犬たちは、次の段階に進むために別の学校に移される。
おそらくもっとも大切なレッスンは、この別れのプロセスではないだろうか。
毎年、別れの時期が近づくと、荒れたり、泣き出す子が続出する。

ミシェルが担当した2番目の犬ブリザードを、夏の間だけ、週末、自分の家で預からせて欲しいと頼み、特別許可を得た。
彼女は、家でも根気よく訓練し、さらにレベルアップしてデールに返したという。

ミシェルは、保育士になる勉強をはじめ、「グリーン・チムニーズ」の保育園で実習も始めた。
「ブリザードが17歳の脳性マヒの女の子の介助犬になったの。最高よ!」とメールが来た。


マーク(8歳)
両親が事故死し、里親家庭を転々とした。馴染めずに、誰とも口をきかなくなった。
「グリーン・チムニーズ」でも無言だったが、ハゲスというセラピー犬がいて、
「グリーン・チムニーズ」の創設者・ロス博士が「この犬を散歩させてみたいかい?」と聞くと、
マークは、うなずいて「いい子だね・・・」と話しかけた。彼の声を聞いたのは初めてだった。

その後、彼は自分の気持ちを口に出すことができるようになっていった。
自分は誰にも望まれていない、と感じていること。
2年3ヶ月後、マークを養子にしたいという家族が現れ、巣立っていき、今では、家族と犬とともに幸せに暮らしている。


おわりに
「グリーン・チムニーズ」の「野生動物保護センター」に、ハゲタカのヒナが持ち込まれた。
ある日、どこからかハゲタカの夫婦が飛来し、血のつながっていないこのヒナに、毎日口移しで餌をあげはじめた。
野生のハゲタカが、自分の子以外のヒナに餌を与えるなんて究めて珍しいケースだ。

「グリーン・チムニーズ」には、実の親に捨てられたり、引き離された子どもたちが大勢いる。
ここで暮らしながら、養子縁組の機会を待っている子もいる。
ハゲタカの養父母は、まさにそんな人々の希望を体現してみせたかのように思える出来事だった。

動物たちは、子どもたちのいちばん優しい部分を引き出してくれる。表向きはどんな問題児のレッテルを貼られた子でも。


あとがき
「グリーン・チムニーズ」では、虐待を受けた子どもが、将来、加害者になる可能性を断ち切るよう導いている。
「早期介入」という、実際に虐待・犯罪が起こる前に予防するシステムは、近年のアメリカで主流になりつつある。

かつての日本では、地域のコミュニティでその機能があっただろう。
ほんとうは、行政・施設などのシステムに頼らず、支えることができれば理想的だが、今の都市社会では難しいのが現実。

「グリーン・チムニーズ」は精神治療施設のため、「プライバシー保護規制」が厳しく、
書面で親権者の同意を得られた子以外は取材できなかった。
また、それぞれの感情に配慮し、かなりの情報を切り捨てた。
本人が許可したこと以外は書かないと約束し、その子にとって、あまりに痛みを伴うと思われる情報は削除した。

「グリーン・チムニーズ」の農場には、最初は撫でられて喜ぶのに、突然フーと威嚇して引っ掻く癖のある猫がいる
ちゃんとケアされたことがないから、こんな風にしか人と触れ合えないんだろう。
この猫を見ていると、ここの子たちのことを考える。愛情を受けずに育った子を癒やすには、どれだけの時間がかかるだろう、と。

ジェイミー(12歳)は、最初、私(著者)を見ると駆け寄ってくれたのに、ある日突然、心を閉ざしてしまった。
「過去のことを知られるのが怖い。僕は悪い子だから・・・」と言ったという。
親に見捨てられ、愛情に飢えた子たちは、なぜかみな自分を「悪い子」だと責める。

子どもたちが「グリーン・チムニーズ」で暮らす期間の平均は2年ほど。
子どもたちが、その間にたくさんの愛情を受けとり、自分に誇りを持てるようになることを心から願う。


柴内裕子さん
「グリーン・チムニーズ」には、日本からも毎年いくつものツアーや、個人の見学者が訪れ、同様の施設を作ろうという動きもある。
日本では、1986年「JAHA(社団法人日本動物病院協会)」「CAPP活動」をスタートした。

「グリーン・チムニーズ」は、1947年、小規模の施設から出発して、50年以上の経験を蓄積してきた。
各分野の専門家によるチームプレーは見事で、精神医療、教育者による治療がきちんとされて初めて、動物との関わりも効果を発揮する。
このような施設を成功させるには、人、動物、自然の3つの要素を良い形で結びつけることが必要。
もちろん、動物自身も、幸せで安心できる状態でなければ、触れ合うニンゲンを癒やすことはできない。

長野の動物愛護センター「ハローアニマル」は、開設以来、次のような試みに取り組んでいる。

1.保護した犬や猫の獣医学的、行動学的な診断をした上で、新しい飼い主に譲渡する。
2.譲渡前に必ず、不妊、去勢手術を行う。
3.しつけ教室や動物との生活相談。
4.適性のある犬や猫を育てて、学校や高齢者施設を訪問。不登校児のための活動も積極的に行う。

「動物介在療法」は、人の医療の有効な補助療法です。正しく活用されることを願うものです。



創設者・ロス博士インタビュー
 
組織図

Q:これまで苦労したのは?
A:経済的困難。1974年にNY市の認可を受けた社会福祉団体になるまで、公的援助はほぼなかった。
  公的資金が中心だと、行政の望むプログラムをして、成果を上げることを求められる。
  だが、私たちが大切と思うプログラムを行うには、民間からの援助を増やすことも非常に重要だ。

Q:このような施設を成功させるために大切なことは?
A:地域の理解を得ることがとても大切。地元の人々と何度も話し合いを重ねた。

オフィシャルサイトはこちら。


「グリーン・チムニーズ」の歩み


サミュエル・ロス博士の父は医師。学校を創りたいという息子の夢のため、1947年、NY州ブルースターに75エーカーの土地を購入。

最初は、野外教育を重視する私立の寄宿学校だったが、
やがて情緒面、行動などに問題を抱える子どもたちのための全寮制治療施設になった。

また、治療を終えて、社会に戻った子たちを支えるため、各地にグループ・ホーム、自立支援プログラムを立ち上げるなど、
社会の要請に応じて活動内容を拡大した。

1973年、「グリーン・チムニーズ」は、総合教育と、精神医療を兼ね合わせた24時間体制の治療施設に移行。

1982年、同性愛、バイセクシャルなど、青少年の自立支援のための住居を開設。

1991年、パットナム郡で、家出をしたり、家を追い出された少年少女のためのカウンセリング、シェルターを開始。

2000年、新校舎完成。


【ブログ内関連記事】
いのちのえほん『わたしの病院、犬がくるの』(岩崎書店)
『いつか帰りたいぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』(小学館) ほか

大塚敦子さんのサイト

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『岩合光昭×ねこ旅 Iwago's catalog』(山と溪谷社)

2014-10-21 11:25:04 | 
『岩合光昭×ねこ旅 Iwago's catalog』(山と溪谷社)
岩合光昭/著

【内容抜粋メモ】

ねこは体を休めるのにちょどよい場所をよく知っています。
心地よい風が吹きぬけるところ、穏やかな日だまり。

そんな場所にいるねこを探して歩くうちに、五感がだんだん磨かれてきて、
自分もねこになったかのように、ねこのいる場所がわかるようになります。

ねこが目を閉じてごろ~んとしたら、あなたも体を休めましょう。
ねこが休むような場所は、人間にも居心地がいいのです。

(同感。にゃんこがいる町は、ヒトも住みやすい良い町



 
(ねこの基本形は完璧な美そのものだと思う


 
(ちょっと変形w



ただただ充足している。みなべ町・和歌山県



肉球だけは冷やしたくない。弘前市・青森県



早く家に帰りたい。


 
静かさが何よりだ。



ねこは光線をよく知っている。ラバト・モロッコ



お互いの距離をねこはよく知っている。



お腹を見せて転がるのは友好の証し。トレベレス・スペイン



[旅のおわりに]


カメラを構えながら、ねこを探していると、ねこの多いところと少ないところがあることに気づきます。
ねこの少ないところは大抵、昔からの町ではなくて、人が後からつくった新しい町です。
地形や、風通しのことなど考えないでつくった結果、暑苦しい町ができてしまい、ねこはそんな町には居たくないのです。

 

ねこはいちばん苦労をしないで歩く道を知っています。
バランス感覚に優れ、身のこなしは軽く、三次元の空間の使い方も見事です。
視覚・聴覚・嗅覚もすぐれています。
美しくしなやかな体ももっています。

ところがニンゲンはどうでしょうか。自然を感じる力のなんと情けないことか。
もし、ねこの行動をよく見て町をつくっていたら、もっと住みよい町ができていたのではないかと思います。

ねこをよく知り、ねこに学べば、世の中はもっとよくなるのではないかと思います。


 

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『愛の渦』(2014)

2014-10-20 15:16:51 | 映画
『愛の渦』(2014)
原作・脚本・監督:三浦大輔
出演:池松壮亮、門脇麦、滝藤賢一、中村映里子、新井浩文、三津谷葉子、駒木根隆介、赤澤セリ、田中哲司、窪塚洋介 ほか

「本編123分のなかで服を着ているシーンが18分30秒のみ」って触れ込みが衝撃を生んだ。
もとは戯曲だったのか。
R指定で思い切った映画を撮ったなあ! 劇場で観る勇気はない 出演するほうも勇気がいるよね。


story(ネタバレ注意
 

「乱交パーティ」というキーワードでしかヒットしない風俗店に、なけなしのお金でやってきた加藤(無職)。
都内の奥まった道の脇にあるマンションの一室にあって、システムはいたってシンプル。
「風呂に入ってから、ヤルだけ」一応、女性の意志は尊重されているそう。

23:30 店長の簡単な説明だけで「じゃあ、朝5時まで、ごゆっくりどうぞ」
 

他の客は、サラリーマン、フリーター、保育士、太った工員、中でももっとも強烈なキャラは「週5で来てる」という金髪女性。
その中で、迷いつつ参加した女子大生に同じ空気を感じて惹かれる加藤。

ぎこちない自己紹介から、だんだん雰囲気が出来て、次々と下の部屋に消えてゆく。
下の部屋にはベッドが並べられていて、みんなから見られ放題、音は2階にダダ漏れ方式。

慣れるうちに、システムに文句をつけるフリーターの男。急に険悪な空気になる。
「童貞が来るのはおかしい」「女の子は可愛いコが揃ってるのに、バランスが悪い」「病気持ちじゃないの?」etc...
加藤も女子大生に嫉妬したため「風俗だぞ。好きになってんじゃねーよ!」

カップルが追加でやってくる。「スワッピングもいいかと」


「コレ(保育士)くらいだったらヤッたことあるけど、アレ(OL)はないからさあ」
でも、彼女が本気になってるのを見ていきなりキレる彼氏。
「高度なギャグなの分かんなかった? 0点、お前!」

5:00 ストーカー対策として、女性を先に帰すシステム。
ケータイをなくしたという女子大生。従業員は、加藤のケータイからかけて見つける
彼女が帰った後に「履歴消してくれる? 君みたいのがストーカーになるからさ」(なるほど


この後の展開まであるのが意外だった。むしろ、この後のほうがずっと奥が深い。
女子大生も加藤くんも、関係性をうやむやなままにしないセリフが好印象。というか、現代っ子らしい。


**********************

性産業をやっている人たちの気だるさと、初めてこうゆう異空間に来た素人客のギャップ。
深夜の風俗店内の薄暗い部屋と、カーテンをバッと開けた平日の朝の空気のギャップ。

性に関するタブーが多くて、控えめなのが美徳の日本らしい展開、過剰なまでのぎこちなさとか、
このビミョーな空気感や緊張感は、欧米映画じゃ出せない。

動物的な性欲は同じにあっても、男女間の感覚の違いがラストに表れてた。


今回の哲さんは、店長役。気だるい感じと、ラストのオチが見どころ。

 
「大丈夫だった? なんかすいませんね。あと片しとけよ」
このわずか数十秒間の表情の微小な移り変わりは、2人の関係性を想像させる、大きな見どころの1つ。

 

「裸になってない田中哲司さんが一番エロかった」なんてコメントもあったなw
10年ほど若かったら、参加するグループ側の役がきてたかな?
『贅沢な骨』(2001)とかで、それらしい役?演ってたしw

こういう絡みのシーンが似合う人?と、いやいやそこまではいいんですって役者さんがいるよね?w
その点で、今作はキャラ設定も分かりやすくて、まとまってた。



「あ、ウソっす。あの2人、頭おかしいだけっスよ。ここには、そんな意味ありげでカッケーことないから」

こういう窪塚くんの飄々としたキャラも十分活きてる。

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topics~マダム・タッソー東京に北野武監督のコマネチ人形 ほか

2014-10-20 14:43:13 | 日記
最近の気になるトピックス。

マダム・タッソー東京に北野武監督のコマネチ人形か展示
 
自分で見て第一声「嫌な野郎だな~! 笑うしかないね」w

 

Q:そんなに長くコマネチポーズをしたことは?
A:ほとんどないです(ちょっとはあったってこと?w

 

Q:次にも作るとしたら、今度はどんなポーズがいいと思いますか?
A:コマネチしかないからね~。やっぱりこれが定番かな。


動画もあり


綾野剛×杏ちゃんが2014年のベストキャラクター受賞
 
なんだか主旨のモヤっとした賞だな


クドカン脚本の未来歌舞伎
 
紋付袴姿?が見慣れない&着慣れてなさそうで可笑しいw

 


連れバイト
 
この言葉は初めて聞くけど、昔からあったし、今も派遣やバイトの広告で
「友だちといっしょにどうぞ」って宣伝文句はよく見るから、別に珍しくはないよね。

若い世代の友だち同士が多い中に、自分が1人で入ったら浮くだろうな
いかにも「和気藹々やってます」的雰囲気アピールは苦手だけど、
若い世代の働き方の価値観が「プロセス重視」に変わったとか、
「生活費のためにムリして働く」→「楽しく働く」への転換は良いと思う。



それこそ企業の就職にも影響して、ちょっとでも労働環境が変化する方向にいけばいいけど。
「人手不足」は、会社の利益ばかり優先して、人を育てなかったからだし、
「少子化」+「安い給料・待遇」、「就職難」などなどお先真っ暗な社会を、若い世代から柔軟な頭で突き破ってほしい。


即日配達
 

 

最速だと注文してから2時間で商品が届く! 地域密着型ってことなんだな。
外に出たくない時に「ちょっとアレが急に食べたくなった」とか、
「急に、夜、電球が切れた」なんて時とか、注文して届いたら便利かも。

高齢化&過疎化で、近くにコンビニやスーパーがなかったり、足がなかったりする場合とか。
あ、でも、またトラック運転手さんたちの人手不足で事故が増えたりしない?


現在、対応しているエリア。今後、もっと展開していく予定だそうな


劇場版ムーミン
 

 

みんな完璧ではなく、自分に正直に生きている。
 そんな愛すべきキャラクターが原作には描かれています。
 ムーミンはフィンランドにとって大切な国の宝です。
 でも誕生から何十年もの間に、ムーミン谷のキャラクターたちの描写が変化して、
 原作から離れてしまうことがあります」

そうなんだよね。児童文学として読むと、ムーミンだけじゃなくて、スヌーピーも、ディズニーも、
もっと多様性があって、真理をくだいて描かれているんだけど、
アニメーションやグッズ販売ばかりに力を入れ過ぎて、キャラクターが可愛い、いい人だけのつまらないものになってしまうのが残念なんだ。


テニスの経済事情
錦織圭選手の大活躍を機会に、テニスに関するモノの値段、給料などはどうなってるんだ!?とかを細かく紹介してて面白かった。

 

優勝は約3億2,000万円。トッププレイヤーの年収1位はフェデラー選手で約60億円
その多くは、スポンサー契約料(推定約10億円以上)に頼っている。

 

チームで遠征していると高額費用がかかることは以前も書いたとおり。

【ブログ内関連記事】
東京五輪で金メダルラッシュ!? トップアスリート育成は... @週刊 ニュース深読み
トッププレイヤーの選手生活とは?

その他の費用も、試合風景を通して紹介したのが面白かった。

 

 
ボールパーソンの全米オープン公式ポロシャツは、ラルフローレン製

 
主審の給料は全米が一番低いんだとか/ホークアイの設置料金

 
試合が近づくと、オークションでさらに約65万円に値上がりするとか

 


本当は、これらの費用をすべて恵まれない人たちの援助に回したら、もうちょっと世の中平和になるんだけどね。。。
なんでもお金が絡んでくる時代なんだ。

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『考えよう、わたしたちの体と生き方4 薬』(小峰書店)

2014-10-19 21:47:23 | 
『考えよう、わたしたちの体と生き方4 薬』(小峰書店)
丸山敬/著

【ブログ内関連記事】
考えよう、わたしたちの体と生き方3『薬1』(小峰書店)

本書の冒頭に書かれているとおり、最近は子どものほうが、塾やゲーム、深夜まで起きてたりして、大人よりよっぽど疲れてるから、
小さい頃から栄養ドリンクを平気で飲ませている親が多いことが、私も心配だった。

私はドリンク剤を信用していないから、買って飲んだことはないけど、
自販機でドリンクを買う際は、「ビタミン入り」「海洋深層水」とかの宣伝文句にたしかにのっかってしまう。

『薬1』で書かれていたように、薬がもともとヒトの持っている免疫力で治す力をちょっと助けるだけのものだとしたら、
あとは、そのヒトが「何を信じるか」てメンタルな部分が大きな影響を与えるってことかもしれないな。

化学薬品、漢方、民間医療、それぞれヒトによって「合う」「合わない」があって、
自分の体に合ったものを選ぶとともに、正しい知識を知ることも必要だと分かった。

その他の、タバコや、飲酒に関しては、「こんなに体に悪いですよ」と今更言ってみたところで
止めるヒト、大きなお世話だと言うヒト、それも自己管理の自由。強制は出来ない。
適度ならコーヒーも、お酒も体にいいって説もあるし、何がほんとか分からない。これも選択の問題だ。
副流煙だけはカンベンだけど


【内容抜粋メモ】

●薬とは?
基本的に体に影響をあたえるものすべて。
病気を治すための薬もあれば、麻薬・覚せい剤も薬の一種だ。
麻薬も、正しく使えば痛みをとる薬になる。

体調を整えるには、健康的な食事をして、よく眠るのが一番
それだけではどうしようもない時に、医者は薬を使う。


****************ドリンク剤の謎



「プラシボー効果」(偽薬効果)
人が薬を飲む場合、実は、飲む人の気持ちがとても影響する。
頭は人間的な思考だけではなく、体全体の調子も管理しているため。

その典型が「プラシボー効果」。
まったく作用のないものでも、信じて飲むといい効果が出て、病気が治ってしまうことがある。
「お祈り」「呪文」で治ったケースも、「プラシボー効果」の可能性が高い。
つまり、病んでいるのは肉体だけではなく心も、というわけだ。
肉体的な病気を強調する時は「疾患」という。


「二重盲検法」
期待や不安という思い込みをなくして、薬をできるだけ正しくみるための方法。

 

心の問題は、薬を出す医者にも影響する。
「この薬は効くはずだ」と信じて使うと、患者もその自信を感じて、良好に向かう。逆もある/驚

この気持ちの問題は、薬の開発に深刻な影響を及ぼすため、新薬や改良版の効果を調べる時は、厳密に調べなくてはならない。
微妙な薬の効果を確実に検討するために、数十人~数百人の患者に「二重盲検法」で調べる。
すると、思わぬ副作用も調べられる。

薬の効き方は人それぞれ


****************民間療法



アスピリンなど、もとは薬草から見つかったものも多い。
「万病が治る」というと法律で処罰されるため「健康食品」とあいまいな言葉が使われて流行することがある。
これらは、いわゆる民間療法に含まれる。ハッキリとした学術的な裏づけなしに行われる治療手段。


「尿療法」
「尿」:血液中の不要物である尿素、塩分、水分が、腎臓から膀胱に漉し出されて体外に排出されるもの。

「尿療法」は、いまだ愛好者がいる、自分の尿を飲む治療/汗×5000
尿には、体の老廃物が捨てられていて、腎臓でつくられる。
せっかく一生懸命捨てたゴミを、また家に持ち込むことになり、意味がないばかりか、健康を害することにもなりかねない。

一部の人の尿には、特別な物質がたくさん分泌していることがある。
ホルモンの中には、飲むと効果を発揮するものもあるため、元気になる可能性もあるが、
ふつう尿療法は、自分の尿を飲むため、その効果が出る可能性は非常に低いだろう。
「信じる者は救われる」プラシボー効果で、精神力で治ってしまうことも考えられる。

「コンフリー」
薬草ハーブ。肝臓を痛める成分が含まれていることが分かった


学問にも限界がある
民間療法は、あくまで自分の生活を脅かすほどのお金と時間は使わない範囲内で、
「ダメでもともと」という冷静な判断を忘れないように


国立健康・栄養研究所のHP「健康食品の安全性・有効性情報」


****************ビタミン

ビタミン不足は病気の原因
「脚気」
「ビタミンB1」の欠乏で起こる。健康な場合は、膝の下を軽く叩くと「反射」によって脚が跳ね上がるが、
反射がなくなるのが脚気の最初の症状。
「インスタント食品」ばかり食べている高校生の間で流行したことがある。

「ビタミンB2」
に多く含まれる。熱に強い。欠乏すると皮膚にオデキができたりする。
ひどいと目の調子が悪くなる、クラクラする、物忘れしやすくなる、など。

「ビタミンB12」
手術で胃をとった人は、「ビタミンB12」を含む食品をいくらとっても吸収できなくなる
「菜食主義者」にも欠乏が多い。欠乏すると、貧血になり、フラフラする神経症状が出る。

ふつうの食事をしていれば、今の日本でビタミン類が欠乏することはない。


ドリンク剤のビタミンの多くは捨てられる
 
ビタミンは脂に溶けるタイプ+水に溶けるタイプがある

ドリンク剤のビタミンB類は、水に溶けやすいため、たくさんとっても尿として出るだけ。
口から飲んだビタミンは、ほとんど捨てられてしまう。
脂に溶けるビタミンは、体内に蓄積されるため、とりすぎはよくない。


****************タウリン

「タウリン」
たんぱく質をつくるアミノ酸中の「メチオニン」「システイン」という種類が変化したもの。
血中のコレステロール値を下げる作用があるため注目された。

[タウリンを含む食材]
おもに魚に含まれる。イカ、ホタテ、エビ、貝類など。

「コレステロール」
脂の一種。ホルモン、細胞をつくる大切なもの。
ただし、一部は、血液の流れを悪くするため「動脈硬化」の原因になる。


****************漢方薬



「漢方」とは、いろいろな薬が混ざっていて、作用を科学的に説明しにくい。
うまく条件が合えば、すごくよく効く。
ただし、効くということは、誤って飲むと、副作用も強く出る可能性が高い。
だから、ドリンク剤の漢方成分は、昔から「体に良い」と言われている程度のものが入っている。


****************カフェイン

ドリンク剤の成分のうち、すぐに効果が出るのが「カフェイン」で、一種の覚せい剤と言える。
ドリンク剤を何本も飲んだり、毎日飲み続けると、カフェインの効きが悪くなったり、飲まない日は調子が悪く感じたりする。


結論を言うと、ドリンク剤は基本的には、あまり効果はない。値段による差もあまりない。
 「高いほうが効くはず」という気持ちが良い効果を生むことはあるかもしれない

少量の「アルコール」が入っているものは、緊張をやわらげるだろうし、
栄養素が多いものは、多少の体力回復に役立つだろうけれども、
ここぞという時に「効き目を信じて」飲めばいいかも。

注意:100%のオレンジジュースもたくさん飲めば糖分のとりすぎになる


****************アルコール~酒は万病に効く?


薬用アルコール

「アルコール」
ある性質を持つ化学物質をまとめた呼び方。いろいろな種類がある。
メチルアルコール=メタノール
(飲むと視神経に障害が起きて失明することもある。外国の安いお酒に混ざっていて事故になったケースがある。

エチルアルコール=エタノール
お酒のアルコールは、ほぼこれ

ブチルアルコール=ブタノール


●人とアルコールの歴史は8000年以上と言われる
理由は、生水を飲むよりも安全だったから(なるほど!
アルコールには、細菌を殺して消毒するはたらきもある。
日本でも、平安貴族は生水を飲まなかった(貴族だけ?
アルコールは、エネルギー源にもなるため、食糧事情や衛生面が悪かった頃は、大切な飲み物だった。

今のように当然のように食事をして、水を飲むようになってから、まだ100年もたっていない。
19Cにようやく水道が発達して、アルコールは楽しみのために飲むようになった。


●「酔う」という状況は?
アルコールを飲んだ時の反応は、人によって違う。
アルコールの作用は、神経の活動を低下させること。抑えつけがなくなるため、明るくなったりすると考えられる。
濃度が濃くなると、意識がなくなり眠くなる。最悪の場合は呼吸停止となる


●アルコールのゆくえ
薬を飲む・注射する血液で全身に運ばれる調子の悪いところを治す

その後・・・


肺でガスになる口から外へ
腎臓尿として外へ
肝臓で分解して胆汁へ便として外へ

「代謝」
体の中でものが変わること。物質をバラバラにすることを「分解」というが、代謝の一種。
薬を飲むと、代謝された物質のほうが作用が大きくなることがある。
飲み薬の場合は、体内に入ってから効果を発揮するよう工夫して、胃や小腸への影響を防いでいる。

アルコールは、飲むとすぐ腸から体に吸収される血中のアルコールは体中に送られ、脳にも浸透するため、神経活動を弱める。
体内に入ったアルコールの一部は、尿や吐き出す息から捨てられる。そして、90%は「肝臓」で代謝される/驚

「肝臓」
もっとも大きな内臓器官。消化を助ける胆汁をつくる。体内の有害な物質を無害に変えるなど。


●酒と肝臓の関係


アルコールは、肝臓で「アセトアルデヒド」に変わる酢酸二酸化炭素+水にまで分解される。
酢は無害だが、「アセトアルデヒド」は、吐き気、ほてり、ふらつき、頭痛など、不快な症状を引き起こす。
酒に弱い人は、この「アセトアルデヒド」を酢に変える力が弱いから。

「酵素」
「アセトアルデヒド」を酢に変えるのは「酵素」。
酒に弱い人は、この「酵素」が少ない人ともいえる。
この反応は、訓練である程度強くなる。たくさん飲むうち、この「酵素」の量が増える酒に強くなる。


「アルコール中毒」


「アセトアルデヒド」が出る理由は、不快な症状を起こして、アルコールの飲みすぎを防ぐため(
日本人は、欧米人よりこの酵素が少ないため、悪酔いしやすいが、アルコール中毒になりにくい。
「アルコール中毒」を治す薬には、アセトアルデヒドを酢に変える反応を止めるものもある。
→すぐ不快になって、飲む量が減る

中毒症状のしくみ
神経は抑えられることに反発して抵抗する。すると気持ちいい気分が弱まるため、ますますアルコールを飲む。
そして、アルコールがなくなると、今度は神経のはたらきが活発になりすぎて、ふさぎこんだり、手足が震えたりする。これが中毒症状。


●酒は肝臓を壊す
「アルコール性肝炎」
肝臓は必死に代謝するため、分解するたんぱく質だらけになる本来の機能が損なわれ、壊れはじめる。

「肝硬変」
酒を飲みすぎると「GOT」「GPT」「γGTP」という肝臓内の物質が血中に漏れ出す。
そして、肝臓の正常な細胞がなくなり、機能のない硬い細胞に置き換わる。

酒の飲みすぎは、他にも胃腸を痛める。

アルコールはストレスの解消になっても、害のほうがはるかに大きい。

「ストレス」
体の内外の刺激に対して、体が防ごうとする反応。さまざまな病気の原因にもなる(改めて意味を聞くとビックリ/驚


****************タバコ~百害あって一利なし



タバコの煙の成分
燃えると「二酸化炭素」「一酸化窒素」「窒素酸化物」+葉から発生する「ニコチン」。
「窒素酸化物」は、「光化学スモッグ」の原因物質。タバコを吸う=自動車の排気ガスを吸ってるのと同じ。

好奇心で吸い始める人が多い麻薬同様に止められなくなる。
体の具合を悪くし、味覚をおかしくするから食欲がなくなり、太りすぎを防いでくれるとも言える(逆の人もいるよね?

喫煙者は「アルツハイマー病」になりにくいという報告もあるが、
遺伝的要因+環境要因が一定でない研究が多いから、特定はできない。


「ニコチン中毒」
タバコが止められなくなる原因は、ニコチンの依存症になるから。
「ニコチン」は、少量だと神経細胞を活発化させるが、多いと逆に押さえ込んでしまう。
麻薬などと同様、最初は元気が出て気持ちが良いけど、それを維持するために使い続けて毒性レベルになる。
止めると、イライラしたり、不快になるため、止めるに止められなくなる。

「依存症」「中毒」
その薬がないと、いてもたってもいられなくなること。
心が欲するもの(麻薬など)と、体が欲するもの(飲み続けないと気持ちが悪くなる)の2種類ある。
飲み続けていると、体がその変な状態に慣れてしまうため、薬を止めると調子が悪くなる。


タバコのニコチンが溶けた水は猛毒

たとえタバコを食べてしまっても、胃液で吸収されず、大事にはならない。
「嘔吐」「下痢」は、体にとって有害なものを捨てることだから良い(絶対、ムリ

だが、タバコを水につけると、ニコチンはどんどん水に溶け出る。
これを飲んでしまったら、すぐに病院に行って治療しないと死んでしまう

麻薬は、凶悪な組織の資金源ともなっている


****************ホルモン

ホルモンのはたらき
・ある臓器から血中に分泌される
・血流にのって、別の臓器へ運ばれる
・そこで臓器のはたらきをコントロールする

体調が悪い時は、ホルモンのバランスが崩れていることも考えられる。

[薬として使われるホルモン]
インスリン→糖尿病
アドレナリン→ショック
ステロイド→炎症、痛み、発熱など
甲状腺ホルモン→甲状腺機能低下。多すぎると痩せるため、怪しい痩せ薬に混ぜられていることがある
男性ホルモン、女性ホルモン→性別を変える


「甲状腺ホルモン」

新陳代謝を調節している

重症だと眼球が飛び出す「バセドー病」は、「甲状腺ホルモン」が多すぎることが原因。
「甲状腺ホルモン」は少なすぎると、やる気がなくなるため「うつ病」と間違えられることがある。
補うと症状は治る。注射のほかに、ブタやウシの甲状腺を乾燥させたものを飲むこともある(そうなの?


「性ホルモン」
体が男らしく、女らしくなるのは「性ホルモン」のはたらき。
最近は、栄養がよいため、人の成長が速くなっている。
ホルモンには、血流にのって、体中へ運ばれる性質があるのを利用して、
体外からホルモンを静脈注射すると、簡単に男性を女性にしたり、逆にもすることができる/驚


「環境ホルモン」
ヒトの生活の過程で発生する、ホルモンのようなはたらきを持つ化学物質のこと。
体をこわす毒物ではなく、体の調節を狂わせる物質。
とくに、「女性ホルモン」と同じようなはたらきをする物質が問題となっている

ゴミを燃やすと出ることが多い。「ダイオキシン」もその1つ。
ホルモン作用のある物質が環境中に増えると体調が著しく変化することになる。

環境汚染は、みんなが加害者であり、被害者だから、すべてのヒトが取り組まなければならない。


犯罪傾向と環境ホルモンの影響!?
以前の犯罪は、自分が生き残るために、他人のお金をとるなど、目的がハッキリしていた。
最近は、何のためにその行動をとったのか不明な犯罪が増えている。
「天の声に命令された」とか、「とにかくやりたかった」など。
これらは、ひょっとすると環境に漏れ出した未知の化学物質が、感受性の高いヒトに影響を及ぼしたのかもしれない。


【ブログ内関連記事】
『廃棄物をへらす 地球環境をまもるアクション』(ほるぷ出版)
『アニマルアイズ1 動物の目で環境を見る ごちそう砦』(偕成社)
『ここまできた!環境破壊1 環境ホルモン汚染』(ポプラ社)
ここまできた!環境破壊2『ダイオキシンの恐怖』(ポプラ社)
『ローティーンのための食育1 心と体を育てる食育』(小峰書店)



「副腎皮質ステロイドホルモン」
 
副腎は、、ホルモンを分泌し、血圧の調整、体温維持などのはたらきをしている

薬として馴染み深いのは「ステロイドホルモン」。
血圧維持に関係する「ステロイドホルモン」と、炎症をおさえる「副腎皮質ステロイドホルモン」がある。

「副腎皮質ステロイドホルモン」は、強力で、あっという間に炎症が治まる。
しかし、そもそも「炎症反応」は、敵と戦う防衛反応。
症状が治まっても、原因が残っていれば、防衛反応を抑えてしまって、悪化することもある。

「アレルギー」
敵がいないのに防衛反応だけが空回りして問題を起こす。
「副腎皮質ステロイドホルモン」が有効だが、「抵抗力」を弱めるため、別の外敵が侵入して、新たな病気になる危険がある

 
いろいろなホルモン剤/ステロイド剤


[おわりに]
最近は「分子生物学」という体のはたらきをより詳しく研究する学問が発展している。
それでも、新しい薬を飲んだ時に、どんなことが起こるかは、なかなか分からない。

医療の世界でも、しっかりとした学術的根拠に基づいた治療をしようという動きが進められている。
だが、まだその段階にはほど遠いため、医者の勘や、経験に基づく「さじ加減」がまだまだ大切。

薬を飲む時は、医者まかせではなく、ネットなどで調べてみよう。
疑問が湧いたら、担当の医者に相談するのもいい。


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『カリーナのりんご チェルノブイリの森』(子どもの未来社)

2014-10-19 21:13:43 | 
『カリーナのりんご チェルノブイリの森』(子どもの未来社)
今関あきよし/原作 堀切リエ/文

とてもストーリー性のあるドキュメンタリーだと思いながら読んでいたら、巻末についてた冊子をみて、
もとは2003年に撮った映画(公開は2011年)の絵本化だと分かって納得。

映画オフィ

trailer

story(ネタバレ注意
 

“カリーナ”は大好きなおばあちゃんがつけてくれた呼び名で、とても丈夫で、食べると元気が出る木の名前と同じ。
夏休みには、ホイニキにあるおばあちゃんの家に遊びに来るのが大好き。
庭にはリンゴの木がなっていて、ニワトリ小屋で卵を2つもらって、井戸の水を汲む。「さあ、朝ごはんのしたくができた!」

湖沿いには、よく遊んだユーリャの家があるけど、みんな遠くの町に引っ越してしまった。
他の友だちも同じ。だから、村には子どもがいないの。

村の教会で、私はキレイな石を拾って、神さまの代わりにお守りにした。

 

夏休みはもう終わり。叔父さんがクルマで向かえにきた。
今住んでいるアーニャ叔母さんの家は、高いビルのあるミンクス。
叔父と叔母はケンカしていて、夕ご飯の時、みんな黙っていた。



おばあちゃんがお土産にくれた庭のリンゴとキノコは、ゴミ箱につっこんであった。
叔母さんは、ホイニキのものは食べないと決めているみたい。
とっても美味しいのに・・・神さまなら、分かってくれるよね?



学校には行きたくない。ここでは「ホイニキから来た」と言うと、遠ざかっていく子がいるの。



血液のがんになって入院しているお母さんに会いに行った。
入院費がかかるから、お父さんは、遠いモスクワへ働きに行っている。

冬、おばあちゃんが病気になったと聞いて、急いで駆けつけた。
私は、カリーナの実の瓶詰めをおばあちゃんに渡した。
おばあちゃんは、少しずつ元気になっていった。
「ずっと、ここにいられたらいいのに」と言うと、おばあちゃんは答えなかった。


春に家の前で撮った写真


叔父さんがやって来て「お母さんの病気が悪くなった。すぐに帰ろう」

ずっと前に「なぜ、お母さんは病気になったの?」と聞いたことがある。
お母さんは、少し考えてから

「ホイニキからちょっと離れた所にチェルノブイリという所があってね。
 その森に、悪い魔法使いのお城があって、毒をまきちらしているのよ。
 おばあちゃんの家は、毒でひどく汚れた村の隣りなの。だから長くいないほうがいいのよ」

「そんなことないよ! ホイニキは、空も木も草も湖もキレイだし、リンゴも、キノコも、美味しいもの!」


お父さんは、こう話していた。



チェルノブイリにある原子力発電所が、爆発事故を起こしたんだ。
 黒い煙がもうもうと出て、14日間燃え続け、放射性物質という、とても危険なものをたくさん噴き上げた。
 それが、風にのって、ホイニキにも飛んできたんだ。
 それは、目には見えないし、臭いもしないから、雨と一緒に土の中にもしみこんで、今も危険な放射線を出し続けている」


夜、咳が止まらなくなって、喉が痛くなった。
たくさんの検査をして、喉の手術をすることになった。
先生に話を聞いた後、おばあちゃんは泣いていた。泣いちゃだめだよ、おばあちゃん。




隣りのベッドのターニャちゃんは、ずっと入院してるんだって。
「薬のせいで、髪の毛が抜けてしまったの」
お母さんと同じ、血液のがんなんだって。
私のは、喉にある甲状腺のがん。

お医者さんは、「これから毎日、薬を飲んでいれば大丈夫」と言った。ほんとうかしら?


隣りの部屋のマーシャちゃんが、昨日、亡くなった。

私は、その夜、考えた。
「なぜ、神さまは助けてくれないの? もし、何もしてくれないのだったら・・・わたしがやらなくちゃ!」



私はバスに乗って、終点まで行った。
私はずっと歩いて行くんだ。
この先に、悪い魔法使いのいる森があるから、魔法使いに会って頼むんだ。

「病気になって苦しんでいる人がたくさんいる。
 自分の家に住めなくなって、悲しんでいる人がたくさんいる。
 家族がバラバラになって、寂しい思いをしている人がたくさんいる。
 だから、おねがい。もう、毒をまきちらすのはやめて!」て。

もし、私が神さまだったら、毒をすっかり消して、空も、海も、川も、湖も、村中きれいにしてあげるのに。
それから病気になった人たちを治してあげて、よく頑張ったね、って褒めてあげたい。
みんなの笑顔を取り戻したい

私はカリーナ。カリーナの木のように、つよい子だもの。

***************************************


ベラルーシだけでなく、ウクライナ、ロシア、そして、日本にもカリーナがいます。

堀切リエ
群読の会「すいれん」メンバー。映画の試写会を観て、絵本化を企画した。


[今関あきよしさんのメッセージ]
現在も、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアの病院には、がんに冒された子どもたちが運びこまれています。
事故後、北へ吹く風に乗って、隣国の大地が激しく汚染されたのです。

ベラルーシの小児血液学センターに取材に行き、甲状腺がんや血液のがん(白血病)で苦しむ子どもたちにたくさん会いました。
10歳くらいの少女は、目をそむけてしまうくらいの奇病で、顔が変形していました。
2度目に取材に行った時、その少女はすでに亡くなっていました。



抗がん剤の影響で髪の毛が抜けている子も多く、付き添う母親は皆決まって
「髪があった時は、こんなに可愛かったのよ」と写真を見せてくれます。
医師から「患者の子どもの前では、絶対に泣かないでください」と注意を受けていたので、正直辛かったです。


取材はたくさんしましたが、カリーナの話は実話ではありません。
1人の少女の視点から、原発事故の恐ろしさを描きたいと思ったのです。

チェルノブイリ原発事故から25年たち、映画の公開準備をしている時に、東日本大震災が起きました。
今では、福島が重なって見える状況になってしまったのです。

映画の公開には反響が多く驚きました。

千葉で3人のお子さんを育てている20代のお母さんは、
「上映後、今まで溜めてきた辛い気持ちがあふれて、たくさん泣いてしまいました」と長い感想を送ってくれました。

なにかに「すがる思い」で観に来てくださる方々が多い気がするのです。
今、わたしにできることはなにか。
それをこれからもずっと考え続けていきたいと思います。


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高橋大輔くん引退。感動をありがとう!

2014-10-18 13:56:47 | フィギュアスケート
高橋大輔くん引退
高橋大輔引退 日本男子・功労者の決意、関係者「気力に限界」

ほんとに想像を絶する過酷な世界だな、トップアスリートって。
これからも若手の育成などで、日本のフィギュアスケート界を支えていってほしいけれども、
まずは、ゆっくり体とココロを休めて、じっくり今後のことを考えてくださいませ。
本当に、選手生活お疲れさまでした。たくさんの夢と感動をありがとう

以下、いろんな番組で取り上げられたニュースをまとめてみた。

 


「気持ちの中にもやもやしたものが残っている自分がいて、次に進むには、一度線を引く、引退したい気持ちになった」


[これまでの功績の数々、フィギュア界に与えた影響は?]
 

 

「漠然と夢見ていたオリンピックに3回も出させていただいた。
 その4年、4年、それまでのストーリーが自分を作ってくれたと思う。
 たくさんの、普段の生活ではできない経験をさせていただいた」


 
メガネ姿も新鮮!


 
お、佐野さんも声で出演

「栄養士などがついて、“チーム高橋”というきちっとした形でできあがったのは、高橋くんが初めて」


 
日本人で彼ほど表現力の高い選手はいないし、世界にもいないと思うなあ!

八木沼さんイチオシは、、、
「しびれたのは♪マンボメドレー! 他の選手には表すことができない微妙な間のとり方、顔の向き・・・」

 

「結構、みなさん(高橋選手の演技を)真似して、練習中にやったりする。
 なんとなく滑りが似ているね、とか、それだけ、若い選手たちにも高橋選手の影響は、結構、深く入り込んでいると思う。
 “僕も、高橋選手と同じようなスケーターになりたい”って子も多い」


 
DVDの売り上げもダントツ

 


こんなに長く活躍して、引退して、まだ28歳っていうのが一番驚いた
フツーなら、まだ「これから何を目指そうかなあ・・・」ってボンヤリ考え始めるくらいの歳だよね

トップアスリートの低年齢化、すべての生活を練習に費やして、
経済的な問題、遠征の日々、怪我との戦い、などなど。。。

私は、テニスや、フィギュアなどの個人スポーツのそういうストイックさにも強く惹かれる。
たとえ、ずっと現役を続けたくても、心身ほかの理由で続けられない場合もある世界なんだ。

これからは、ショーに出演する予定があるとのこと。
大会の緊張感の中での演技が見られないのは残念至極だけれども、
たくさんの名シーンの記憶を焼き付けて、これからの大ちゃんの活躍に期待しています!

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